SHISHAMO:卒業制作 ~カペリンではなく本物への過程~

SHISHAMO:卒業制作邦楽レビュー
邦楽レビュー

SHISHAMO (シシャモ) 高校卒業アルバムである「卒業制作」。

実質の1枚目のフルアルバムですが、高校時代にインディーズでリリースとしたというのに、ビックリしてしまう内容のアルバムです。

SHISHAMOとバンド名になった理由は「読むとかわいいのに、漢字で書くとカッコいい」からというのが、面白いです。柳葉魚。確かにカッコいいかも…。

今のSHISHAMOから聞こえてくる音とは、少し違いがあるのも興味深いアルバムです。バンドの始まりが聞けるアルバムとして、聞くのをオススメします。

卒業制作 収録曲概要

「卒業制作」の収録曲は以下の通りです。

  1. 宿題が終わらない
  2. お菓子作り
  3. 君に告白した理由
  4. 夢のはなし
  5. 絆創膏
  6. 熱冷まシート
  7. 冬の唄
  8. 第3ボタン

曲名や歌詞を見ると、高校生という部分が見えるのもステキです。リリース時は高校生で、女性の3ピースバンドだからこその良さを感じられます。

8曲で31分というコンパクトさも、等身大を感じていい結果になっていますね。1曲2曲であればまだ分かりますが、全曲しっかりしているも聞き所です。

宿題が終わらない

オープニング曲の「宿題が終わらない」。(1曲目)

メロディのあるイントロではなく、ギターのカッティングのリフであるのがいい感じです。リズムもよれているのに、よれているからこそのロックを感じます。

ギターが手元にある時に聞いたら、一緒に弾きたくなる魅力のあるカッティングです。カッティングのミュート練習で弾くパターンなのが、理由かもですね。

ギタリストであれば全く知らない弾き方ではなく、少しなじみのある感じで…。

来ないで明日 来ないで明日

宿題が終わらなかったことがある誰もが思う、この気持ち。AメロやBメロではなく、サビにもってきたからこそ、より共感ができる思いになっています。

お菓子作り

あなたを思っている気持ちが伝わってくる「お菓子作り」。(2曲目)

気持ちがこもっているからこそ、作っている最中も楽しい気持ちが分かるのがいいですね。楽しい気持ちが曲から分かるからこそ、聞いていて楽しい曲です。

演奏はシンプルイズベストであるのもいいですね。楽器初心者の練習曲としても楽しく弾けるので、オススメです。休符がしっかり入っているのもいいですよ。

だってあなたは私のことを…
だって私はあなたのことを…

続く言葉はわかりますが、言わずに終わるのがいいです。言わないことの音楽の魅力を分かってらっしゃる。高校時代に分かっているのが、さすがといえます。

君に告白した理由

高校生らし告白の理由を感じる「君に告白した理由」。(3曲目)

男性目線の歌詞であるのが、面白く興味深いです。この頃はまだそんなに曲を書いたことがない時期だと思いますし、得に異性の立場で書くのは難しいのに…。

ちゃんと男性目線の歌詞になっているのは、センスがいいんでしょうね。このセンスのよさは男性目線の歌詞も多い、あいみょんを感じさせます。

男性目線でもタイプは違う歌詞ですが、どちらも興味深い歌詞を書いてくれます。歌詞が興味深い曲が多いSHISHAMOですが、この曲は特にいい感じです。

冒頭の「実は顔で選んだ君のこと」とうのは単にきっかけであり、もっと君を好きになっていく気持ちが曲の中で分かるのがいいですね。いい歌詞です。

冬の唄

片思いの気持ちがかわいらしい「冬の唄」。(7曲目)

アルバムの中で5分46秒と1番長い曲であると同時に、アレンジがしっかりとできている感じがする曲です。勢いだけでない、考えられた感じがします。

高校生ぐらいが1番楽器のレベルも上がるので、「卒業制作」というアルバムの中で成長があるのもいいですね。おそらく1番苦労した曲だと思います。

「好きだよ ずっと一緒にいたいよ」
おちゃらけてしか言えないけどね

高校生というか、まだ10代の恋の気持ちを感じさせてくれます。冬の寒い季節は恋する気持ちもキュンとなりますから、学生時代の恋を思い出すような曲です。

第3ボタン

アルバムのラストを飾る「第3ボタン」。(8曲目)

学生ならではの切ない思いを歌った曲です。中学生ではなく高校生だと学年の人数も増える場合が多いので、気にはなっても接点がなく終わる子がいます。

接点がなく相手にも知ってもらえていたか分からないからこそ、気になった思いは恋に変わることがあるんです。妄想しちゃうから、より深い恋へ…。

もう意気地なし
私は君に何も伝えられなかった

自分だけの思いで、始まることすらなかった恋。君のことを知らないからこその恋なのか、知ったらもっと好きになる恋なのか分からないのがいいですね。

学生だからこその恋は、なんともいえない良さがあります。第3ボタンにはいろいろな説がありますが、「友達、友人」と言われる場合が多いです。

第2ボタンの「恋人、大切な人」は遠く、「友達、友人」にもなれていないからこその「第3ボタン」。思いもかわいらしいですし、曲名もいい感じです。

あとがき

3ピースで飾りのない音に、かわいらしい声と思いがのって相乗効果となっているアルバムです。決して演奏はうまくはないですが、光るものを感じます。

高校時代にこの内容でアルバムをリリースしているというのが、楽器を引く立場としてうらやましく感じました。思いだけでなく、制作しているのが強いです。

自主制作のシングル「宿題が終わらない」のリリース前に「未知の大器、高校生バンド見つけました」とメディアに取り上げられるのも納得ですよ。

バンドの進化の過程として、聞いておきたい高校卒業制作アルバムです。

SHISHAMOというバンド名も独特で1度聞いたら忘れないですが、曲はもっと聞いたら印象に残るのもいいですね。女性だからこその、いいバンドです。

 

以上、『SHISHAMO:卒業制作 ~カペリンではなく本物への過程~』でした。

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