Weezer (ウィーザー) カバー・アルバム「Teal Album」。
洋楽ファンであれば誰も知っているような10曲の名曲を、原型を崩さずにWeezer流にカバーをしたアルバムです。これが興味深いカバーになっています。
有名曲が自然体のまま、Weezerの曲になっているんです。カバー・アルバムというとしょうもないアルバムも多いですが、このアルバムは全く違いますよ。
聞いていて自然のリスペクトが感じられるのが、理由なのかもしれません。箸休めのアルバムと思いきや、思っている以上にしっかりと楽しめるアルバムです。
Teal Album 収録曲概要
「Teal Album」の収録曲は以下の通りです。
- Africa
Toto - Everybody Wants to Rule the World
Tears for Fears - Sweet Dreams (Are Made of This)
The Eurythmics - Take on Me
a-ha - Happy Together
The Turtles - Paranoid
Black Sabbath - Mr. Blue Sky
Electric Light Orchestra - No Scrubs
TLC - Billie Jean
Michael Jackson - Stand by Me
Ben E. King
曲名の下がオリジナルのアーティスト名ですが、曲はもちろんアーティスト名も豪華な顔ぶれになっています。ジャンルがバラバラなのが、また面白いですね。
カバー曲でもWeezerとしての曲にできるかが基準にはなっていると思いますが、この10曲を選曲した基準はどうやって選んだのか、とても気になります。
また、最初からこの10曲のみを選んだとは考えづらいので、このアルバムの10曲からもれた曲はどんな曲だったのか、選曲基準と同じく興味がありますね。
おそらくAce of Baseの曲は選考の選曲に入っていたと思うのですが、どうなんでしょうね。TLCが入っているから、古い中でも新しすぎでもないですよね。
また、カバーアルバムを制作する時があれば、Ace of Baseの曲が入りますように! この曲が聞いたい! など次を期待してしまうのも、このアルバムの特徴です。
Africa
アルバムのオープニング曲でTotoのカバー曲「Africa」。(1曲目)
オリジナルのリリースは1982年ですから、37年前の曲です。ロックバンドの曲で40年近く歌い続けられていて、これからも歌い続けられるスゴイ曲です。
さすがにオリジナルは古さを感じる曲になっていますが、Weezer流で現在の曲として形を崩さずにうまくカバーされています。この曲は特に合いますよね。
MVは時代背景を伝えるためなのか面白い形になっていて、レトロなビジュアルと4対3の昔の画面比率で撮影がされているのが面白いです。そしていい曲!
Sweet Dreams (Are Made of This)
The Eurythmicsのカバー曲「Sweet Dreams (Are Made of This)」。(3曲目)
この曲はアルバムの収録曲の中でも曲名を見ただけで、特に気になっていた曲の1つです。Marilyn Mansonがしたカバーのイメージが強いので…。
Marilyn Mansonのカバーはバンドのイメージ通りのおどろおどろしたイメージになっていますが、Weezerのカバーはオリジナルに近いです。
やっぱり曲の印象はカバーする人によって、全く違った形の曲になるんだなと感じた曲です。ただ、この曲のイメージはやっぱりMarilyn Mansonですね。
聞いている回数が違うからなのもありますが、おどろどろした感じが本来のオリジナル版よりもオリジナルとして耳に焼き付いてしまっています。
聞いてきた音楽状況によって、この曲のイメージは変わりそうです。
Take on Me
a-haのカバー曲「Take on Me」。(4曲目)
名曲中の名曲です。a-haを全く知らない世代でも、この曲は聞いたことあると言う人が多いのではないでしょうか? 逆にこの曲は、名曲過ぎて難しいですよね。
この曲も他のカバー曲と同様に原型を崩さないアレンジになっていること、ヴァース・クオモの声質にぴったりな曲というのが功を奏していると感じました。
Weezerのカバーも、この曲は何回も繰り返して聞きたくなってします。
Happy Together
The Turtlesのカバー曲「Happy Together」。(5曲目)
オリジナルは今聞くといなたい感じですが、うまくブラッシュアップ(磨き上げる)をして、今の曲として蘇った感じがするカバーです。
オリジナルとほぼアレンジは変わっていなくても古い曲を今の曲にするのは、Weezerはさすがだなと感じさせてくれるカバーです。
変更をして色を出すのは多くのバンドでできますが、無理に変化をせずにバンドの色を出すというのは、並大抵のバンドにできることではありません。
アルバムの中で1番短い曲であると同時に、1番自然な感じがしました。
Paranoid
Black Sabbathのカバー曲「Paranoid」。(6曲目)
このカバーアルバムの中で、1番選曲に意外性のあった曲です。もちろん影響は受けて聞いている曲なんでしょうけれど、選曲されたことにびっくりしました。
「Sweet Dreams (Are Made of This)」と同じく、収録曲の曲名を見た時点でどうなるか予想がつかなすぎて、興味が強く引かれた曲です。
Weezerはポップ度が高いですが、あらためてロックバンドなんだと感じさせてくれるカバー曲です。想像していた以上にカッコいいカバーになっていました。
このアルバムの中で1曲と選べと言われたら選ばないですけれど、興味深い面白いカバーになっているのは間違いありません。意外性で言えば1番です。
Billie Jean
Michael Jacksonのカバー曲「Billie Jean」。(9曲目)
この曲も有名過ぎて難しいカバーだと思いますが、Weezer色を入れた面白いカバーになっています。ダンスビートであるながら、バンドを感じさせます。
Michael Jacksonファンも、納得するカバーではないでしょうか? 原曲に合わせたアレンジでありながら、デジタルとアナログの融合が聞いていて面白いです。
原曲を知らない人であれば、今のおしゃれな曲で通る気がしました。
あとがき
2019年は12枚目のオリジナルアルバムの「Black Album」もこの後にリリースしているのですが、13枚目のアルバムのリリースが既に決定しています。
「Van Weezer」と名付けられたアルバムは、バンドのルーツであるメタルに由来したものというのは、きっと「Paranoid」をカバーしたのも影響していますよね。
2020年5月15日リリース予定とかなり先にはなりますが、先行ですでに配信されている「The End Of The Game」を聞くと楽しみでなりません。
聞いた音楽に影響されて音楽を好きになったり、演奏して曲を作り出すのですから、カバー・アルバムというのはたまに聞くと面白いですね。
名曲中である10曲をWeezerが今の曲にしたカバー・アルバム。オススメです。
以上、『Weezer:Teal Album ~今現在の曲として聞く10の名曲~』でした。
JOE (ジョウ)
最新記事 by JOE (ジョウ) (全て見る)
- Rainych:Chiki Chiki Ban Ban ~勿体ぶらずに全力全開で愉しめ~ - 22年7月3日
- Amaranthe:Crystalline ~その心は決して崩れない~ - 22年7月2日
- 岡咲美保:インフィニット ~私たちが未来で見られる笑顔は~ - 22年7月2日
- 【2022年6月音楽レビュー】27アーティスト:30枚 + まとめ記事 - 22年7月1日
- 麻倉もも:シロクジチュウム ~いつ何時もずっと私を…~ - 22年6月30日
コメント