X JAPAN (エックスジャパン) スタジオ・アルバム「ART OF LIFE」。
前作「Jealousy」から2年2ヶ月。商標上の問題からXからX JAPANに改名というだけでなく、ベーシストがTAIJIからHEATHへチェンジして初の作品。
YOSHIKIの半生をモチーフにした、1曲でありながら29分1秒の大作。リリース時もでしたが、今あらためて聞いてみても衝撃を受ける作品です。
ART OF LIFE 概要
本来は「Jealousy」と、2枚組の予定だった「ART OF LIFE」。製作途中に複数の問題が発生し、別作品としてしてリリースされています。
元々「Say Anything」の第2章の位置づけがあり、つながる要素があるのも特徴です。「Say Anything」がアルバムの最後にあるのも、その理由だとか。
リリースに2年2ヶ月の期間の差異。メンバーも変わっていますから当初とは異なる点もあるのでしょうかれど、興味深く感じるエピソード。
リリースされた1993年はネットも一般的とは言えない時でしたから、今だからこそより楽しめる部分があると感じる方も多そうです。
ちなみにウィキペディアの開設が、2001年1月15日。1曲のアルバムとしては日本で歴代売上枚数が1位というのも含め、興味深く感じてしまいます。
ART OF LIFE
YOSHIKIの半生をモチーフにした「ART OF LIFE」。
大まかな楽章と区切ると、3章に分かれる曲。長い曲は聞いている側として展開を覚えるのが難しい場合がありますが、分かりやすいのも特徴です。
プレイヤーだけが楽しめる形にしていないのは、X JAPANの美学なのかもしれません。だからなのか、当時コピー(不完全)したのを今もほぼ覚えています。
個人的にギターでコピーした1曲の中で1番長いのは、きっと今後もずっと「ART OF LIFE」であり続けることでしょう。
Ran away from you without saying any words
What I don’t wanna lose is love
「何も言わずにあなたから逃げたのは、愛を失いたくなかったから」。弱いからこそ、決定打になることは見たくはない。想像をしたくもないのでしょう。
I believe in the madness called “Now”
「”今”と呼ばれれる狂気を信じてる」。過去でも未来でもなく今。ここで起こることこそが狂気で、リアルだからこそ信じている。
逆に今を信じられないのに、未来なんてないよと言いたいのかもしれません。
Wanna live, can’t let my heart kill myself
Still I’m feeling for a rose is breathing love
In my life
「生きたい、心は殺せない。俺の人生で、まだ薔薇が愛の呼吸をしているから」。生き続けることを選ぶのが狂気であり、美学でもありそうです。
見た目はキレイでも、棘がある薔薇。悲しいこと、辛いことも背負っていくというのが、YOSHIKIの半生で決めたことなのでしょうね。
どんな人生を歩んできたのかは、自伝などで分かる部分もありますけれど、罪と罰を背負いながら生きていく意思。加えて、薔薇のように美しく咲き続ける。
聞きやすさと深さが両立した曲は、あらためて聞いてみても衝撃があります。
あとがき
「ART OF LIFE」を初めて聞くでも人によって耳に馴染みがあるのは、シューベルト 交響曲第8番ロ短調「未完成」のフレーズが含まれているため。
初めて買ってもらったレコードだったからこそ、自らの生涯を描くために必要だったとか。自然に入っているからこそ、聴き比べてなるほどいう感じですが…。
また、リリース日で考えると、YOSHIKはまだ27歳。現在ではなく若い時にこれだけの曲を作り、作品として実現しているというのは、やっぱりすごい人です。
そこに加わるメンバーもという感じですが…。TOSHIの歌声が若い! と感じる部分も含めて、とても興味深い楽曲です。
X JAPANはふと聞きたくなる時がありますが、思ってしまうこと。こんなに大作でなくていいので、新しい曲がやっぱり聞きたいですね。
いろいろと問題もありそうですが、X JAPANは今も存在しているので…。ずっと待ち続けたままにならなければいいなと、思わずにはいられません。
以上、『X JAPAN:ART OF LIFE ~人生の薔薇はいつまでも咲き続ける~』でした。
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1993/8/25 release Studio Album
X JAPAN:ART OF LIFE ~人生の薔薇はいつまでも咲き続ける~ ←今ココ
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JOE (ジョウ)
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