Slipknot (スリップノット) 3枚目のアルバム「Vol. 3 The Subliminal Verses」。
2枚目「Iowa」から約3年ぶりとなる、2004年にリリース。メタルで激しい2枚目とは、大きく異なる内容になっています。
1枚目に戻るのでもなく、不思議な怪しい雰囲気を感じる1枚。Slipknotの中でも、上級者向けと言えるのかも…。
このアルバムが Slipknot の中で1番という人は、少し変わっていたり、見えている景色が他の人と異なるかもしれません。世界観が不思議な1枚。
解散危機を乗り越えてリリースされたからこそ、アルバム・タイトルはもちろん、不思議な感覚がする内容となっているのかもしれませんね。
Vol. 3 The Subliminal Verses 収録曲概要
「Vol. 3 The Subliminal Verses」収録曲は以下の通り。
- Prelude 3.0
- The Blister Exists
- Three Nil
- Duality
- Opium of the People
- Circle
- Welcome
- Vermilion
- Pulse of the Maggots
- Before I Forget
- Vermilion, Pt. 2 (Bloodstone Mix)
- The Nameless
- The Virus of Life
- Danger – Keep Away
単曲であれば他のSlipknotの曲と変わりはないのですが、1曲目の「Prelude 3.0」から「Danger – Keep Away」まで通して聞くと、感覚が変わります。
アルバム・タイトルの「The Subliminal Verses = サブリミナルの詩」。サブリミナル効果は一時期話題になりましたが、しっかり体験ができる内容。
サブリミナル効果(サブリミナルこうか)とは、意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のことを言い、視覚、聴覚、触覚の3つのサブリミナルがあるとされる。閾下知覚とも呼ばれる。
サブリミナルとは「潜在意識の」という意味の言葉である。境界領域下の刺激はサブリミナル刺激(Subliminal stimuli)もしくはサブリミナル・メッセージ(subliminal messages)と呼ばれている。
1曲ではなく、アルバムを通して刺激を受けていくので、深みにどんどんハマって行く感じ。面白い感覚ですが、苦手な方もいるかもしれません。
Duality
コリィ・テイラーの一人多重コーラスから始まる「Duality」。(4曲目)
1曲の中で多くの歌い方をしているので、コリィ・テイラーの歌のうまさが伝わってきます。マスクに惑わされますが、屈指の高い実力の持ち主ですよ。
感じている痛みを取り除くには唯一1つの方法しかないのに、痛みの他も全てを取り除いてしまう方法であるからできない。でも痛みは取り除きたい…。
解決策がないからこそ、迷路に迷い込んでしまう曲。物理的な痛みでもあり、心の痛みでもある痛みが無くならないのは、どんな感覚なのでしょうか?
体感はしたいとは思いませんけれど、気になってしまう痛みです。
Opium of the People
あなたにはもう何も与えないと歌った「Opium of the People」。(5曲目)
イントロのリフが単純なフレーズなのにあまり聞かない音使いで、気になってしまう曲。Slipknot らしい、ザクザクと切り刻む曲は気持ちがよくなります。
不思議な音使いをしているのに、なぜか気になってしまうんですよね。歌詞にも特徴がありますが、曲を通して気持ちを引きずり込まれる感じがします。
アルバムの中でも特にギターがカッコよく、コピーしたくなる人も多いはず!
Vermilion
イントロから怪しさが漂う「Vermilion」。(8曲目)
Pt. 2もあって後に収録されている「Vermilion」ですけれど、オリジナルがあるからこそ、深みにハマっていってしまいます。
重いローチューニングのギターリフだけでなく、繰り返される「I won’t let this build up inside of me…」が印象的で心に残りました。
心や考えでは拒否をしようとしているのに、体は拒否することができずにたまっていくという…。最初は小さな刺激でも、蓄積された刺激は大きくなります。
不思議な感覚にとらわれる曲が多いこのアルバムの中でも、オリジナル「Vermilion」とPt. 2には特に不思議な感覚に引きずり込まれますね。
Before I Forget
忘れる前に思い出せと歌った「Before I Forget」。(10曲目)
この曲だけを聞くとSlipknotなのですが、歌詞を見ていくと不思議な感覚にとらわれます。忘れる前に思い出せというのは面白いです。
日本のAIONというバンドの「Anguished Heroes」という曲に「生きるまで死ね」という歌詞があるのですが、同じ感覚がしました。
どちらの曲も不思議な感じがあるからこそ、引き込まれてしまう曲。間奏にポップバンドが使うコード進行があったりするのも、不思議さを増していきます。
聞けば聞くほどに面白い曲であり、感覚が変わってくるのも特徴です。
あとがき
「Vol. 3 The Subliminal Verses」は、聞いているとなんともいえない感じの怪しく、不思議な感じにとらわれる内容。
現在6枚のアルバムをリリースしているSlipknot。聞く人によって一番聞いた感じの印象が異なるアルバムではないでしょうか?
不思議な感じがいいという人もいれば、聞いていてよく分からないという人も多いと思います。世界感に入り込むには、特別な何か必要なのかもしれません。
面白いアルバムなのですが、聞く度に違った印象や不思議な感覚にとらわれるので、まとめるのにすごく時間がかかった1枚でした。
書き始めてから10記事近く後から書き始めたものが、先にアップされています。
書いては手が止まる。また書いては手が止まった不思議な感覚は、このアルバムの詩を聞いて、サブリミナル刺激を受けていたのかもしれませんね。
初めてSlipknotを聞くにはオススメしませんが、アルバム・タイトル通りに刺激をいつの間に受けているという、興味深く面白い1枚です。
以上、『Slipknot:Vol. 3 The Subliminal Verses ~この詩は潜在意識を刺激する~』でした。
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JOE (ジョウ)
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