Theory of a Deadman:Say Nothing ~僕は何も言葉を伝えられなかった~

Theory of a Deadman:Say Nothing洋楽レビュー
洋楽レビュー

Theory of a Deadman (セオリー・オブ・ア・デッドマン) 7枚目のアルバム「Say Nothing」。

前作「Wake Up Call」から2年3カ月ぶり。聞いていて全面に切なさを感じる内容は、歌詞のメッセージが強いのも影響しています。

冷たく青いアルバム・ジャケットも含めて、内に入り込んでいくような感覚がする1枚。BGMとしてさらっと聞くには、あまり適さないかもしれません。

誰もがある切なさに浸りたい時に、聞くのをオススメしたいアルバムです。

Say Nothing 収録曲概要

「Say Nothing」収録曲は以下の通り。

  1. Black Hole In Your Heart
  2. History of Violence
  3. Affluenza
  4. Say Nothing
  5. Strangers
  6. Ted Bundy
  7. World Keeps Spinning
  8. Quicksand
  9. White Boy
  10. It’s All Good

セルフタイトルのデビュー時から一貫してコンパクトなアルバムをリリースしてきたバンドですが、今作も例にもれずという形。

10曲で35分は、その中でも1番短さ。ですが、今作は歌詞のメッセージが特に強いので、コンパクトであるのにボリュームも感じる気がしました。

Black Hole In Your Heart

オープニング曲「Black Hole In Your Heart」。(1曲目)

連弾の無機質なイントロの鍵盤の音が印象的な曲。セオリー・オブ・ア・デッドマンは引き込ませ方が、やっぱりうまいですね。

There’s a great big black, black hole in your heart
And it keeps swallowing me up

「あなたの心には大きなブラックホールがあり、俺を飲み込み続ける」。少しというよりも、完全に病んでしまっているあなたを見ているんです。

歌詞に続きがあって助けるとかはないので、どうしたらいいか分からず呆然としてしまっているのでしょうね。歌詞を見るほどに、切なくなる曲です。

History of Violence

「暴力の歴史」と曲名から印象的な「History of Violence」。(2曲目)

「Black Hole In Your Heart」に引き続いてさらに切なさが増す曲。同タイプを畳み掛けることで、より切なさを感じさせます。

中間部のラップになる部分が曲として自然であり、暴力をふるってしまったことを後悔しているようにも聞こえました。切ないメッセージが似合います。

セオリー・オブ・ア・デッドマンはストレートなロックバンドでラップが入ることはまれ。ですが、この曲ではあるべき形でラップが入っています。

歌詞に込められた世界観を全面に表したMVが、見ていてとても切ない…。

Say Nothing

アルバム・タイトル曲「Say Nothing」。(4曲目)

言葉を出すことの意味を考えさせられる曲。どんなに心の中で優しさを思っていても、愛していたとしても、言葉に出さなければ伝わらないんです。

Cause I said nothing, nothing
I said nothing

「何も言わなかったから。何も言わなかった」。思いがあるのであれば、しっかりと言葉に出して伝えた方がいんじゃない? といっている気がしました。

テレパシーのように思いが伝わればいいですが、そうはいかないですから…。思いが伝わらなかったことでの悲しさは、寂しいさしかないです。

この曲はMVでもリリックビデオでもない、Visualizer(ビジュアライザ)で視覚で訴える方式。想像がより沸き立つので、見ていて面白く感じました。

MV、リリックビデオに続く、第3のプロポーション方式になるかもですね。

Strangers

1番アルバムの中でメッセージを強く感じる「Strangers」。(5曲目)

人は誰でも「Strangers = 見知らぬ人、他人」であるから戦争が起ころうが、傷つけられようが気にしない。また、自分も「Strangers」になろうとしている。

「それで本当にいいの? 」と問いかけている気がしました。この曲にもラップが少し含まれていますが、寂しく問いかけるメッセージはやっぱり合いますね。

淡々と歌うからこそ、歌詞に込められた思いが強く感じる曲。

「Say Nothing」と同じくVisualizer(ビジュアライザ)であることで、想像を沸き立てられる感じになっています。この曲もこの形がピッタリ!。

World Keeps Spinning

「世界は回転し続ける」という曲名が、聞いたあとでは印象が変わる「World Keeps Spinning」。(7曲目)

「世界は回転し続ける → 世界は同じ」で、ディズニーの「It’s a small world」を思い浮かべたのですが、全く異なる思いの込められた曲。

孤独を切なく思う感情。1人では生きていけないけれど、孤独であることで自分は死んでいるんじゃないかと感じてしまう…。切ない思いです。

I miss my mom, I miss my friends
I miss it all, but in the end

「母が恋しい。友だちが恋しい。俺は全ての逃してしまうけれど…」。自分は孤独であるのに、「世界は回転し続ける」。切なさが増す感じがしました。

聞く前とはイメージが変わる曲ですが、聞くとなるほどなと感じる内容になっていますよ。孤独な人は多いですから、共感を得られる歌詞だと思います。

アルバム・タイトルの「Say Nothing」にも通じる曲ですし、孤独で切ないのに言葉や行動に出せないからこそ、より孤独を感じてしまう気がしました。

It’s All Good

アルバムのラストを飾る「It’s All Good」。(10曲目)

これがあるかないかで、アルバムの印象が大きく変わったであろう曲。

It’s All Good

「大丈夫だよ」。曲名にも歌詞にも繰り返しでてくるメッセージですが、この部分があるからこそ、湿った感じにならずにアルバムが締まります。

おそらく収録するか迷ったと思いますが、収録されてよかったと感じる曲。アルバムを通して切ない感じもいいですが、「大丈夫だよ」。は救いです。

あとがき

アルバムの最後に「It’s All Good」があることで救われますが、切ない思いでいっぱいになる1枚。切なさと同時に、メッセージの強さを感じます。

メッセージは強くても、こうしなきゃダメ! とか強制するようなことはないのも特徴。聞いた人それぞれが感じて、行動すればいいという感じですね。

このアルバムのメッセージが強く、切なさが全開となったのは、前作「Wake Up Call」の曲調がポップ過ぎると批評されまくった反動かもしれません。

ポップなのは音だけで、歌詞を見るとヘビーな曲もあるんですけどね…。

まだ日本では注目度はあまり高くなっていませんが、セオリー・オブ・ア・デッドマン。音楽性の幅広さも含め、すごくいいバンドでオススメです。

 

以上、『Theory of a Deadman:Say Nothing ~僕は何も言葉を伝えられなかった~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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