雨宮天:Paint it, BLUE ~この青はあなたに深く浸透していく~

雨宮天:Paint it, BLUE邦楽レビュー
邦楽レビュー

雨宮天 (あまみや そら) 3枚目のアルバム「Paint it, BLUE」。

前作「The Only BLUE」から2年2カ月。間に過去最大の4枚のシングルを挟み、満を持してという形でリリース。

現在の状況から、逆に時間をかけて作ることができたというアルバム。その成果なのか、既存の2枚とは異なる青の濃さが聞ける1枚になっています。

Paint it, BLUE 収録曲概要

「Paint it, BLUE」収録曲は以下の通り。

  1. Paint it, BLUE -overture-
  2. Fluegel
  3. Defiance
  4. Catharsis
  5. Queen no’ cry
  6. VIPER
  7. 火花
  8. Next Dimension
  9. PARADOX
  10. Song for
  11. 蒼天のシンフォニア
  12. Regeneration
  13. 雨の糸

インストゥルメンタル「Paint it, BLUE -overture-」から、始まるアルバム。最初の時点で、今回は何か雰囲気が異なるぞと思わせてくれます。

シングル、カップリングで既発の5曲が核の部分にはあるのですが、変に主張をすることなく、「Paint it, BLUE」の1曲になっているのもポイント!

完成度を上げるのに一役を買っています。今までにないアダルトな雰囲気も含め、聞いていて面白いのと同時に発見の多い1枚。いいアルバムです。

Fluegel

ドイツ語で翼を意味する「Fluegel」。(2曲目)

中東の雰囲気が興味深い曲。くじけそうでも、弱さは見せない強さを感じさせます。歌入りの始まりとして、聞き手の引き込むには十分過ぎるくらいです。

旅人はただ歩く 灯りを手に抱いて
傷に苛まれて この身切り裂かれても
“祈り”が絶えぬように

負けずに強くあるための理由がある。翼とは目に見えるものではなく、心を包んでいる最後の部分なのかもしれませんね。

サビで多用するファルセットが、聞いていてとても気持ちがいいです。

Catharsis

聞いていると感情が揺さぶられる「Catharsis」。(4曲目)

アダルトな雰囲気の中で、かわいらしい歌声が光る曲。きっとこの歌い方はあえてでしょうか。歌詞も含めて対極になるので、印象が強くなっています。

四の五の言わず 不幸になれよ

きっと弱い自分の心に対しての言葉。ある意味での刺激療法なのでしょう。本当に「不幸になれよ」ではなく、そんなの嫌でしょ! の思いかなと。

歌詞も面白いですが、演奏も面白いスルメ曲です。

Queen no’ cry

アルバムのリードトラック「Queen no’ cry」。(5曲目)

横ノリの力強いロック。過去ではなく、今の天さんだから歌えるであろう、進化を感じさせてくれる曲。声優さんでもこのタイプが聞けるのは珍しいかも…。

信じる心のその美しさを
いま 魅せてあげよう

聞いていてしびれてしまう部分。素直にカッコいい! がなるギリギリで止めているのが、またいいですね。少しの違いでも、こえない方がいい部分もあります。

女性だけでなく男性にも多い、がなるのがロックと勘違いしている人に聞かせてあげたい曲。過度なフェイクが聞きづらいだけと同様ですね。

ギターリフもカッコいいので、ギタリストは間違いなく気に入りますよ。

火花

雨宮天 本人作詞作曲「火花」。(7曲目)

ジャズの要素が含まれ、なんとも歌うには難しいであろう曲。こぢんまりとしたBarで聞いてみたいなと思わせてくれます。

アレンジで変わった部分も多いと思いますが、玄人な構成の作り。表にはあまり出てこないですが、思い他に天さんは曲を書いているかもしれませんね。

酔い痴れる熱病は 醒めない

火花は本来は一瞬、または短い時間のもの。それでも醒めることはないというのに、大きな意味を感じずにはいられません。

大人ならではの恋なのか、それとも情熱なのか、興味津々です。言葉が今ではあまり使われない表現をチョイスしているのも、見ていて面白く感じました。

これには天さんが後日談として、ラジオで答えを語っています。

火花とは楽しかったバーベキューで見た、花火の歌。いたずらも隠されていて、Dメロの歌詞を縦読みすると「バー、ベ、窮」。なるほどです。面白い!

Next Dimension

「火花」とはがらっと雰囲気を変える応援歌「Next Dimension」。(8曲目)

優しくも強くバシッ! と背中を押してくれる曲。聞いていると止まっている自分が逆に嫌になり、走りだしたくなるように思いにさせてくれます。

君は君になれ
君の夢は君以外見られない

僕は僕になる
僕の夢は僕以外見られない

完全にその通り。君だけではなく、僕もというのが大きなポイント! 夢を見るのは誰でもなく、自分であることを感じさせてくれます。

前に進むのは勇気のいることですが、それでも先を見た人だけに訪れる未来。親が子どもに夢を託すのは異なりますから、自らが一歩踏み出すしかないんです。

この曲で聞ける天さんの歌声は、励まされる人は多いのではないでしょうか。

蒼天のシンフォニア

アニメが始まるかのような「蒼天のシンフォニア」。(11曲目)

何かのオープニング、エンディングテーマかと思いきや、ノンタイアップ。この曲の持つ力強さは、あと付けでアニメができたとしても面白いかも…。

テーマがちゃんとあるので、素人考えだとありじゃね? と思っちゃいます。

so far away we sing for blue sky

はる彼方かなたの青空を求めて歌う」。歌う理由と、諦めることはない強さ。曲名通りのシンフォニックな部分もあり、興味深く聞くことができました。

従来でも見せた得意な要素が多く含まれるからこそ、安定の曲と言えるかも…。

雨の糸

アルバムのラストを飾るバラード「雨の糸」。(12曲目)

CV(キャラクターボイス)で歌ったことはあるかもですが、本人名義で3拍子の曲はとても新鮮! 10代にはない、大人の女性の優しさが聞けます。

愛しなさい
出来るでしょう
出来るでしょう きっと

「きっと」っと付け足すのが優しい。強制でも、誰に言われるのでもなく、自分の意思で。まるで子守唄のような曲は、聞いていて気持ちが穏やかになります。

さらっと歌っていますが、歌うにはかなり難しい曲。天さんさすがです。

あとがき

シングルの時点でバリエーションの広さを見せてくれていましたが、さらに越えてきた内容。表現の幅は広がっても、とっちからかっていないのもポイント!

嫌みな形ではなく、アーティスト雨宮天が聞ける1枚。従来の声優からのファンはもちろん、新たな層に十分にアピールができる内容ではないでしょうか。

誰のせいでもないですが、この充実の内容を現時点ではライブで表現ができないのは惜しい! 少し先にある未来まで、聴き込んでおいてという感じでしょうか。

また、TrySail の3人は、ソロでの表現が三者三様で面白い! 見た目としてのビジュアル、ラジオでもキャラクターの違いが聞けますし、とても興味深いです。

天さんはもちろんですが、他2人のソロ、TrySailもライブが見たいですね。

 

以上、『雨宮天:Paint it, BLUE ~この青はあなたに深く浸透していく~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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