Sons Of Apollo:MMXX ~今のこの音が徐々に変化をしていいく~

Sons Of Apollo:MMXX洋楽レビュー
洋楽レビュー

Sons Of Apollo (サンズ・オブ・アポロ) 2枚目のアルバム「MMXX」。

前作「Psychotic Symphony」から、約2年3カ月ぶり。結成当初はプロジェクト感もありましたが、がっつりなバンドになりました。

海外でのライブ本数も多くライブ盤もリリースしていたり、来日公演もありましたし、まだこれから伸びてくるバンドなんでしょうね。

バンド感が強まり強力なサウンドになっていますが、少し弱い部分も見えてきた内容になっているので、転機になるであろうアルバムです。

今後に伸びる、伸びないに関わる、バンドの選択がどうなるのか気になります。

【DAZN (ダゾーン)】
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MMXX 収録曲概要

「MMXX」収録曲は以下の通り。

  1. Goodbye Divinity
  2. Wither to Black
  3. Asphyxiation
  4. Desolate July
  5. King of Delusion
  6. Fall to Ascend
  7. Resurrection Day
  8. New World Today

8曲と曲数は少ないのですが、プログレッシブメタルバンドらしい16分に迫る曲があるなど長尺の曲もあることから、59分というフルボリューム。

通常盤とデラックス盤の2種類がリリース。デラックス版には演奏のみのインストゥルメンタル、歌のみのアカペラも収録されています。

コピーをするのも、歌をサンプリングするにも使える、面白い手法です。

気になるアルバムタイトル「MMXX」は、2020を表しています。ローマ数字の表記方「MM = 2000」「XX = 20」で、2020となるわけです。

同じローマ数字の使い方はL’Arc〜en〜Cielの2020年から始まったツアー「ARENA TOUR MMXX」でも使われている表記方法ですね。

単に2020と付けるよりも興味を引きますし、2020年にリリースするアルバムが「MMXX」。単純なようで、とてもいいタイトルです。

Goodbye Divinity

オープニング曲「Goodbye Divinity」。(1曲目)

アルバムリリース前にMVが公開。先行配信もされていた曲で、アルバムのタイトルトラック。強さの中に、怪しさを感じさせてくれます。

怪しさを感じるのは「Goodbye Divinity = さよなら神性」という、曲のテーマからきていると感じました。本来なら祈るものに、さよならですから…。

Goodbye Divinity, I’m here to stay

「さよなら神性。私はここにいる」。絶望ではなく、自ら世界を切り開いていくとも取れ、「Asphyxiation」「New World Today」にもつながりを感じます。

「MMXX」の持つ世界の始まりとして、導入にピッタリな曲。

にしても、ジェフ・スコット・ソートの書く歌詞は少し独特ですね。歌声も含めてガチッとハマると強いですが、若干危うさを感じる部分でもあります。

Asphyxiation

アルバムの中で1番ヘヴィーな「Asphyxiation」。(3曲目)

「Asphyxiation = 窒息」。このままではいられない状態だからこそ、思いのある歌詞で、演奏がバトルをしまくっている曲。誰も一歩も引いていません。

楽曲の中でバトルができるのも、Sons Of Apolloの強さですね。音源で聞いていてもカッコいいですが、ライブで進化を発揮しそうな曲。

「New World Today」につながる世界観の要素もあって、今回のアルバムの中で1番興味も持ったのは、この曲でした。とてもカッコいい!

Desolate July

荒れ果てた7月と、少し変わった曲名の「Desolate July」。(4曲目)

切なさが全体を通して漂う曲は、個人をしのぶためだから…。

MVの冒頭でもふれられていますが、ツアー中の移動時に交通事故で亡くなったAdrenaline Mobのベーシスト、デヴィッド・ザブリドウスキにあてた曲。

在籍時期は被ってなくてもマイク・ポートノイはバンドに在籍していますし、MVを見るとジェフ・スコット・ソートの大切な友人であるのが分かります。

So don’t really wanna know
Did you really have to go

「本当に知りたくない。本当に行かなければならなかったの? 」。病気ではなく、事故は突然で前ふりもなくさよならだからこその、思いが伝わってきます。

もう戻ることのない切なさはありますが、友情も感じる曲です。

Fall to Ascend

「Asphyxiation」がヘビーであれば、こちらは重さを持った「Fall to Ascend」。(6曲目)

季節が秋となり登って冬になるからこそ、不安を感じるからでしょうか。

Rumors are part of game
Indecision’s all you know
Sheer insecurity

「噂はゲームの一部。優柔不断のあなたが知っている全て。完全な不安」。歌詞が抽象的な部分が多く難しいですが、不安だからこそ重くなるんでしょうね。

間奏部分に度肝を抜かれる曲。このバトルは、なかなか聞けないですよ。演奏が強力過ぎる分、ジェフ・スコット・ソートの弱さも感じます。

すごく頑張っているんですけれど、同化というよりも演奏に打ち消されている…。すごくカッコいいだけに、もったいない気もする曲です。

New World Today

アルバムのラストを飾る「New World Today」。(8曲目)

15分51秒とアルバムの中で1番長尺。インストパートも多く、展開が多くある曲でもあります。それでも自然と長さを感じさせません。

展開が多い理由は、もともとは複数の曲が1曲にまとまったものというのを見て、納得しちゃいました。違和感がなく1曲になっているのもいいですね。

1日は同じであっても毎日は少しずつ異なるからこそ、「New World Today = 今日の新しい世界」という曲名に合っている気がしました。

ボーカルもありますが、この曲で特に新しい世界を表しているのはインストパート。前作よりも確実にレベルが上がっていて、聞き逃がせません。

展開は多くても、要点さえつかめば覚えやすい展開であるのもポイントです。

あとがき

バンドの演奏のパワーが格段に上がって聞こえるアルバム。それだけ余計にジェフ・スコット・ソートのボーカルの弱さを感じたアルバムでもあります。

良くも悪くも振り幅がせまいジェフ・スコット・ソートが、音で聞いてもMVでもついてこれていない気がしました。いいボーカルなのに、惜しいですよね。

デラックス版のアカペラを聞くと顕著ですが、幅がめちゃくちゃ狭いんです。

強力な部分もあるんですけれど、今から幅を広げるのは厳しいと思うので、もう1人ボーカルを加入させるか、チェンジした方がバンドは伸びる気がします。

同じ系統のボーカルであれば、ジョン・コラビとかの方がうまくやりそうですよね。ボーカルの担うものは大きいので、かなりの頑張りどころだと感じました。

Dream Theaterのジェイムズ・ラブリエはやっぱりすごいです。バンドとしてサンズ・オブ・アポロはカッコいいだけに、この先の展開が気になります。

「MMXX = 2020」。現在の音がどう進化していくのでしょうか?

 

以上、『Sons Of Apollo:MMXX ~今のこの音が徐々に変化をしていいく~』でした。


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