Vince Neil:Carved In Stone ~記録として残すもう1人の自分~

Vince Neil:Carved In Stone洋楽レビュー

Vince Neil (ヴィンス・ニール) 2枚目のアルバムである「Carved In Stone」。

ファースト・アルバム「Exposed」から、2年5カ月ぶりの1995年にリリースされたアルバムです。ファースト・アルバムとは大分内容が異なります。

ギタリストのSteve Stevensと決別したのが、大きな理由の1つです。派手さはなくなりましたが、ツッコミどころもありつつ、堅実的なアルバムといえます。

MOTLEY CRUEで派手なイメージのあるヴィンス・ニールに派手さがないのは意外な気もしますが、逆に派手さがないのが面白くて楽しめるアルバムです。

Carved In Stone 収録曲概要

「Carved In Stone」の収録曲は以下の通りです。

  1. Breakin’ In the Gun
  2. The Crawl
  3. One Way
  4. Black Promises
  5. Skylar’s Song
  6. Make U Feel
  7. Writing On the Wall
  8. Find a Dream
  9. One Less Mouth to Feed
  10. The Rift

冒頭でツッコミどころがありつつとしたのは、理由があります。

9曲目の「One Less Mouth to Feed」とファースト・アルバムに収録の「Look In Her Eyes」がAメロのメロディーが全く同じなんです。

ファースト・アルバムを聞いている人であれば誰もが「ん!? 」と感じるはず。

このアルバムを通して感じるのは、ヴィンス・ニールがいろいろな状況によって、メンタルの面であまりいい状態ではなかったのかなという気がします。

1曲であれば思いませんが、アルバムの曲の随所に感じる部分があるんです。

ずっとメンタルが落ちているわけでないですし、「Carved In Stone」というアルバム・タイトルをとしたのは、今の状態を記録として残すという意味かも?

ヴィンス・ニールが求められる部分もあるでしょうけれど、ソロでMOTLEY CRUEの曲しか極端に演奏しないのは、戻したくない記憶なのかもしれません。

Breakin’ In the Gun

アルバムのオープニング曲の「Breakin’ In the Gun」。(1曲目)

曲始まりのサイレンの音は、Steve Stevensがいなくてもファースト・アルバムの路線でくるかと思わせますが、曲自体はシンプルなハードロック曲です。

この曲を最初に聞いた当時は少し拍子抜けする曲だったのですが、年数がたってから聞いてみると、思いの他にカッコいいなと聞こえ方が変わった曲です。

いろいろなジャンルの音楽を聞いているうちに、シンプルなハードロックのよさに気付いたのが理由かもしれません。以前と聞こえ方変わった、面白い曲です。

The Crawl

一聴は派手に聞こえても、演奏は実にシンプルな曲の「The Crawl」。(2曲目)

ワウやエフェクターを使っているので難しそうに聞こえるかもしれませんが、全く難しくない演奏なので、初心者の練習向きの曲です。

MOTLEY CRUEでは聞けないタイプの曲なので、多くの人が持つヴィンス・ニールのイメージと違う面を聞ける、珍しいハードロック曲になっています。

Skylar’s Song

幼くして亡くなった愛娘のスカイラーについて歌った「Skylar’s Song」。(5曲目)

破天荒なイメージが強いヴィンス・ニールの、優しさが垣間見える曲です。こんなに優しい声で歌うヴィンス・ニールは、この曲ぐらいではないでしょうか?

MOTLEY CRUEでもソロでもバラード曲が多くありますけれど、この曲は親が今はいない子供も思って歌った特別な感じが聞いていてもします。

名曲なのかといわれたら違うのですが、曲に込められた力が異なっていますよ。

The Rift

アルバムのラストを飾る曲の「The Rift」。(10曲目)

道に迷った、転落していくと歌ったこの曲は、ヴィンス・ニール自身の事を歌った曲のように聞こえます。歌詞はシンプルですが、切ない感じです。

MOTLEY CRUEから首を切られ、Steve Stevensともうまく行かなかった。愛娘も病気で失うという、切ない歌詞はヴィンス・ニールそのものかなと。

「Skylar’s Song」もですが、この時のヴィンス・ニールでなければ歌えなかった曲のように感じます。それだけに、込められた思いが興味深い曲です。

あとがき

みなさんもご存じの通り1997年にMOTLEY CRUEに復帰しますので、ソロライブはしていましたが、ソロのリリースはこの後しばらくありません。

復帰するにはソロでも異なる2枚のアルバムをリリースして、最善といえるタイミングでの復帰になったのではないかと思います。

このままソロを続けていたらどんな音楽を続けているのか、想像ができません。もしかしたら、すごいアコースティックな曲をする人になっていたのかも?

ファースト・アルバム「Exposed」を求めてしまうと拍子抜けをするアルバムですが、ヴィンス・ニールのいろいろな面を見られるアルバムです。

イメージと印象が異なるだけで、曲は全然わるくないので、ご安心を。

絶対に聞いておくべきアルバムではないですが、このアルバムで聞けるヴィンス・ニールはここでしか聞けません。だからこそ、興味深いアルバムです。

 

以上、『Vince Neil:Carved In Stone ~記録として残すもう1人の自分~』でした。

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