SHISHAMO (シシャモ) 2枚目のアルバム「SHISHAMO 2」。
前作「SHISHAMO」から約1年4カ月ぶり。ベーシストが松本彩から松岡彩に変わっての初のアルバムとなりました。
松本彩の脱退は結成時から「バンド所属は20歳まで! 」と宣言をしていて、実際に脱退したのですから、有言実行で強いロック魂を感じます。
スムーズにメンバーチェンジが行われたのも興味深いですし、メンバーが変わったからこそ当然なのですが、サウンドの変化が感じられるアルバムです。
SHISHAMO 2 収録曲概要
「SHISHAMO 2」収録曲は以下の通り。
- 僕、実は
- きみと話せないのは
- 彼女の日曜日
- ともだち
- 君と夏フェス
- 量産型彼氏
- 恋愛休暇
- 昼夜逆転
- デートプラン
- 花
- さよならの季節
松本彩在籍時の1枚目のシングル「君と夏フェス」。カップリング「彼女の日曜日」が収録されているため、2人のベーシストが参加しているアルバム。
ベーススタイルが少し異なるのですが、自然とアルバムの中で絡みあっているのが面白く感じます。人選を含めてスムーズに切り替わったのが伺えますね。
前作ではベースが前に出ていましたが、今作ではギターが前に出てきて、現在のSHISHAMOのスタイルになっているのも特徴です。
僕、実は
オープニング曲「僕、実は」。(1曲目)
話し言葉のタイトルに、印象的なイントロがオープニンとしてぴったりな曲。1曲目はアルバムの導入に重要ですから、一気に引きつけるのはいい感じです。
毎晩僕の携帯は
君のため息をひたすら届ける
情景が浮かんでくるような歌詞。君が別れたあの子の話を聞き上手になって聞いているけれど、君とあの子が別れた原因は自分にあるんです。
だからこそ曲名が「僕、実は」。すごく面白い! 友情か、恋愛を取るのかは人それぞれですが、その後がどうなったのか気になる曲です。
歌詞だけ見てもとても興味深いですので、見てみることをオススメします。
きみと話せないのは
素直に好きな気持ちを表に出せない「きみと話せないのは」。(2曲目)
好きが強いからこそ、照れを感じる曲。この曲を聞いていると、少年アシベのスガオくんを思い出してしまいます。気持ちが表に出せないんです。
素直になれないのは、若さがあるからこそかなと感じました。
誰よりも繋がっていたい君とは
用事がなくちゃ 連絡なんてできないの
君が特別だからこそ、いろいろ考えてしまう思い。自分が大人になっているからこそもどかしくも感じますが、こういう時があったなと思い出しました。
もう少し時がたてばきっと進める、一歩踏み出す前の気持ちが気になる曲です。
君と夏フェス
1枚目のシングル「君と夏フェス」。(5曲目)
初代ベーシスト松本彩の最後の作品となりました。インディーズ時にお試しCDはありますが、脱退前にシングルも出せたのは良かったですよね。
特に1枚目は何もない限りは、オリジナル・メンバーが似合います。残るメンバーも分かっていての、脱退前のリリースだったんじゃないかなと思いました。
少し笑って君は言う
新しい君が見れたから
はしゃぎすぎちゃった私を見て、この優しい言葉。「この夏よ 終わらないでよ」という思いが、伝わってきます。もっと好きになっちゃいますよね。
変わらずに好きでいてくれること、音楽の趣味が近いと恋愛はびっくりするほど上手くいくので…。聞いていていいな、うらやましいなと感じてしまいました。
量産型彼氏
2枚目のシングル「量産型彼氏」。(6曲目)
ベーシストが松岡彩に変わってからの、初作品。加入してすぐに音源を出せるというのは、バンドは止まることがないんだと証明ができます。
事前に曲ができているからこそできたことだと思いますが、ビジュアルはもちろん、ベーススタイルが少し異なるのがMVを見ていて興味深く感じました。
男性目線の歌詞で、1度は思う気持ちが表れた曲です。
むしと僕の方がいんじゃないかと
だから何だ、って話だけど
好きになる人がフリーであればいいんですが、魅力があるから好きになります。好きになった時に彼氏がいるのは、よくあるから思ってしまう気持ち。
同時に、あの人(彼氏)につけいるすきがないのも気付くからこそ、今から僕じゃ無理なのも知っている…。男心がうまく表現されている、いい歌詞ですね。
きっと「君を好きになる人 = 量産型彼氏」。どこにでもいて特別なあの人(彼氏)とは違うからこそ、量産型という意味かなと感じました。面白い曲です。
恋愛休暇
曲名から気になってしまう「恋愛休暇」。(7曲目)
恋愛はいつもうまくいくわけではないからこそ、恋愛をするのを休みたくなる。女性はもちろん、男性もこの歌詞の気持ちは共感できるんじゃないでしょか?
気になっていた人でも、実際ちゃんとしゃべってみたらイメージが違った。私とは、僕とは合わないなんてことはよくあること。
もう恋愛はしない! ではなく、恋愛はパワーを使うからこそ、今は休みたくなる時もありますよね。恋愛を休みたい曲はあまり聞かないので、興味深いです。
刻むだけのシンプルなリフが、この曲の思いにピッタリとはまっています。
花
ポップな2ビートが気持ちのいい「花」。(10曲目)
爽やかでポップな曲調とは裏腹に、浮気をされてしまう切ない思いが聞ける曲。ポップな曲に、この歌詞をのせてくることにセンスを感じます。
この歌詞を重い曲にのせてしまったら、とてつもなく暗くなるので…。花屋で働くあの子の元に行ってしまうから、「花」。いい曲名です。
もうどこにも行かないと約束して
花のように枯れたりしないから
浮気をされたのに、もうどこにも行かないでとは、一見はけなげに聞こえます。ですが、その後に「花」をかけてくるのは、めっちゃ怒ってますよね…。
タメのあるギターソロが心の中の本心を表しているようで、興味深いです。
さよならの季節
アルバムのラストを飾る「さよならの季節」。(11曲目)
はかない思いだけの恋が終わりをつげる曲。男性でもあるんでしょうけれど、学生の時に年上を好きなのは、女の子の方が多い気持ちかもしれません。
思いを伝えていないから完全に片思いであるのですが、聞いていてもMVを見ていても青春の恋を感じる曲。学生の時だからの恋ですよね。
ねえ先輩 先輩 先輩
ねえ先輩 私のことを決して忘れないでね
サビ終わりにパターン違いである歌詞ですが、この部分には違う意味も込められていると思います。伝えていない恋であれば「忘れないでね」はないですよね。
これは卒業(脱退)でバンドから離れていく、松本彩へのメッセージが込められているように感じました。そう考えると、忘れないでねがしっくりときます。
一緒にレコーディングした2曲も含まれていて、新しいメンバー松岡彩のプレイでこの曲が収録されているのは、とても興味深いなと感じてしまいました。
いろいろな解釈の要素を含まれているのも、SHISHAMOの面白いところです。
あとがき
松本彩の脱退、松岡彩の加入と、切り替わりのアルバム。見た目もサウンドも少しずつ変わりつつも、バンドが継続していくというのもいいですよね。
これは意図はなく偶然のような気もしますが、1枚目「SHISHAMO」と2枚目「SHISHAMO 2」のリリース間隔が「1年と111日」なんです。
1だけで数えると、松本彩も含めて4になる。バンドの切り替わりのアルバムとして、内容を含めてすごく興味深く、面白いなと感じてしまいました。
SHISHAMOは曲、演奏、詞どれをとっても、興味深く面白いバンドです。
以上、『SHISHAMO:SHISHAMO 2 ~ありがとうとこれからよろしくね~』でした。
SHISHAMO 関連記事
2013/1/13 release Album
SHISHAMO:卒業制作 ~カペリンではなく本物への過程~
2013/11/13 release 1st Album
SHISHAMO:SHISHAMO ~私たち音楽を思いっきり楽しんでます~
2015/3/4 release 2nd Album
SHISHAMO:SHISHAMO 2 ~ありがとうとこれからよろしくね~ ←今ココ
2016/3/2 release 3rd Album
SHISHAMO:SHISHAMO 3 ~3本の矢が1つになり強くなった~
2017/2/22 release 4th Album
SHISHAMO:SHISHAMO 4 ~前に進むことが私たちにできること~
2018/6/20 release 5th Album
SHISHAMO:SHISHAMO 5 ~この思いをあなたにも聞いてほしいの~
2020/1/29 release 6th Album
SHISHAMO:SHISHAMO 6 ~君がいるから私は自然体でいられる~
2020/5/13 release Digital Single
SHISHAMO:明日はない ~自分の心に嘘をつく行動はもうしたくない~
2020/5/26 release Digital Single
SHISHAMO:妄想サマー ~いつ会えるかな? 私だけのダーリン~
2020/12/2 release Digital Single
SHISHAMO:人間 ~満たされないからこそ、求め続けるの~
2020/12/23 release Digital Single
SHISHAMO:明日の夜は何が食べたい? ~君のためだけに作るから~
2021/2/24 release Digital Single
SHISHAMO:君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!! ~君が好きだよ~
2021/3/10 release Digital Single
SHISHAMO:壊したんだ ~あなたを守れなくてゴメンね…~
2021/12/1 release Digital EP
SHISHAMO:ブーツを鳴らして ~寒さを吹き飛ばす温もりを~
2022/2/9 release Digital Single
SHISHAMO:狙うは君のど真ん中 ~そのハートを撃ち抜いてやる~
2022/3/16 release Digital Single
SHISHAMO:春に迷い込んで ~あの人への思いがまだ残ってる~
2020/12/27 release Digital Single
常田真太郎(スキマスイッチ)×SHISHAMO:天才の種~ここに咲いた~
JOE (ジョウ)
最新記事 by JOE (ジョウ) (全て見る)
- Arch Enemy:Sunset Over The Empire ~夜明けの先にあるのは…~ - 22年5月21日
- Rina Sawayama:This Hell ~届いたのは直行便の招待状~ - 22年5月20日
- Rainych:Zankyou Sanka ~消せないならぶつけて変えてやる~ - 22年5月19日
- 鬼頭明里:怪物 – from CrosSing – ~確実に僕の中にある強い感情~ - 22年5月18日
- 楠木ともり:もうひとくち ~その先を少しでも早く知りたくて~ - 22年5月17日
コメント