Tremonti:All I Was ~過去の思いはここに置いていく~

Tremonti:All I Was洋楽レビュー
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Tremonti (トレモンティ) 1枚目のアルバム「All I Was」。

ALTER BRIDGECreedではギタリストのマーク・トレモンティ ソロ・プロジェクトの1枚目。自らの名前をバンド名とすることに、意味を感じさせます。

バンドでのギタリスト時のイメージよりも、かなりハードでメタルな音。コーラスで想像はできていましたが、歌のうまさには驚かされます。

既に4枚のアルバムをリリースしていますが、欠かせない1枚です。

All I Was 収録曲概要

「All I Was」収録曲は以下の通り。

  1. Leave It Alone
  2. So You’re Afraid
  3. Wish You Well
  4. Brains
  5. The Things I’ve Seen
  6. You Waste Your Time
  7. New Way Out
  8. Giving Up
  9. Proof
  10. All I Was
  11. Doesn’t Matter
  12. Decay

ワンワードやパット見で、すぐに理解できるタイトル。Creedの時のイメージに近いですが、非常に男らしい形。余計なものはいらないぜ! というかのよう。

聞こえてくる音もメタルなのですから、より男らしい熱さが増していきます。

So You’re Afraid

ヘビーな音がまるで恐怖を表しているような「So You’re Afraid」。(2曲目)

メタルなギタリストであれば、一気に心を奪われる曲。リフがカッコいいので、聞けば弾きたくなること請け合いです。表現する世界が寂しいもポイント!

So you’re afraid, said how it’s all erased
With everything fading

「あなたは恐れている。全てを消されたと言って。全てが衰退していく」。消えて行くのが怖いから、虚勢を張る。例えるなら本当は怯えている犬かのよう。

「you’re = あなたは」と歌っていますが、本来の意味では自分のことを指してしるのかもしれませんね。誰かが恐怖していることで、まず怒らないですし…。

かなり音が歪んでいるんですが、潰れる手前の音。絶妙なバランスです。

Wish You Well

皮肉がいっぱいの「Wish You Well」。(3曲目)

別れの言葉としては優しいのに、そうは聞こえないのが面白い。捨てゼリフというよりも、勝手にしろ! といいう怒りと、清々した思いにも聞こえます。

I wish you well, I wish you

「元気でな、願わくは」。1度であれば君は嫌な奴だったけれど最後だからとも考えられますが、繰り返すからこそ言葉が軽くなり、皮肉に変わっていく…。

もっと先に続く言葉があると思いますが、口には出さずに終わらせるんです。内に秘めたものを感じるからこそ、想像もできるし、面白みが増していきます。

You Waste Your Time

「So You’re Afraid」とつながりを感じる怒り「You Waste Your Time」。(6曲目)

そう思うのは、これも「you = あなた」が自分を指しているように聞こえるから。怒りが激しくなるのは、誰でもない自分と考えると納得しちゃいます。

You ask too much don’t ever let me beg
Who are you?

「俺に頼みすぎだ。もう頼まないでくれ。あんたは誰だ? 」。誰かではなく、きっと自分の心との会話なのでしょう。

たくさんの頼みごとをしてくる人を知らないなんて、まずないですし…。休符を生かしたリフが、もどかしさを表現しているようにも聞こえます。

時間の無駄とは、悩み葛藤して何もできていないことを言っていそうです。

New Way Out

過去があるからこその「New Way Out」。(7曲目)

アルバムの中でも唯一といっていい、心が穏やかな曲。言葉が優しいく伝わってくるとともに、ボーカリストとしての力量を聞かせてくれます。

Hope that there’s just some other way…

「他の方法があるといいのだけど…」。失うことを経験し、明日をよいものにしたい。よいものがあるんだ!  ではなく、願望であることがふと見せる弱さに。

いい意味でのギャップを見せることで、印象に残ります。リアルにいい曲です。

All I Was

アルバムタイトル曲「All I Was」。(10曲目)

「All I Was =  俺がいた全て」。歌詞を見ていくと、その深さを感じずにはいられません。思い出と口に出すのは楽しい場合が多いですが、ここでは逆のこと。

自らの経験を反面教師にしていくかのような表現は、どのことを指して言っているんだろうと、勘ぐってしまします。やっぱりCreedのことでしょうか?

All these dreams
Are so unlike the way they were before

「これらは全て夢。以前の様にならなかった」。仲違いして解散。再結成をしたけれどうまくは行かなかったのを見ているからこそ、想像しちゃいますね。

それでも怒りではなく、寂しさを感じるからこそ、切なかったのかなと。同時に、身を切りながら曲であり、歌詞を書く人だなと想像してしまいます。

Decay

最後に寂しい思い「Decay」。(12曲目)

思いというよりも、嘆きに近い叫びが哀愁を誘います。「All I Was」で表現してきたことがここで終わるとなると、なおさら…。

We’ve faded for so long
So long

「俺たちは長い間色あせてきた。さよなら」。全てを終わらせるというのではなく、過去との決別であるように聞こえます。

だからこそ、別れを惜しんと感じるのかも…。複雑な感情は、歌うのはかなり難しいはず。それを本職はギタリストが表現しているというのに、驚かされます。

思いが詰まっているからこそ、アルバムの中でもこの曲が好きという場合がきっと多いと思いますよ。

あとがき

思いっきりメタルな1枚。怒りが主ではありますが、ところどころで哀愁を感じさせるのもポイント! だからこそ効果的に聞こえ、気になってしまいます。

ALTER BRIDGE、Creedとは異なる音。ギタリストとしての腕は誰もが知るところですが、歌のうまさも存分に感じられる1枚。

複数バンドを掛け持つのは本来は大変だと思いますが、これだけ歌えたらソロプロジェクトとして表現したいことがあるというのも納得です。

Tremontiとして、既に4枚のアルバムをリリース済。どれもカッコいいのですが、始まるとなるこの1枚目は絶対的に外すことができません。

メタルなギタリストであるほど、もれずに聞いてほしいアルバム。バンドとしての評価は抜群ですが、個としてももっときていいギタリストです。

 

以上、『Tremonti:All I Was ~過去の思いはここに置いていく~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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