Trivium (トリヴィアム) 9枚目のアルバム「What the Dead Men Say」。
前作「The Sin and the Sentence」から約2年半。音楽性としては延長線にある内容でありながら、より突き詰めた進化を聞かせてくれます。
先行配信曲で良さそうな気はしていましたが、全体としてとてもクオリティーの高いアルバム。期待通りというよりも、超えてきてくれました。
What the Dead Men Say 収録曲概要
「What the Dead Men Say」収録曲は以下の通り。
- IX
- What the Dead Men Say
- Catastrophist
- Amongst the Shadows & the Stones
- Bleed into Me
- The Defiant
- Sickness Unto You
- Scattering the Ashes
- Bending the Arc to Fear
- The Ones We Leave Behind
インストゥルメンタルを含む10曲で、46分。終始カッコいいモダンメタルが聞けます。バンドとしての脂が乗ってきた感じ!
マシュー・キイチ・ヒーフィーのよくYouTubeにアップするカバーはラフさがありますが、バンドとしての音源はきゅっと引き締まった内容です。
IX
インストゥルメンタル「IX」。(1曲目)
ラテン語で9を表す「IX = ノウェム」。9枚目だからこその曲名ですが、始まりとしてこの上なく期待を高めてくれます。
「What the Dead Men Say」にうまく橋渡しをするのに、しびれずにはいられません。
What the Dead Men Say
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アルバム・タイトル曲「What the Dead Men Say」。(2曲目)
「死者の言葉」。本来は聞くことはできないからこそ、痛みと切なさが漂います。小説からということですが、なんという寂しいアルバム・タイトル…。
What the dead men say
You can’t let go
「死者の言葉。手放せない」。実際の耳ではなく心で聞く言葉だからこその思いなのかも…。ロックにはこの寂しさが似合います。
Catastrophist
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破壊させる者について歌った「Catastrophist」。(3曲目)
聞く人によっていろいろな解釈ができる曲。どうすることも出来ない状況に迷っているとも、怒りをため込んでいるようにも聞こえます。興味深いです。
How far along before we fade away?
「消えるまでにどのくらい距離があるの?」。逃げられないからの寂しさでしょうか。聞くたびに印象が変わって聞こえてきます。
転調が多い曲。思いが揺れるからこそなのか、聞いているだけだと気付かない感じがするのも特徴です。
Amongst the Shadows & the Stones
激しいメタル「Amongst the Shadows & the Stones」。(4曲目)
デスボイスが聞いていて熱くなると同時に、ギターを弾きたくなる曲。そこらのバンドが同じ曲を演奏したら、ごちゃごちゃして伝わらないかも…。
We’re dying for nothing at all
「俺たちはなんのためでも死にたくない」。生き続けたい思いだからこそ、叫びの声としてデスボイスがこれでもかとうまくはまっています。
吐き捨てるような言葉が、思いの強さを感じずにはいられません。
Bleed into Me
歌詞に込められた思いが切ない「Bleed into Me」。(5曲目)
血を流すとは自分の身を削るだけでなく、生命が消えていく状況でしょうか。ああるべきものがなくなっていくことに、切なさを感じます。
Before you are gone
「消える前に」。寂しいです。聞くだけでも切ないのですが、MVの永遠と逃げていくゲームがなんともいえません。走っても時間は残されていないのに…。
ライブでこの曲がしっかりと表現できたら、バンドの強みになりそうです。
The Defiant
リフがカッコいい「The Defiant」。(6曲目)
曲名の通り「反抗的」であるのを感じる曲。いいなりになったり、逃げ回るだけじゃないんだぞ! と、思いの強さがあります。
I stand in defiance of your ways
「あなたのやり方には逆らってみせる」。例え負けたっていい。立ち向かうことに意味があるんだという思いには、聞いていて熱くならずにはいられません。
演奏はアルバムの中でも特にシンプルですが、カッコいい曲です。
Scattering the Ashes
寂しさともに、強さの元となる「Scattering the Ashes」。(8曲目)
父と息子を亡くし悲しみにくれるのではなく、今夜「灰を散らす」。人としての形でなくなるからこそ、心として思いに留めるというこのなのかも…。
Too late, now all is gone
「遅すぎる。今全てがなくなった」。灰になってからでは、確かに遅すぎる。だからこそ、強く前に行くことを選ぼうとしている気がしました。
聞いているだけで情景が浮かんでくる曲は、MVになったらいいですね。
The Ones We Leave Behind
ラストを飾る「The Ones We Leave Behind」。(10曲目)
アルバム・タイトルに通じる曲。聞いていると、なるほどねと感じてしまします。最後にあることに意味があります。
The ones we leave behind
「俺たちが残したもの」。これが「What the Dead Men Say = 死者の言葉」。実際は聞けないと思ってしまいますが、ちゃんと伝えているんでしょうね。
ストーリーとして聞くと、面白みが大きくなります。小説を元にしたタイトル曲。他の曲も含めてアルバムで表現している世界が、興味深いです。
あとがき
充実した内容のアルバム。ポップさという意味でなく、どの曲をシングル・カットされてもおかしくないクオリティの高さがあります。
来年1月に振替公演が行われる「KNOTFEST」に出演が決まった、トリヴィアム。完全に浸透しきった中でのライブは、盛り上がるでしょうね。
歌詞の内容は寂しんですけれど、熱いモダンメタルを聞かせてくれました。今の状況にどんよりしている方に、聞くのをおすすめします。
聞くだけでロックの暑さ、カッコよさが十分に感じられることは間違いなしです。
以上、『Trivium:What the Dead Men Say ~思いは伝わっていると信じてる~』でした。
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JOE (ジョウ)
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