渋谷すばる (しぶたに すばる) 2枚目のアルバム「NEED」。
前作「二歳」から1年1カ月。途中にはさんだ「人」もでしたが、メッセージ性の強い歌がこれでもかと詰まった1枚。
変に飾ることはせずに思いをそのままに表現する、男らしい内容です。
NEED 収録曲概要
「NEED」収録曲は以下の通り。
- Sing -a cappella-
- Earth Color
- BUTT
- Noise
- 水
- 風のうた
- たかぶる
- 今日はどんな一日だった
- 人
- 素晴らしい世界に
- Sing
始まりと終わりは「Sing = 歌」。自分には歌が必要で、聞く人にもそうであってほしい。自分が最大限に表現できるのは、歌だからという感じなのでしょう。
クセのある歌声と、各曲のメッセージが強いからこそ、より男らしさが増した形に。もう元ジャニーズという肩書きは彼にはいらないのかもしれません。
聞く人は選ぶかもしれませんが、歌として伝わってくるものがあります。
Earth Color
アルペジオが印象的な「Earth Color」。(2曲目)
以前は当たり前だったものが、マイノリティ(少数派)に。誰かを蹴落としたり、傷付けたりするのはどうなの? と問いかけているような歌。
手を取り合えるはずが、間違った方向で一緒になり、最後は孤独となる。それって寂しいことじゃないの? と感じさせてくれます。
塗り替えられた 青や緑は
哀しみを超え 今、何をうたう
青や緑が象徴の地球。変わってしまったら、生きづらくなってしまいます。破壊することはかんたんでも、取り戻すのは難しい。結局は跳ね返ってくるんです。
直接的にこうしてではなく、自分で気付いてほしいなの思いを感じました。
BUTT
「NEED」の中で一番面白いタイトル「BUTT」。(3曲目)
複数の意味のある言葉ですが、歌詞から見ると「尻」でしょうか。ぐしゃっとなる寸前の危うさのあるリズムも含めて、聞いていても面白い曲。
それぞれの音はクリアで実際は個別なのでしょうけれど、1発録りの雰囲気があります。言葉の使い方も面白いし、めちゃくちゃロックです。
キリキリ キリキリ
あふれだす あふれだす
たまっていく思い。言葉として吐き出すだけでなく、尻からあふれだすように排出しちまえよ! だったら、ロックですね。面白い想像が膨らみます。
吐き出した、排出した先には飽きた世界ではない別の明日があるのかもです。
風のうた
ブールースハープがカッコいい「風のうた」。(6曲目)
ポップな曲の中に、男心が詰まった歌。一般的にスカートを男性は履かないですから未知のもので、やっぱり夢があるんですよね。面白い世界観の曲です。
見えそうで見えそうな奥ゆかしさよりも
躊躇なく下品に見せられたい
自分はギリ見えない方がキュンとしちゃうので分かりかねる部分がありますが、興味深い表現。もったいぶらずに風のせいにしちゃえばということなのかも…。
男だからこそスカートという言葉に目がいっちゃいますが、女性からの目線、またしばらく経ってから聞いてみる違った感覚で聞けるような気がしました。
そんなに回数を現状は聞いていないからですが、思いの他に深さがありそうです。
たかぶる
しっかいとためて「たかぶる」。(7曲目)
イントロをいかに無くすのが主流になっている中、プロローグとして1分30秒もあるのが逆に面白い! アルバムの中だからこそ、表現ができる曲。
誰だって誰かの理想を生きられねえ
普通や、自分らしくというのが難しいからこそ、あえての思いを口にする。言葉にするからこそ行動になり、結果へとつながっていくのでしょう。
どうせならたかぶった気持ちでやろうぜ! というのは、ロック! 後から誰かに言われたからとか、やりたくなかったは無しにしようという思いを感じました。
気持ちは分かってるから、テンションを上げて行こう! 気持ちのいい歌です。
Sing
アルバムの核となる「Sing」。(11曲目)
この曲にのせた思いがあるからこそ、「NEED」という似用の1枚になったのでしょう。思いはシンプルで優しいけれど、強いメッセージ・ソング。
音楽が好きな人ほど、歌が何か変えられるんじゃないかと感じてしまいます。
歌が必要だ この世界中に (愛してます。日本)
歌が必要だ どんな時代も (今こそ 今こそ 歌が必要だ)
自分には歌が必要。だからこそ歌う。それが誰かに必要とされたら、歌い手として嬉しいし、もっと多くの人に届けたいと感じるのではないでしょうか。
歌の力を信じているからこその「Sing」。思いに迷いが一切なのがステキ!
MVで歌っているのは、誰もいない小さなライブハウス。この歌が大きく広がって必要とされますように、何か思うことがあってほしいの思いを感じさせます。
バンドメンバーもいない、渋谷すばる1人。最小人数だからこそ、ここからは増えるしかありません。思いの強さが分かる、いいMVです。
あとがき
歌詞を見ると分かりますが、余計な言い回しをしていません。直接的な言葉になるからこそ逃げがなくなるのに、そこを逆にうまく使っているのがポイント!
だからこそ逆に男らしさが増すのでしょう。聞く世代にもよるでしょうけれど、THE BLUE HEARTSの雰囲気を個人的には感じてしまいました。
アルバムを聞いているとそんな雰囲気さえ感じませんが、元ジャニーズ。現状は女性ファンの方が圧倒的に多いでしょうけれど、男性ファンも増えそうです。
音楽は最初のイメージで食わず嫌いというのがどうしても強いですから、そこをなんとかしてうまく変えられたら、面白いことになるかもしれません。
自分のような雑食は別とすると、最初から避けてしまう人も多いので…。
日本語のメッセージがガツンの耳に入ってくるのは、大きな印象が残ります。今の時代はメインストリームで少なくなったからこそ、興味深い内容ですよ。
以上、『渋谷すばる:NEED ~どんな時でも僕には歌が必要だから…~』でした。
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JOE (ジョウ)
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