YOASOBI (ヨアソビ) 配信シングル「Into The Night」。
前作「もう少しだけ」だけから2カ月弱。NTTドコモ「ahamo」CMソング「三原色」と同時にリリースされたのは「夜に駆ける」のEnglish Ver.
デビュー作かつ、YOASOBIの代表曲が、また異なる感覚で聞けます。
Into The Night 概要
English Ver.と言っても、そのまま英語にしたわけではありません。その理由として考えられるのは、発音はもちろん文法が異なる日本語と英語の違い。
表現する内容が全くとは言わないまでも、少し変わっています。それでもキーとなる部分の音は、まるで日本語のように聞こえる部分が含まれるのも特徴。
空耳ではないですが、これは面白い手法だなと感じてしまうこと請け合いです。
また、今回のキーは、ikura (幾田りら)。生まれはアメリカでも、生活していたのが小さな頃過ぎて、現状は英語で会話ができるレベルではないとのこと。
ラジオで語っていましたが、今作のレコーディングではリモートで英語の先生とつなぎ、12時間程度かかったそう。今の1曲単位で考えると、そこそこな時間。
英語圏の方が聞いた時に分かるようにいうのが、拘りとしてあったとのこと。その思いの通り、聞いてくれた方にちゃんと伝わるようになるといいですよね。
描かれる世界、メロディーが印象的なこの曲。受けいられ方の状況次第では日本だけでなく、面白いことになっていきそうです。
Into The Night
![]() | 「Into The Night」 フルMVをApple Musicで観る |
「夜に駆ける」のEnglish Ver.「Into The Night」。
「Into The Night = 夜の中へ」。タイトルも変わっている通り、描かれている世界が少しオリジナルと変わっているのが特徴であり、面白い変化。
中高生で十分に分かるレベルであり、翻訳者(Konnie Aoki)のセンスがいいのが分かります。オリジナルと同じ音始まりなど、面白みもあるのもポイント!
Seize a move, you’re on me, falling, and we were dissolving
「動きを捕らえ、私の上に乗り、落ちて、溶けてゆく」。カンマで切られるのでパット見はなんのこっちゃですが、ビルから飛び降りて落ちて行く場面。
English Ver.で初めて聞く方は、映像と合わせて見たほうが分かりやすいかも…。オリジナルだとオブラートに包まれていた部分が、前に出てきた形です。
Saw what got seen hid beneath, and louder nights are keeping me down
「下に隠れているもの見たんだ。騒がしい夜が僕を抑えつけてているよ」。見てはいけない物を見て、感情が変わっていく。糸が途切れる場面なのかも…。
サビの部分で音が一緒でも、違う内容の言葉。それでも”騒がしい”が同じ節の中に含まれるようにすることで、比較した時の面白みが増しています。
You and me are running through the night in dark, I’ll take you
「君と僕は夜を駆ける。あなたを連れて行くよ」。死神さんであった彼女。連れて行く場所は明るい場所ではないのに、望んで一緒に堕ちていく。
悲しいことであるのに、それが進むべき形なのでしょう。大筋そのものは変わってはいないのですが、少しの変化が印象を変えているのが興味深いです。
オリジナルあってのEnglish Ver. 試みとして面白いだけでなく、これはすごくいいんじゃないでしょうか。
あとがき
大ヒットした代表曲だったから、English Ver.にしましただけではない意図を感じさせる今作。やっぱり特に日本語は特殊で、ガラパゴスな言語。
日本文化が好きで意味が分からなくても聞く方もいますが、メインとなるターゲットは国内のみ。チャートを見ると分かりますが、海外ではほぼ聞かれません。
逆に歌詞が英語ヒットをすると、多くの国で聞かれます。その中で音楽の聞き方が世界中でストリーミングへと変わり、いかに再生させることが重要な現代。
繰り返して多くの方に聞いてもらわないと、CDのような利益はでません。よっぽど売れていれば別ですが、日本だけを対象にするのは難しくなってきました。
よくロックバンドがEnglish Ver.を用意するのは、マーケットの大きさからある意味で必然と呼べるもの。音楽として、成り立たせるための部分もあります。
そんな中YOASOBIは、日本のストリーミング再生のトップクラスアーティスト。現実として、国内のみでの再生される限界値というのも見えているはず。
そんな中で、このEnglish Ver. 単に英語にしたというだけでなく、海外展開を視野に入れてのものと感じてしまうのは、当然かもしれません。
今後も日本がメインというのは変わらないでしょうけれど、この「Into The Night」が海外でも受け入れられたら、実に面白いことになりそうです。
実際にその可能性も、間違いなくあるはず。歌声とメロディーも印象的で、描かれている世界も興味深く感じるはずですから…。
以上、『YOASOBI:Into The Night ~僕は暗い闇の中へ望んで堕ちるよ~』でした。
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