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System of a Down:Mezmerize ~あなたは操られていないか? ~

System of a Down:Mezmerize洋楽レビュー
洋楽レビュー

System of a Down (システム・オブ・ア・ダウン) 4枚目のアルバム「Mezmerize」。

前作「Steal This Album!」から2年6カ月。同年にリリースされる5枚目「Hypnotize」と、同タイミングでレコーディング。

2作はジャケット、タイトルも共通するという、面白い試み。また36分とバンドにとって最短であると同時に、サウンドが大きく変わったアルバムです。

Mezmerize 収録曲概要

「Mezmerize」収録曲は以下の通り。

  1. Soldier Side – Intro
  2. B.Y.O.B.
  3. Revenga
  4. Cigaro
  5. Radio/Video
  6. This Cocaine Makes Me Feel Like I’m on This Song
  7. Violent Pornography
  8. Question!
  9. Sad Statue
  10. Old School Hollywood
  11. Lost in Hollywood

2枚分同時にレコーディングしたといっても、「Toxicity」との時とは異なる形。その理由は「Hypnotize」をリリースする前提があるから。

それでも2枚組にしなかったのも、興味深い選択をしてくるバンドです。

またサウンドが大きく変わった要因は、ボーカルの比率。ギタリスト ダロン・マラキアが歌うパートが増え、聞こえ方の印象が変わりました。

バンド内の関係性の変化によるもので状態がよいとは言えないのですが、サウンドとしては面白い変化が生まれるのですから、興味深いところです。

B.Y.O.B.

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怒りと抗議の思い「B.Y.O.B.」。(2曲目)

短縮されているタイトルをフルにすると、「Bring Your Own Bombs = あなたの爆弾を持参しろ」。上から指示をするだけの奴らへ向けた感情。

Why do they always send the poor?

「なぜいつも彼らは貧しい人を送るの? 」。送る場所は戦場。自分だけは安全のな場所にして、さもいっしょに戦っているようで、指示しているだけ…。

この歌で言っているのは戦争ですが、日常の会社でも多い場面。適当な指示だけをしておいて、成功したら自分の手柄にする。

全てが平等である必要はなくても、やるなら本当の意味で一緒に戦えということでしょうね。狂気じみた叫びが怒りであると同時に、寂しげです。

Cigaro

皮肉がたっぷりの激しさ「Cigaro」。(4曲目)

音は激しくカッコいい中に、葉巻を吸っている偉そうなやつらへの皮肉だらけの歌詞。日本語だとしたら、放送するのに規制がかかりそう…。

We’re the regulators that de-regulate

「俺たちは規制を解除する規制当局だ」。勝手にしばりつけるな! という感じでしょうか。しかも偉そうに葉巻を吸いやがりやがってという感じで。

葉巻が偉そうにとは直接はなりませんが、ドラマなどでは人を見下す嫌な奴が吸っていたりしますから、イメージは伝わりやすいです。実に面白い表現。

Radio/Video

不思議な感覚にとらわれる「Radio/Video」。(5曲目)

展開も多いだけでなく、歌詞も不思議な曲。何を言いたいのがよくわからないからこそ、余計に迷い込んでしまう世界感があります。

They take me away from
The strangest places

「彼らは俺を連れて行く。奇妙な場所へ」。タイトル「Radio/Video」から読み解くと、さも信実として聞いて、見た人を惑わせるということなのかも…。

途中の楽しげなメロディーは、こっちの世界においでという感じ。

たとえ嘘であっても信実のように伝える。今であればネットかなと。表現する形を変わっても、都合よく信実を折り曲げる。あまりいい思いはしないですね。

聞く人によってもですし、聞くタイミングによって印象が変わってくる曲かも。

Violent Pornography

比喩の歌「Violent Pornography」。(7曲目)

Aメロの早口や、スタッカート強めの歌い方が、システム・オブ・ア・ダウンっぽい曲。他のバンドでは、きっと表現するのが難しい世界観でしょう。

The kinda shit you get on your TV

「テレビで得られるク◯みたいなこと」。何が歌「Violent Pornography = 暴力的なポルノ」かと思えば、テレビのというのが面白い。

信実を捻じ曲げて伝える場合もあるからこその、皮肉のこもった比喩。本来であれば趣向のある人が隠れて見るものを、堂々と流しやがってということかなと。

5曲目「Radio/Video」に、通じる部分がある世界感。表現を変えて複数でというのは、より強い思いがあるからでしょう。

Question!

Apple Music Movie IconQuestion!
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自分にとって重要な問い「Question!」。(8曲目)

そもそもが曲の中で問いかけることが多いバンドですが、そのままをタイトルに。その理由は誰かではなく、自分のことだからでしょうか。

When we, when we go
Do we die?

「俺たちが行く時。死ぬの? 」。送り込まれる場所に行くということは、特攻であり、死ににいくこと。分かっているからこそ、聞いてしまうのでしょう。

「死ぬこと意外はかすり傷」なんて言葉もありますが、肉体から離れ魂になってしまったら、何もできなくなりますから…。寂しさの強い問いです。

Lost in Hollywood

ラストは静かに寂しさの漂う「Lost in Hollywood」。(11曲目)

時とともに形は変わっていくのが当然ではありますが、良かったものが悪くなることもある。その上で、夢のある場所のハリウッドであるのでしょう。

You should’ve never trusted Hollywood

「ハリウッドを信用してはいけない」。時として夢を叶えるはずだった場所が、変わってしまった。逆になるというのは、寂しさが強くなっていきます。

夢を見る場所さえ、俺たちからは無くなっていくという感じで…。

アルバム・タイトル「Mezmerize = 魅了、魅惑する」。何かに操られていうかのような人へのメッセージが、この曲には特に含まれている気がしました。

信じるものがあるのはいいことですが、操られるのとでは違うので。

あとがき

36分という短さもありますが、一気に走りさるアルバム。勢いや激しい曲ばかりではない形を踏まえると不思議であり、興味が深くなる内容です。

また、ダロン・マラキアも歌声も個性的なので、歌パートが増えたことはサージ・タンキアンと絡み合いで濃くなりました。これは面白い音の変化!

だからこそより独自性が強くなり、システム・オブ・ア・ダウンならではの音に。作品数が増えるとおとなしくなる場合が多いのに、このバンドは逆ですね。

メロディーがポップになったのもポイント! 聞く人にとっては「どこがじゃ!」となるかもですが、口ずさむたくなる部分が増えたのは間違いありません。

独自性は強いけれど、クセになる。そんなアルバムです。

 

以上、『System of a Down:Mezmerize ~あなたは操られていないか? ~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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