Slipknot (スリップノット) 6枚目のアルバム「We Are Not Your Kind」。
前作「.5: The Gray Chapter」から、約5年振り。メンバーが2作続けて変更があったアルバムとなりました。
リリース前に小出しでMVが公開されていましたが、そのイメージで聞くと、きっと印象が異なって聞こえる方が多いのではないでしょうか?
全体を通して聞くと、これでもかと暗く重さを強く感じる内容となっています。
We Are Not Your Kind 収録曲概要
「We Are Not Your Kind」収録曲は以下の通り。
- Insert Coin
- Unsainted
- Birth of the Cruel
- Death Because of Death
- Nero Forte
- Critical Darling
- A Liar’s Funeral
- Red Flag
- What’s Next
- Spiders
- Orphan
- My Pain
- Not Long for This World
- Solway Firth
タイトルだけ見ても、暗く重さを感じずにはいらない感じ。従来通りの疾走感のある曲もありますが、暗さと重さが目立つ収録内容。
激しさがメインでない分、好みが分かれるでしょうし、数回聞いただけではバンドの意図を理解するのが難しい形になっています。
だからこそしっかりと聞いた時に、怖さがたっぷりと味わえるアルバム。
最初MVとして公開されていた「All Out Life」が収録されていないのが意外だったのですが、何回も聞いていると収録しなかった理由が分かる気がしました。
より暗さと重さをアルバムで表すには、ない方が増すように感じるからです。
Unsainted
曲名が印象的な実質のオープニング「Unsainted」。(2曲目)
パーカッションが、従来のイメージ通りのSlipknotを感じさせてくれる曲。最初にこの曲があることで、安心感さえ感じさせます。
歌詞を見るとなぜこの曲名になったのか、より強く理解しやすいです。聖人なんて方はほとんどいないですから、多くの人に向けたメッセージ・ソングですね。
聞いているよりも、歌詞を見るととても深く感じる形になっています。
Birth of the Cruel
Slipknotにありそうでなかった「Birth of the Cruel」。(3曲目)
ミディアムテンポで重く、聞いていて不気味さであふれるような曲。歌詞を見てみると、これでもかと不気味な歌詞になっています。
何かが生まれる時はおめでたい感じがするものですが、この曲ではめでたいものではなく、残酷だという…。不気味であり、とても重さのある曲。
MVはさらに不気味さが増しているので、聞くだけではなく、MVもぜひ見てみましょう。
Nero Forte
イタリア語で強い黒を表す「Nero Forte」。(5曲目)
重くて音数の多いSlipknotらしい曲は、ヘッドバンキングが似合います。ギターもシンプルなリフなのですが、耳にとても残ります。
A hope like yours won’t help me now
You can do your worst to me
「あなたのような希望を私は今、持てない。あなたは私に最悪のことをできる」。光がないからこそ希望がなく、闇に落ちていくという感じ。
その上で「That’s want you do best = それがあなたのベスト」と言ってしまうのですから、通常では考えられない闇に落ちているのが分かります。
「Nero Forte = 強い黒」とは、暗い闇に落ちていく色を表していそうですね。
Spiders
ひたすらに冷たさを感じる「Spiders」。(10曲目)
暗く重い曲が多いこのアルバムの中でも、特に暗くて重く、不気味さを感じる曲。音の感じは不協和音の鍵盤で重くないのが、余計に重さを感じます。
歌詞も「もうあなたは蜘蛛の巣に捉えられいる」という様な歌詞で、聞けば聞くほど不気味で怖さを感じます。さらっとは聞けません。
また、回数を聞けば聞くほど、不気味さが増していくのも特徴です。
Solway Firth
アルバムのラストを飾る「Solway Firth」。(14曲目)
歌詞がアルバムタイトルの「We Are Not Your Kind」を1番表している内容。その理由は、あなたと私は違うんだというのが現れているから。
アルバムのラストに持ってきたというのに、とても意味があると感じずにはいられない曲。それにしても、こんな隣人がいたら怖いですね。
「Here’s an unexplainable one」を1度ではなく、繰り返すところがより不気味さが増して怖いなと感じる形になっていますよ。
アルバムの中でもシンプルなリフで、1番ギターをコピーをしやすい曲。といっても弦楽器だけで、バンドとして再現するには難しいですが…。
All Out Life
先行配信されていながら、アルバムには収録されなかった「All Out Life」。
「We Are Not Your Kind」というアルバムタイトルは、「All Out Life」の歌詞の一節でもあるので、単なる先行配信ではないですよね。
アルバムに大きく関係はしているけれど、プロローグにあたる曲。アルバムに入る場所がなかったのが、収録されなかった理由ではないでしょうか?
1曲目にきても、途中に入ってもアルバムの世界観が変わったものになった気がします。重要であるけれど、アルバムには入らないというのは面白い!
Slipknot らしい攻撃性の高く、1曲であっても十分に楽しめるます。
あとがき
「We Are Not Your Kind」はこれでもかと暗く重いアルバム。
この暗さと重さはSlipknotの中でも、1番といって間違いないアルバムの内容。コリィのマスクの怖さがそのまま現れているかも…。
だからこそリリースされてすぐに聞いた時は、よく内容が理解できない内容でした。聞いてすぐに理解をするのが難しいアルバムだったから…。
特に歌詞が日本語とは違い英語で全てをすぐ理解できるわけではないことがより怖くもあり、内容が入ってくるのが難しかったです。
このアルバムの世界観は、ライブで再現するのがすごく難しいでしょうね。
1、2回ではなく、何回も聞くこと。聞きながら同時に歌詞を見ることで、理解度が上がっていく内容であることは間違いありません。
印象がどんどん変わっていきますので、日をあらためながら何回も聞いてみることをオススメします。聞けば聞くほど、不気味さが増していくアルバムです。
以上、『Slipknot:We Are Not Your Kind ~奥深くに入り込んでいく痛み~』でした。
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2008/8/20 release 4th Album
Slipknot:All Hope Is Gone ~希望を一度失った先にあるもの~
2014/10/17 release 5th Album
Slipknot:.5: The Gray Chapter ~新しい章がここで幕を上げる~
2019/8/9 release 6th Album
Slipknot:We Are Not Your Kind ~奥深くに入り込んでいく痛み~ ←今ココ
2021/11/5 release Digital Single
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