System of a Down:Toxicity ~この毒から逃れることは不可能~

System of a Down:Toxicity洋楽レビュー
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System of a Down (システム・オブ・ア・ダウン) 2枚目のアルバム「Toxicity」。

前作「System of a Down」から3年2カ月。バンドの名が一気に世界中に広まったアルバム。激しさの音の中に、メッセージがかなり強いのが特徴。

音のみとしても十分に楽しめますが、歌詞にも注目して聞いてほしい1枚です。

Toxicity 収録曲概要

「Toxicity」収録曲は以下の通り。

  1. Prison Song
  2. Needles
  3. Deer Dance
  4. Jet Pilot
  5. X
  6. Chop Suey!
  7. Bounce
  8. Forest
  9. ATWA (Air Trees Water Animals)
  10. Science
  11. Shimmy
  12. Toxicity
  13. Psycho
  14. Aerials
  15. Arto

配信では15曲目「Arto」まで表記されていますが、CDでリリースされた当時は隠しトラック。本当の意味でのボーナス・トラック。

配信は音楽を聞く際に欠かせないものとなってきている方も多いと思いますが、巻き戻さないと聞けないや、隠しトラックというのはCDの面白い部分でした。

また、「Arto」まで含めると15曲というフルボリュームですが、同時に30曲以上のレコーディング。その中から絞りこまれたのが「Toxicity」。

その際にもれたアウトトラックは、「Steal This Album! = このアルバムを盗む」に。興味深いタイトルになった理由は、次作レビュー時に記載します。

「Toxicity」に話を戻すと音は激しくメッセージは重いのに、クセになる音であり、繰り返して聞きたくなるのが特徴。これは世界中に広まるわけです。

自分もシステム・オブ・ア・ダウンに触れたのは、このアルバムからでした。

Prison Song

刑務所の歌「Prison Song」。(1曲目)

犯罪者は増える一方だからこそ、今のシステムではダメなんじゃない? と、オープニングからなんちゅうテーマを持ってくるんだという曲。

これをカッコよく聞かせてしまうのですから、やっぱりすごいバンド。

Another prison system
For you and me

「別の刑務所のシステムを。あなたと私のために」。どの国でも同じですが、税金によって運営されている刑務所。その金額も年々増大していくばかり。

アメリカの統計でいえば、元受刑者の3分の1以上が出所後半年以内。3分の2以上が3年以内に再逮捕される状況。確実に改善すべき仕組みなんです。

罪を償う場所であるからこそもうしないと思わせなければいけなのに、そうはなっていない。もっと毒をであり、厳しさがあってもいいのかなと感じさせます。

してしまったことは戻せないけれど、次は起こらないようにの思い。先にも記載しましたが、なんちゅうテーマを1曲目にするのでしょう。

だからこそインパクトもあり、興味を引かれちゃうのですが…。

Needles

あなたの体に入り込んだ寄生虫を引っこ抜く「Needles」。(2曲目)

痛みであり、縛れられるのは寄生されているからじゃないのか? 独特過ぎる表現ではあるのですが、歌メロがポップだからこそ面白く聞こえる曲。

メタルな楽器を弾く人であれば、思わずコピーしたくなるのも特徴です。

Pull the tapeworm out of your ass, hey

「ケツからサナダムシを引っこ抜く」。誰も想像しやすい寄生虫といったら、サナダムシ。実際に入っているのは違うかもですが、分かりやすい表現。

自分でもよく分からない行動、なぜか縛られてていると感じる人は、寄生虫からの針によって脳がコントロールされているのかもしれませんね。

邦楽アーティストで、この表現の曲はないかも…。興味深く面白いです。

Chop Suey!

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フルMVをApple Musicで観る

自殺についての問い「Chop Suey!」。(6曲目)

激しさの中に寂しさが漂うのは、なんでその選択をしてしまったの? の思いがあるからでしょう。曲始まりの「Wake up = 起きて」は意味がありました。

In my self-righteous suicide
I cry when angels deserve to die

「自己正義による自殺。天使の死に値するからこそ泣く」。you are ではなく、in my になっているのは、分かりえない気落ちに気付こうとしているのかも…。

終わらせる決断をするからには大きな理由があるのでしょうけれど、君がいなくなることは天使の死に値し、寂しいよ…の思いなのではないでしょうか。

曲中に叫びが、「なせ? その選択しかなかったの? 」と感じさせます。

Bounce

跳ねて弾んでいけ「Bounce」。(7曲目)

言葉使いと表現する音が面白く、いろいろな意味がとらえられる曲。完全なる狂気を感じさせるのも、大きなポイントになっています。

Everyone gets to play, runaway, exposé
It was so exotic (But just one pogo stick)

「誰もが手にして遊び、暴走し、露出する。それはとてもエキゾチック。(たった1つのポゴスティック)」。ぴょんぴょん飛んで遊ぶ、ポゴスティック。

日本だとホッピングの方が通じやすいかもですが、はねるだけなのに、なぜか楽しくなる道具。単純で意味はないからこそ、暴走と本能が見られるのかも…。

楽しんでいる本人にしか分からないからこそ、繰り返して飛んでいる姿は考え方によっては周りからは狂気の沙汰。今からでも、MVを作ったら面白いかも…。

Toxicity

Apple Music Movie Icon「Toxicity」
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アルバム・タイトル曲「Toxicity」。(12曲目)

聞く人によって印象が変わるであろう曲。聞かれたらすぐには答えられず、考えてしまであろう問いかけが、タイトル曲でもあり、テーマになったのでしょう。

You, what do you own the world?
How do you own disorder, disorder?

「あなたは世界の何を所有しているの? どうやって無秩序を所有しているの? 」。受け取り方が次第では、あなたは世界の毒だとも取れる言葉。

自分の当たり前が全ての常識なのか? と問いかけられているよう。歌詞を含めてしっかりと聞いていると、考えさせられてしまいます。

誰かではなく、自分が世界の毒に。何かにおいて自分だけは…とよくいう方にこと聞いてほしい曲。興味深い世界観がここにありますよ。

Aerials

Apple Music Movie Icon「Aerials」
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悩んでしまう人への導きがある「Aerials」。(14曲目)

毒が強いアルバムの中で、優しさを感じる曲。救いの手があるからこそ、逆にアルバムに中毒性があるのかもしれません。重さだけではないんです。

When you lose small mind, you free your life

「あなたの小さな心を失う時、人生は開放される」。本来は息詰まる場所は、開放の場でもある。考え方次第ですが、救われる人もきっといるはず。

全ての人に安息が生まれるわけではなくても、「Aerials =  空中」が広く果てしないように、自分の悩みなんて小さいことだと思えばいいいんです。

考え方の違いで気持ちが楽になるといのうは、悟りに近いかも…。それでも音楽でよくある宗教的なものではないのは、興味深い世界でもあります。

あとがき

激しい音と、メッセージが強い歌詞。セルフタイトルの1枚目でもその色は出ていましたが、さらに色濃くシステム・オブ・ア・ダウンならではになりました。

クセのある音と歌声。最初に聞いた時は「なんだこれ? 」となっても、聞いているうちに気になってしょうがなくなるのですから、このバンドは面白い。

オリジナリティがあり、中毒性がある音。「Toxicity = 毒性」とは、その名と通りのアルバム。きっと本人たちも、売れる確信もあったことでしょう。

また興味深いのは、シングルが切られMVが制作されているのは、アルバムの前半ではなく、後半の曲。全体に自信があるからでしょうが、実にロックです。

実際にアルバムを通して曲よく、毒性があるのですからビックリ! 耳に痛さは残るのですが、ふと思い出して聞きたくなるのですから、興味深いアルバムです。

 

以上、『System of a Down:Toxicity ~この毒から逃れることは不可能~』でした。


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