The Struts:Young & Dangerous ~突き抜けた音を聞かせてあげる~

The Struts:Young & Dangerous洋楽レビュー
洋楽レビュー

The Struts (ザ・ストラッツ) 2枚目のアルバム「Young & Dangerous」。

前作「Everybody Wants」から4年3カ月。長年の経歴があるわけではなく、当時はまだ新人バンドとしては、かなりの期間が空いたアルバム。

時間をかけたからというわけではないと思いますが、一気にクオリティーを上げ、ターニングポイントとなる内容に。カッコいいロックンロールアルバム。

いい意味でロック好きのお兄ちゃんだった状態から華が開き、アーティストへと変わりました。こういう急激な変化があるのが、やっぱりロックです。

Young & Dangerous 収録曲概要

「Young & Dangerous」収録曲は以下の通り。

  1. Body Talks
  2. Primadonna Like Me
  3. In Love with a Camera
  4. Bulletproof Baby
  5. Who Am I?
  6. People
  7. Fire (Part 1)
  8. Somebody New
  9. Tatler Magazine
  10. I Do It So Well
  11. Freak Like You
  12. Ashes (Part 2)
  13. Body Talks (feat. Kesha)

フィーチャリングでバージョン違いが収録されているので、実質は12曲。ソングライティング能力が一気に上がり、クオリティーが爆上がりしています。

影響したバンドの色が濃く見える曲もありますが、マネではななく消化方法を理解したような形に。この差はとても大きく、参考となるバンドは多そうです。

アルバムの前半は当然ともいえますが、中盤、後半にかけても欠かせない曲があるのも、クオリティーを上げている要因になっていますよ。

Primadonna Like Me

ストリー仕立てのロックンロール「Primadonna Like Me」。(2曲目)

セリフから入り、思わず一緒に歌ってしまうメロディーは、ロックンロールの楽しさを教えてくれます。ポップであることが、気持ちのいい曲。

Be a primadonna like me tonight!

「今夜は私のようなプリマドンナになろうぜ! 」。花形であるプリマドンナ。脇役ではなく、どうせなら主役にというのが楽しさにつながっています。

突き抜けたポップなロックンロールを聞いていると、一緒に歌うはもちろん、体をきっとゆらしたくなるはず!

In Love with a Camera

The Darknessを感じさせる「In Love with a Camera」。(3曲目)

影響を隠そうともしていないのが、気持ちがいい! バンドでよくあるのは、隠そうとするあまり、中途ハンバになること。オーマジュはいいんです。

Gonna show ya
In time you will be mine

「見せてやるよ。そのうちあなたは俺のものになるから」。カメラを通しているからこそ、見えてくるものもそのままとは違うし、少し強気にもなる。

妄想の塊のような気もしますが、本当はあなたにはカメラではなく、俺を見てほしいという思いなのかも…。弱さも感じるからこそ、表現が面白いです。

Fire (Part 1)

アルバムの中で個人的に一番好きな「Fire (Part 1)」。(7曲目)

Part 1であるのは、Part 2がつく「Ashes」へとつながるから。アルバムだからこそできるし、強制ではなく気付く人がいればいい。これはロックですね。

Fire, fire
Running wild like

「ファイヤー、ファイヤーの様に走るんだ」。突き抜けて行きたい思い。何にも負けないんだというのが、ロックを感じさせます。

止められない思いが突き抜けていくのが聞いていてカッコいいし、気持ちがいい!  MVなどはないですが、この曲はもれずに聞いてほしいですね。

Somebody New

ロックバラード「Somebody New」。(8曲目)

誰かへの思いではなく、自分へのメッセージに感じる曲。勢いでない表現は、歌のうまさとバンドとしての力量も聞かせてくれます。

It’s just my heart’s not ready yet
For somebody new

「まだ心の準備ができていないだけだから。誰か新しい人のために」。新しい人とは未来の自分だと考えると、しっくりときます。

奉仕する心が強い人であれば話は別ですが、ただ誰かのためには多くの人は頑張れません。それが未来の自分のことだったら、変われるんじゃないでしょうか。

言葉を大切にした、優しい歌い方。心に思いが染み込んでくる曲です。

Tatler Magazine

「Somebody New」の続きの物語を想像させる「Tatler Magazine」。(9曲目)

単体しても楽しめますが、連曲になっているのには意図を感じさせます。雑誌という表現になっていますが、自分の今までの記録なのかも。

辞書や、アルバムじゃ思いが重くなりますが、雑誌だとならないですよね。

Oh how it’s good to be me

「俺になれてよかった」。自分を記録した雑誌を読み返した時に、思えたら最高な思い。誰かになりたかったではなく、自分でよかった。ぜひ思ってみたい!

聞く人によって受け取り方は変わってくるでしょうけれど、興味深い表現をしている曲。想像ができるのが面白く、かつ明るさがあるのがロックンロールです。

I Do It So Well

ジワジワとくるスルメ曲「I Do It So Well」。(10曲目)

淡々としているだけでなく、不思議なメロディー。最初はなんだこりゃ! と思っても、繰り返して聞いていると気持ちよくなってくるのですから不思議!

Don’t I do it so well?
I do it so well

「うまくやらないの? 俺はできてるけれど」。攻撃的な思いのようでもあり、できたら気持ちよくなるんだぜ! と言いたいような気もします。

バンドの表現として遊びのある曲。表現する余裕があるのが、ロック! 限界ギリギリで切羽詰まった表現になったら、ロックはカッコよくないですから…。

Ashes (Part 2)

「Fire」からの続きの物語「Ashes (Part 2)」。(12曲目)

燃えるからこそ、やがて終わりきて灰となる。最後となるのは悲しいことではなく、燃え尽きるまでやったんだから、最高じゃない? と感じさせます。

We burned liked fire, now everything’s turned to ashes

「私たちは燃えて、今は全てが灰になった」。終わりであるのは変わらなくても、記録よりも記憶にに残る人に。今までのことを誇りと感じていそうです。

歌詞だけで見たら寂しくなるかもですが、思いは別の部分にある気がしました。聞いて悲しい曲にはなっていませんし、バンドとして異なる思いもありそう。

バンドの中でも、ロックンロールは燃えてなんぼですから…。近い将来でなくても、いつかは迎える最後までカッコよくありたい! 実にロックです。

Body Talks (feat. Kesha)

ケシャ フィーチャリング「Body Talks (feat. Kesha)」。(13曲目)

1曲目はバンドのみ、最後にフィーチャリングで持ってこれることに自信のほどを感じさせてくれます。もともとが、ボーナス・トラックはないですから…。

デュエットになることで、聞こえてくる音の表情が変わるのも面白い! バンドのみがオリジナルだとしたら、デラックス盤という感じ。いいですね。

You can be cool, you can be shy

「あなたはクールになれる。あなたはシャイにもなれる」。どちらかではなく、両方になれるからいいでしょう。だからこそ、迷うこともなくなる。

「Young & Dangerous」が突き抜けた音になったのは、この「Body Talks」での表現を歌詞としてだけでなく、バンドがしっかりと認識したからかなと。

これじゃなきゃだめ! じゃつらくなりますが、選んじゃいけないと思っていた物も選択肢にあったら、きっと一気に気分もはれていきますよね。

言葉遊びと、リズムが気持ちがいいからこそ、カッコいいです。

あとがき

メロディアスで、カッコいいロックンロールアルバム。ポップ度も高いですから、普段はあまりロックを聞かない人にも入りやすいかも…。

正直に言えばオリジナルというよりも、誰々と分かる影響も感じます。ですが、それを隠さずに表現して消化できるようになったのが、功を奏していますよ。

突き抜けてしまえば「おいっ!」 ではなく、「いいね! 」になる。迷いがなくなったのが、いい方向でのサウンドの変化につながったのでしょうね。

1曲、2曲であればいいものが出てきたりしますが、全体的にクオリティーが上がったからこそ、カッコよさが倍増という形になったアルバム。

3枚目「Strange Days」が間もなくリリース。先行配信シングルでいい内容になるのは想像できますが、「Young & Dangerous」もオススメします。

 

以上、『The Struts:Young & Dangerouss ~突き抜けた音を聞かせてあげる~』でした。


『The Struts』をApple Musicで

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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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