Rina Sawayama:SAWAYAMA ~私がこれから作っていく音~

Rina Sawayama:SAWAYAMA洋楽レビュー
洋楽レビュー

Rina Sawayama (リナ・サワヤマ) 1枚目のアルバム「SAWAYAMA」。

EP「RINA」から2年半。拠点としている海外だけではなく、シワジワと国内でも注目を集めてきている、イギリスで活動する日本人シンガー。

「RINA」とは別の意味でインパクトのある、宇宙人っぽい形で目を引くジャケット。聞こえてくる音はそれ以上に印象的な内容と、面白い音楽は注目です。

SAWAYAMA 収録曲概要

「SAWAYAMA」収録曲は以下の通り。

  1. Dynasty
  2. XS
  3. STFU!
  4. Comme des Garçons (Like the Boys)
  5. Akasaka Sad
  6. Paradisin
  7. Love Me 4 Me
  8. Bad Friend
  9. Fuck This World (Interlude)
  10. Who’s Gonna Save U Now?
  11. Tokyo Love Hotel
  12. Chosen Family
  13. Snakeskin
  14. Tokyo Takeover

14曲目は日本盤のみのボーナス・トラック。これがまた、面白い曲。1枚目のアルバムだからこそ入念に時間をかけたと思いますが、捨て曲のない内容。

日本人であっても、聞こえてくる音は完全に洋楽。それでも自然と無理なく邦楽の要素が所々に含まれているの興味深く、彼女の個性となっています。

デビューとしては決して早くはなくても、今後の活動が楽しみになる内容です。

Dynasty

始まりを告げる「Dynasty」。(1曲目)

「Dynasty = 王朝」。新しい世界を作っていく宣言のような形は、1枚目のアルバムの始まりにふさわしい曲。少し t.A.T.u.を思わせるメロディーも面白い!

Won’t you break the chain with me?

「一緒に鎖を切っちゃわない? 」。決められた枠の中を行くのではなく、私だからこそ表現ができる世界をという感じでしょうか。

海外で幼い頃から暮らし、活動している彼女だからこそ、説得力がある形。歌詞は英語ですが、歌謡曲というか、日本の要素も含まれているのもポイントです。

XS

もう少しだけ「XS」。(2曲目)

Moreではなく、XSとしたことに、女性らしさとセンスを感じる曲。服のサイズで”もう少し”の意味を表現するのは、歌詞を見るとなるほどです。

Gimme just a little bit (More), little bit of (Excess)

「ほんの少しだけ(もっと)、少しだけ(過剰に)」。少しだけといいながら、もっとを感じさせる。1つでも手にしたら、やっぱり要求は増えていきますから…。

時折入る低音サウンドが、過剰となる欲求を表現しているかのよう。聞いていてくせになりますし、表現している世界がとても面白い曲です。

STFU!

タイトル通りに思いと音が過激な「STFU!」。(3曲目)

STFUとは「Shut The Fuck Up = 黙れ」の意味を指すスラング。女性からの男性に対する怒り。言いたいことはたくさんあるという感じが、ちょっと怖い…。

Like the first time, please

「初めてのようにお願い」。最初は優しくても、慣れていくことによって空気のような存在に。それって、私が望んでいることじゃないから! という感じ。

言葉に出さずに思いを溜め込む女性も多いからこそ、最初に出会った頃のように私を扱ってねというのは、人として当然の思いなのかもしれません。

怒りの中に含まれる丁寧語。思いが深いこと感じさせるとともに、男性からしたらマジで怖い! と感じる人も多そう…。面白いテーマの曲です。

Comme des Garçons (Like the Boys)

卑下ひげにではなく、個性に自信を持てばいいんじゃない? の思い「Comme des Garçons (Like the Boys)」。(4曲目)

日本でもブランド名が入った「香水」という曲がヒットしていますが、少し意図が異なる扱い方。アーティストによって、表現が異なるのが面白く感じます。

Like the boys, like the boys
Comme des garçons
I’m so confident

「男の子のように。コムデギャルソン。私は自信があるよ」。男性だから、女性を好きになる必要もない。好みなんて、人それぞれだからという形かなと。

ゲイがどうこうでなく、「それってカッコいいじゃん! 」 というのが、背中を押してくれる。難しいテーマと自然に表現しているのはセンスなのでしょう。

「Keep going and going」部分が、一聴では「聞こえる声」と空耳で聞こえるのも、聞いていて面白く感じました。

Bad Friend

いろいろな解釈ができる「Bad Friend」。(8曲目)

現実としても、仮想空間上であっても大きな影響を受ける友だち。良いだけではなく、悪い友だちと表現するのがなんとも面白い世界観の曲。

歌詞を見ていると女性にも思えますが、男性目線といえるもの。面白い選択。

We were best friends forever, but the truth is

「俺たちは永遠に親友だったけれど、真実は…」。友だちに影響を受けるのは良いこともありますが、悪いこともあるのが当たり前のこと。

それを嘆くのではなく、懐かしく楽しんでいるように自分には聞こえました。悪い友だちだけど、自分には欠かせない存在。だからこそ友情なのでしょう。

ドラマ仕立てのMVは面白いので、見ることをおすすめします。女性でこの表現はやろうと思っても、あまりできることじゃありません。コントの感じ?!

Fuck This World (Interlude)

「RINA」にも収録されていた「Interlude = 間奏」が曲名につく「Fuck This World (Interlude)」。(9曲目)

メタルでなら分かりますが、女性アーティストが選択するには過激なタイトル。ただし、込められた思いはきっと異なるであろうのが、興味深く感じます。

Fuck this world, I’m leaving you

「この世界は◯ァック。あなたをここに残していく」。ミュージシャンとして考えると、残していくのは人ではなく自分が生み出した曲のことでしょうか。

現在も毎日にようにたくさんの曲が作られ公開されますが、全てがいいとは限らないのが音楽。正直◯ァックのような物も多い。聞く価値もない感じ。

個人として楽しむのはありでも、共有という意味では異なる曲もあります。

But it’s worth trying

「でも、それは試してみる価値がある」。ミュージシャンならではの考えであり、忘れてはいけないこと。「Interlude = 間奏」の意味も想像できます。

音楽を聞くだけでなく、演奏もする人の方が響いてくる曲の気がしました。

Tokyo Takeover

ボーナス・トラック「Tokyo Takeover」。(14曲目)

日本語がメインとなる曲。だからこそボーナス・トラックになったと思いますが、面白いサウンド。海外アーティストが、日本語で歌ったのとは異なる形。

死ぬまでラッキーなんだよ (Wherever you go)
大人でハッピーなんだから

どこに住んでいたって、楽しめるんだと言っているのかなと。日本だと東京が首都であり中心地でありますが、海外を含め制限をつける必要はないという感じ。

邦楽であれば基本避けるであろう、主旋律にコーラスを被せてくる形。これも決まった形にこだわらなくたっていいんじゃない? の思いのように聞こえました。

海外の人も分かるであろう地名もたくさん出てきますし、ボーナス・トラックにしておくのはもったいない曲かも…。遊びの要素は、余裕をも感じさせます。

あとがき

「RINA」も興味深いEPでしたが、完全に越えてきたという内容のアルバム。どこの出身というのではなく、海外の方に支持をされるのも分かります。

ところどころでオマージュした音を含みつつ、彼女の中で消化して表現する音。歌メロが分かりやすいというのは、聞いていてしっかりと耳に残ります。

とはいえくどさがないので、繰り返して聞けるのは大きなポイント! プラスして、完全に洋楽なんですけれど、日本人ならではの要素も感じられる内容。

何よりも曲がいいので、全体を通して楽しめるアルバム。また、国内だけや、今回は特別にというのではなく、当たり前のように行う海外での活動。

音楽ファンとして興味深いですし、応援したくなります。とてもいい内容のアルバム。表現する世界も面白いですし、洋楽初心者にもオススメです。

 

以上、『Rina Sawayama:SAWAYAMA ~私がこれから作っていく音~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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