Tremonti:A Dying Machine ~朽ちていくのか、それとも…~

Tremonti:A Dying Machine洋楽レビュー
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Tremonti (トレモンティ) 4枚目のアルバム「A Dying Machine」。

前作「Dust」から2年1カ月。途中ALTER BRIDGE 5枚目のアルバム「The Last Hero」を挟みがながら、ソロとしても着実な活動が続きます。

激しさの中に痛みがある内容は、今までの延長線を含みつつ、新たなる別のフェイズへと進んでいることも感じさせてくれます。

A Dying Machine 収録曲概要

「A Dying Machine」収録曲は以下の通り。

  1. Bringer of War
  2. From the Sky
  3. A Dying Machine
  4. Trust
  5. Throw Them to the Lions
  6. Make It Hurt
  7. Traipse
  8. The First the Last
  9. A Lot Like Sin
  10. The Day When Legions Burned
  11. As the Silence Becomes Me
  12. Take You With Me
  13. Desolation
  14. Found
  15. Now or Never
  16. Desolation (Acoustic)

14曲目までが本編で、15、16曲目はボーナス・トラック。過去3作は40分台とコンパクトでしたが、本作は曲数も多く、本編のみで60分を超える形。

また、本編ラスト「Found」はインストゥルメンタル。よくイメージするギタリストが弾きまくるのではなく、アルバムを完結させるためのあるもの。

長さやインストを含め、「A Dying Machine」での表現にストーリーを感じさせます。コンセプト・アルバムに近いものがあるかもしれません。

じっくり聞くことで、その世界感がより興味深くなってくる1枚です。

Bringer of War

静けさから激しさへと様変わりする「Bringer of War」。(1曲目)

俺は戦争の担い手という宣言から曲が始まりますが、実際でも同じなんでしょうね。経験者でないので分かりませんが、突如一気に戦闘がはじまる。

I’m here to set you alight
Now go ahead and run for your life

「あなたを降ろすためにきた。さぁ、命をかけて走れ! 」。聞いているだけだとカッコいい曲も、歌詞に注目して聞くと、恐ろしさを感じてしまします。

フレーズ的には短いのですが、アドリブのようで考えられて作られているギター・ソロは、この曲の聞き所の1つ。にしても、歌詞は怖い!

From the Sky

空から落ちていく「From the Sky」。(2曲目)

リフ満載で、ギタリストが書いたのが分かる曲。多くのことは語っていないかこそ、リフが足りない部分を歌っているようにさえ聞こえます。

Exterminate, purify

「駆除し浄化する」。空から落ちるからと考えると、切ない。ただ落ちるだけではなく、消えてなくなる部分もあるからこその言葉ですから…。

歌っている言葉は切ないですが、リフがとにかくカッコいい! ギタリストであれば思わず弾きたくなること請け合いです。メタル系の人は特に。

A Dying Machine

アルバム・タイトル曲「A Dying Machine」。(3曲目)

生きていると思ったら、いや違うよというのが興味深い。ジャケットにも通じますが、魂としては残っていても生身ではなく、すでに機械になっていました。

You’re a dying machine, you’re a dying machine

「あんたは死にかけの機械だ x2」。単に機械になるだけでなく、死にかけのというのが感慨深い。生身の時に加えての2度目の死に近づくのですから…。

もしくは、感情を持っていると思ったら、プログラムされたいたものだったということなのかも。聞き手側の想像が膨らむ要素があるのが、面白い!

◯◯だ! と限定しないのが、提示したい部分なのかもしれませんね。

Trust

あなたの信頼がほしい「Trust」。(4曲目)

「A Dying Machine」続く曲ということで、自分が何ものか分からなくなったからこその、何をしていいか迷ってしまった状態なのかも。想像が膨らみます。

Give me instruction
Give me a target and a cause

「指示をして。目的と起因を」。言われることを待っているし、その通りに行動する。曲名通りに信頼がほしいでもあり、自分も見失ったともいえます。

自らの意思はなく、要求されたことをする。自然と自分は機械だと受け入れていると考えると、曲もですし、アルバムの面白みが増していきます。

Throw Them to the Lions

自らを危険な場所へ「Throw Them to the Lions」。(5曲目)

変わったタイトルだと感じても、歌詞を見るとなるほどねと思うから面白い! 単に激しいだけの曲ではありません。

Hope they’ll lead us to an ending

「彼らが俺たちを終わりに導くことを願っている」。百獣の王と呼ばれるライオンに身を投じることで、全てを終わらせる。独特ですが、興味深い形。

単に終わるだけでなく、バラバラに引き裂かれることを望んでいる。絶望を感じているからこそ最悪にということでしょうが、情景を想像するのが怖いですね。

The First the Last

始まりと終わり「The First the Last」。(8曲目)

あなたと別れだからこのそ、思いを歌うメッセージソング。本職がギタリストでここまで歌える人は、珍しいかも。ボーカルスキルの高さが分かります。

You were the first, the last, now everything is wrong

「あなたは最初で最後だった、今は全てが間違っている」。もうあなたを超える人は現れないんだ…。最後だけでなく、最初が含まれるのが思いの強さです。

何が理由であなたの別れるかまではこの曲では歌っていませんが、わからないからこそ余計に寂しさを感じさせます。MVがあれば、いい感じになりそうです。

The Day When Legions Burned

崩壊の時「The Day When Legions Burned」。(10曲目)

スラッシュメタルに近く、アルバムの中でも激しい曲。歌詞を見ていくと寂しさからの激しさというのが分かり、切なさを感じさせます。

You can sleep when you’re dead

「死んだ時にあなたは眠ることができる」。頭にある歌詞。曲名にもある軍団が燃える = 終わりを告げるからこそ、あなたも同じように…。

この曲の激しさは崩壊していくからこその、最後の力なのかも…。アウトロの最後の音にリバーブがかかって余韻よいんが残るのは、切なさにしか聞こえません。

Take You With Me

あなたは自分を見失わないでの思い「Take You With Me」。(12曲目)

音は歪んでいてもポップな音と同じように、ポジティブな感情。暗い思いの曲が多いアルバムたからこそ、より光の強さを感じさせてくれます。

Tremontiの4枚のアルバムの中でも、断トツでポップな曲。バンドと表現するのは激しい曲がメインでも、このタイプも当たり前にできるのが興味深い!

I’ll take you with me
We’ll carry on

「俺はあなたを一緒に連れていく。俺たちは続いていくんだ」。絶望を感じても、例え機械だったとしても、俺たちの人生はまだ続いていく。

1曲としてでなく、アルバムと通してきた暗い中に希望があるからこそ、より思いが強くなります。曲順もこの位置しかないという場所じゃないでしょうか。

あとがき

本編だけで60分超えるなど、これまでの3枚と比較すると長いアルバム。それでもストーリーが次々と表現されるため、聞き手を飽きさせることがありません。

また、1曲ごとに完結はしていてもつながる要素があるからこそ、アルバム1枚として聞いた方がより楽しめます。聞き方を限定しない形であるのも面白い!

この1枚で表現しているのは、恐らく現時点ではなく未来の世界。Dream Theater 14枚目のアルバム 「Distance Over Time」に近いかも…。

どちらかが気にいった人であれば、きっとどちらもハマるはず! 片側しか聞いていないのであれば、どちらももれなく聞くのをオススメします。

それにしてもギター、歌の巧さ、ソングライティングの高さに驚かされます。ギタリストには特に参考になる点が多いので、特にオススメというか聞くべき!

また、マイルズ・ケネディがスラッシュのソロに参加するとニュースで見たので、ALTER BRIDGEよりも先に、Tremontiの新しいアルバムが聞けるかも…。

元々が赤い状態であるのに、ソロでも進化と表現力を増しているので、近い将来が楽しみです。

 

以上、『Tremonti:A Dying Machine ~朽ちていくのか、それとも…~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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