楠木ともり (くすのき ともり) 2枚目のEP「Forced Shutdown」。
1枚目のEP「ハミダシモノ」から8カ月。先行配信された「アカトキ」「sketchbook」を含む形で、リリースがされました。
今作も他の声優さんとは少し異なる、彼女だからこそのアプローチを聞かせてくれます、
Forced Shutdown 収録曲概要
「Forced Shutdown」収録曲は以下の通り。
- Forced Shutdown
- sketchbook
- アカトキ
- バニラ
- Forced Shutdown (Instrumental)
- sketchbook (Instrumental)
- アカトキ (Instrumental)
- バニラ (Instrumental)
前作同様に共同制作はありますが、全曲の作詞作曲。異なるのはアレンジャーが各曲によって異なるということ。ここには意図を感じさせます。
その理由として、インタビューを見ると彼女の作詞作曲はガッチリではなく、原案状態をアレンジャーに渡していること。変にまとまらない選択かなと…。
意図の有り無しは別として、アレンジャーのカラーは出るので。1間ににまとめるプロデューサーとは、全く異なる役割のものです。
その上でまだ若干20歳で、アーティストとして始まったばかりの彼女。変に凝り固まりのでなく、いろいろとチャレンジをしているのは好感が持てます。
Forced Shutdown
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自らの選択で「Forced Shutdown」。(1曲目)
誰かとつながるのが最上ではなく、一人でいるのもありなんじゃない? と肯定的に表現する曲。難しいテーマをタイトル曲に持ってくるのが、実に面白い!
また、結構なプログレ要素もあるのに、マニアック過ぎに聞かせるのも興味深いところです。
君が笑ってくれればそれでよかったのに
いつか消えゆく記憶止まりでよかったのに
人にもよりますし、良い悪いは別として、浅く広くつながるSNS。最初は楽しむためだけであっても、拡散があるからこそ、そうではなくなることも多いです。
自己顕示欲の塊でもあるからこそ、見たくもない物もタイムライン上に表示されることも多いですし…。一人の方が有意義な時間を過ごせる場合もあります。
同じつながりでも、4曲目「バニラ」とは異なる表現が面白い! ある意味で当然ですが、人であっても対象が異なるからということでしょう。
君の不細工な色眼鏡
外して踏みつけて粉々にしたい
囁くように歌うからこそ、言葉の重みが増す形に。表面だけで見て、内容ではなくマジョリティに流される多くの人。粉々にしたい気持ちも分かります。
「Forced Shutdown = 強制シャットダウン」。なんでも流されるのではなく、自らの意思で行動するというのが、今の時代に求められることなのでしょう。
否定ではなく、自分や誰かを傷つけてしまうのなら、無理につながらずに1人でもいい…。時と場合によって、選択ができる人でありたいものです。
彼女が歌えるか分かりませんが、全英詩でもっとがっつりなロックアレンジにしたら、日本人だけでなくもっと多くの人が楽しめる曲になるかも…。
バニラ
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花言葉「永久不滅」をかけた「バニラ」。(4曲目)
インタビューで語っていましたが、自分の声や、世話になった人の関係性が永遠であったらいいなの想が込められた曲。
だからこその気持ちの優しさと、強さがあります。
決して消えないはずの思い出から
次第にあなたの声だけが消えていく
一度記憶したら消えない機械とは異なり、記憶の上書きがされていくのが人間。永遠というのは実際はないからこそ、求めてしまうものなのかもしれません。
いつか慕ったあなたの声に
白く馨る花を添えよう
「馨る」はあて字ですが、よい評判があると言う意味もあることで、バニラで表現する意味にあっているかなということ。これはとても面白い表現。
歌詞を見ないで聞くだけの方も多い中、気付いた人には興味を深くならずにはいられない形。見なければいけないではなく、プラスを持ってくるのはさすが!
年齢は関係ないと言いたいところですが、若干20歳でこの表現ができているのが、彼女の興味深いところ。今後ももっと興味深い表現をしてくれそうです。
また、最後のタメて余韻を残しながらの歌い方は、ぐっとくるものがあります。
あとがき
興味深いのが今作と同時に、ライブ・アルバム「MELTWIST」をリリース。前作の4曲に、今作の「アカトキ」「バニラ」を収録したEP。
アコースティックなライブの形態というのもありますが、全ての曲が音源とは異なるアレンジ。これはすごく面白いなと、感じずにはいられません。
また、彼女はパーソナリティも、いい感じなんです。現在毎月最終月曜深夜1時から、ラジオ「CultureZ SP 楠木ともりのThe Music Reverie」が放送中。
話しも面白いので、月1ではなく、最終以外の月曜を担当する夏川椎菜ちゃんと隔週でやってくれたらいいのに! なんて思ってしまうぐらいです。
夏川椎菜ちゃんも面白いので、生の2時間だからこその新鮮味も含めてですが…。
声優さんの部分は正直よく知らないのが現状ですけれど、表現する音楽やラジオは本当に面白い彼女。今後の活動にも、大きく期待をしています。
以上、『楠木ともり:Forced Shutdown ~私が保有している選択肢~』でした。
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JOE (ジョウ)
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