The Struts (ザ・ストラッツ) 1枚目のアルバム「Everybody Wants」。
プロローグ的な「Kiss This EP」から3カ月強。変に背伸びをして大きく見せずに、今できることをしたという内容のロックンロール・アルバム。
もっとこうしていたら、できればという不完全さは感じますが、ここからバンドが伸びていくと考えると感慨深い1枚。磨けば光る原石を感じさせてくれます。
Everybody Wants 収録曲概要
「Everybody Wants」収録曲は以下の通り。
- Roll Up
- Could Have Been Me
- Kiss This
- Put Your Money on Me
- Mary Go Round
- Dirty Sexy Money
- The Ol’ Switcheroo
- She Makes Me Feel Like
- Young Stars
- Black Swan
- These Times Are Changing
- Only Just a Call Away
- Where Did She Go
- Put Your Hands Up
- My Machine
- We Will Rock You (Queen cover)
- Kiss This (Acoustic)
- Could Have Been Me (Live from Summer Sonic 2016)
14曲以降は日本盤のみのボーナス・トラック。また2016年の再発時に、リマスタリングと収録録の追加や変更もあったという、変化のあるアルバム。
曲名が変わったりと、進化の過程というところなのでしょう。まだ探っている部分も感じられても、「おっ! 」と思わせる部分もあるのが特徴です。
1枚というよりも現在の音と見た目が垢抜けた姿も合わせて聞くと、ザ・ストラッツの面白さが倍増していきます。開花する手前の状態はドキドキです。
Roll Up
バンドの成り上がってやるという意思を感じさせる「Roll Up」。(1曲目)
目覚めから始まるという、オープニング向きの曲。サビまでの持って行き方、ドカーンと花火がぶち上がる感じは、素直にカッコいい!
For satisfaction
Everybody wants
「満足を得るために。誰もが望んでいる」。アルバム・タイトルもこの部分の歌詞から来ていると思いますが、おまけに「Roll Up = 巻き上げる」。
ロックンロールはぶち上げてなんぼですから、始まりの曲で意思を示せるのが強みではないでしょうか。根拠なんぞなくても、俺たちは行くぜ! という感じ。
アルバムとしてだけでなく、バンドへの期待感を示してくれます。
Could Have Been Me
過去の自分たちへの思い「Could Have Been Me」。(2曲目)
バンドがロックンロールと演る意味を示したような曲。単にロックが好きなだけでなく、彈けたいだという素直な気持ちを言い切るのがいい感じ。
Wanna live better days
Just better
Never look back and say
「いい日々を送りたい。いい感じの。振り返って言いたくなんてないし」。過去になんて戻りたくないし、俺たちは言い訳なんてしないぜ! の思い。
あえて自らを追い詰めることで、俺たちにはロックしかない! しかも行っちゃうぜ! の思いは、聞いていてドキドキします。ハングリー精神。いいですね。
Put Your Money on Me
いろいろな意味が想像できる「Put Your Money on Me」。(4曲目)
「Put Your Money on Me = 俺にあなたのお金を入れて」。単純に金くれよ! とも見れますが、これからのバンドを見とけよ! とも捉えられます。
So roll your dice to my feet
We’re winning when our eyes meet
「サイコロを転がしてみて。オレたちと目が合うとき勝っているから」。例え根拠のない自信であっても、そんな気がしてしまうのだから不思議です。
きっとロック・バンドとして光るものも見せている中での言葉だからこそ、かけてもいいかもと思えちゃのうでしょうね。面白いテーマの曲です。
She Makes Me Feel Like
ポップで楽しい「She Makes Me Feel Like」。(8曲目)
現在も続く、明るさをを感じる曲。ロック・バンドはカッコつけて隠してしまう場合もありますが、ありのままを表現するのが、正にザ・ストラッツ。
She’s my pick me up, pick me up, p-p-pick me up
「彼女は俺を迎えにきてくれるんだ」。自慢の彼女で、うれしくてしょうがない感じ。つまんないことも、彼女がいるから帳消しになるような思い。
ただ、そんな自慢の彼女なのに、自分が迎えに行くのでななく、来てもらう。その状態を想像するとちょっとかっこ悪いけれど、それもロックです。
気持ちが楽しくなっているのが分かる曲は、聞いていてもうれしくなります。
Black Swan
自分から去っていってしまった彼女への思い「Black Swan」。(10曲目)
別れでも死であるからこそ、彼女を黒い白鳥と表現。自分の心が暗くなることも表しているようで、寂しさを感じさせます。メロディーも切ない。
Sing your song
Now you’re gone
「あならの歌を歌う。もう行ってしまったけれど…」。いつまでも思い続けるのが、1度愛し合ったからこその律儀な思いを感じさせます。
演奏として微妙な部分もあるのですが、アルバムのハイライトになりえる曲。今の状態のザ・ストラッツでなら、どう演奏してくれるのか気になります。
アルバムの中で1曲を選択するなら、自分はこの「Black Swan」を選びます。
Only Just a Call Away
男の弱さを聞かせる「Only Just a Call Away」。(12曲目)
再販時に追加された、どことなく聞いたことのあるメロディーが特徴。現在も影響を受けた音楽を隠さずオマージュする、ザ・ストラッツらしい曲。
No matter what they say, I’ll be only just a call away
「何をいわれようと、俺はただ電話をするだけ」。電話となっていますが、俺たちはロックンロールをし続けると捉えると、思いが強く、カッコよくなります。
ストレートな部分も出しながら、ひねくる部分もある。これもロックです。ルーク・スピラーのポテンシャルも示した曲。原石であるのを感じさせます。
あとがき
曲のクオリティーには差はありますし、全てがいいとは言わない内容。それでも原石として光るものを感じさせてくれるものがあるのが、いいですね。
変化というよりも、進化するための1枚。この先を知っているからこそ、より楽しめるアルバムになっています。いいロック・バンドは弾けるんです。
演奏が荒く、垢抜けていなくても、何か感じさせることができていれば、進化するんだという証明でもあります。勇気付けられるバンドもいるかも…。
「Everybody Wants = 誰もが望んでる」と挑戦的なタイトルも、実際に時を経ることで実現するのですから、カッコいい! マジなロックです。
以上、『The Struts:Everybody Wants ~俺たちはその存在になるぜ! ~』でした。
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2014/4/7 release 1st EP
The Struts:Kiss This EP ~あの最後のキスを僕は忘れない~
2014/7/28 release 1st Album
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2019/6/28 release Digital Single
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JOE (ジョウ)
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