楠木ともり:ハミダシモノ ~この声はどこまで大きくなると思う?~

楠木ともり:ハミダシモノ邦楽レビュー
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楠木ともり (くすのき ともり) 1枚目のEP「ハミダシモノ」。

声優で虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会でも活動する、彼女のソロ・デビュー作。アーティスト活動でも伸びてくるのは間違いなしの、要チェックな存在!

まだ20歳と若いのですが、だからこそ将来が楽しみな子が出てきました。

ハミダシモノ 収録曲概要

「ハミダシモノ」収録曲は以下の通り。

  1. ハミダシモノ
  2. 眺めの空
  3. ロマンロン
  4. 僕の見る世界、君の見る世界
  5. ハミダシモノ -Instrumental-
  6. 眺めの空 -Instrumental-
  7. ロマンロン -Instrumental-
  8. 僕の見る世界、君の見る世界 -Instrumental-

デビュー作のタイトル曲が「ハミダシモノ」というのは、すごい曲名。加えて注目に値するは、収録曲のクレジット。

4曲の全てを本人が作詞。タイトル曲を除く3曲が本人が作曲していること。(「僕の見る世界、君の見る世界」は共同制作)

作詞で1曲であれば今までも存在していたかもしれませんが、彼女はシンガー・ソングライターではなく、声優さん。こんな子は見たことがありません。

しかもデビュー作というのですから、末恐ろしい。必須とは言わないまでも、自分の言葉で歌えるのは強いです。しかも最初からで、曲もですから…。

聞けば分かりますが、単に作ってみましたではないのも大きなポイント! 今後は人の歌詞で歌うこと、曲も増えると思いますが、存在にドキドキしちゃいます。

ハミダシモノ

テレビアニメ「魔王学院の不適合者〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜」エンディング・テーマ「ハミダシモノ」。(1曲目)

イントロで期待感を上げ、静かに始まる曲。「ハミダシモノ」という曲名も強烈ですが、聞こえてくる音はさらに上をいきます。

また、引っかかりと作るためのインパクトありきにしていないからこそ、繰り返して聞けるのもポイント! 多くのJ-Popの曲でしている失敗をしていません。

ハミダシモノの声よ響け!

多くの中の1人になるのではなく、オンリーワンである自分へ。何度だって失敗してもいい! 思いを見せつけるまでというのは、いい意味でハミダシモノです。

英語でぼやかすこともできたと思いますが、日本語で貫いたのもステキ! あえてだと想像しますが、ハミダシモノの表現には英語は不要ですね。

まだ線は細いですが、歌唱力の高さも注目すべきポイント! バンド演奏が主体のMVを見ていても感じますが、彼女のバックて弾けたら実に楽しそう。

歌を支えるだけの演奏ではなく、きっとドキドキする刺激があることでしょう。

眺めの空

苛立つ思いが心にしみる「眺めの空」。(2曲目)

夏だからこそ暑さとともに敏感になる感情。どうにもならないことは知っているからこそ、苛立ってしまう思いに共感してしまいます。

おまえのせいだってわかってんだ
僕の夏を返してよ

個人的に”おまえ”という表現は好きではないですが、ここで”君”や”あなた”では思いが薄まってしまう部分。しっかりと言葉の使い分けができています。

また、おまえというのは誰でもなく、自分のことなのかもしれませんね。彼女の存在を知らずに音だけを聞いたら、声優さんの曲とは気付かないでしょう。

音だけを聞いても強いですが、生のライブで映えそうです。

ロマンロン

表記上で変わったタイトルの「ロマンロン」。(3曲目)

想像と現実が異なるからこその思い。上京した時に特別だったことが時間とともに次第に慣れていき、当たり前となる状況を描いているかのよう。

地方から上京とまでいかなくても、住み慣れた場所から引っ越しを経験したことがある人なら、この思いにはきっと共感ができるはず。

トーキョーは 薄暗い閃光放って
消耗した MPも回復できぬまま

ロマンロンというタイトルもですが、言葉の使い方、表記も面白い! 同じ響きであっても見た印象、言葉の面白さを知っているからこその書き方です。

特に曲だけでなく歌詞が気になる人であれば、興味を引かれるなという方が難しいかも…。タイトルの「ロマンロン」は見たところ、ロマン論でしょうか。

作詞だけでなくブレイク部分も面白いですし、作曲能力の高さも伺えます。

僕の見る世界、君の見る世界

見かたを変えれば景色が変わっていく「僕の見る世界、君の見る世界」。(4曲目)

今の自分には限界を見ていても、君がいるからこそ悲観には思っていない感情。寂しさよりも希望として感じていることに、明るい光が見えます。

僕の見る世界は伸び切っている

ゴムのように伸びきったら、もう世界がこれ以上広がることがない。なるほどねと思ってしまう表現。サビで4回出てきますが、続く言葉の全てが異なります。

だからこそ君の世界を見たい思いが強くなる。文章だけであっても難しいのに、メロディーにも乗せる必要のある歌詞としても自然に表現。すごくいい!

ポップでこのEPでなければタイトル曲でも良さそうなのも、興味深いところ。君という存在に希望を見ているのも、自然と伝わってきます。

あとがき

彼女の存在は聞くまで全く知らず、Apple Musicでアニメの新着で表示されていたジャケットが気になって再生したら、まずは歌詞と音に「おっ!」。

どんな子から気になって調べたら、もれなく追加の「おっ!」。しかもビジュアルもよく、これからもっとよくなりそうなのも「おっ!」。彼女はいいですね。

「おっ!」っとなる回数も多かったですが、このドキドキは久々かも…。

声優さんは逸材が多くいますが、デビュー作でこれ以上は望めないぐらいの内容にびっくり!。特に同年代の声優さんは、ガクガクブルブルしちゃいそう…。

アーティストデビューをしたくても、白旗を上げる子が出てくるかもです。声優という前置きがなくても、確実に成立する内容には驚きしかありません。

ハミダシモノではなく、突出した者。深く突っ込んで聞けば引っかかる部分がないとは言いませんですが、いい意味でヤバい子が出てきました。

彼女がこれからどのように伸びて、変化をしていくのか楽しみです。

 

以上、『楠木ともり:ハミダシモノ ~この声はどこまで大きくなると思う?~』でした。


『楠木ともり』をApple Musicで

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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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