逢田梨香子 (あいだ りかこ) 1枚目のアルバム「Curtain raise」。
デビュー作のEP「Principal」。シングル「for…」を経て遂にリリースとなった、彼女のソロアーティストとして始まりの集大成。
Aqours としてグループでの音楽活動だけでなく、一人でも要注目の存在であるんだと実感させてくれる内容です。
Curtain raise 収録曲概要
「Curtain raise」収録曲は以下の通り。
- Curtain raise
- Mirror Mirror
- for…
- Lotus
- REMAINED
- 光と雨
- ME
- FUTURE LINE
- Dearly
- ステラノヒカリ
- Tiered
- ORDINARY LOVE
タイトル曲のインストゥルメンタル「Curtain raise」で幕を上げるアルバム。大げさなものではなく、カーテンという毎日のことである必然であること。
最後は「ORDINARY LOVE」で終わるという、自然体。声優さんだからといってアニメよりでもなければ、違うよと突き放したわけでもない内容。
誰だからではなく、単純に音楽として聞いて楽しめるアルバムです。
逢田梨香子という人がどんなアーティストなのか、無理なく提示したような1枚。最初のアルバムでこの表現ができるのは、やっぱり只者ではありません。
Mirror Mirror
インストゥルメンタル「Curtain raise」から自然とつながるように始まる「Mirror Mirror」。(2曲目)
大人の女性だからこそ表現ができる曲。鏡に問いかけるのはある意味で自信のなさですが、変わっていきたい思いの強さだとも感じさせます。
鏡よ鏡
正しいのは ねぇ 誰
君は誰
問いかけても鏡に映るのは自分だからこそ、きっと永遠に解決することのない悩み。反転して映るからこそ全てが同じでなく、「君は誰」となるのかも…。
いろいろな役を声で表現する声優。曲そのものには関係ないですが、歌詞を見ていてつながりが面白い世界観だなと感じてしまいました。
なりきるのか、根本から変わるのか。アルバムの始まりには特に難しいテーマですが、もっている雰囲気も含めて興味深い曲です。
Lotus
アルバムのリード曲で、本人が初の作詞をした「Lotus」。(4曲目)
何かを始めても、うまくいかないことの方が多いのが現実。それでも諦めるのではなく、自分らしくあり続けたいとの思いでしょうか。
また始めよう もう1度 この場所で
人知れず咲いた、この花のように
極楽浄土に咲く花とされる「Lotus = 蓮」。清らかに生きる象徴のように自分に嘘はつかず、何度でも諦めたくない思いのように聞こえました。
「行くぞ!」と気合を入れるのではなく、自分らしく。表面的ではない、強さを感じさせてくれます。手直しは入っているでしょうけれど、興味深い歌詞です。
REMAINED
戻ることのないキミとの恋を歌った「REMAINED」。(5曲目)
私にはまだ思いが残っている失恋であるからこそ、切ない歌。何をしても戻らないことを知ってしまうからこそ、思いがより寂しくなります。
幸せな時間は
鮮やかなほど胸を指すの
幸せが当たり前だったからこそ切なく、思い出してしまう情景。キミを触れた時のぬくもりは、もう二度と感じられないのを徐々に実感していくから寂しい…。
聞いてすぐにではなく、じわじわと心に入りこんでくる曲。感情がのった歌声に対して演奏は無機質な音だからこそ、悲しさがより大きくなります。
ME
ありそうであまりないシンプルな曲名の「ME」。(7曲目)
私らしくありたいと歌った曲。身勝手になるんじゃなく、偽りがないありのままという感じ。素直になるという表現が一番近いのかも…。
本当は怖いけれど
前を向いていたいから
自分を出すというのは、怖いもの。だからといって諦めるのではなく、前を向きたいからというのは、大きな原動力になりそうです。
人はそれぞれが違うのですから、自然な状態であるのは必須なこと。分かっていてもできない人が多いからこそ、まずは私からという思いなのかもしれません。
聞いていて、一言ごとの言葉の響きが気持ちがいい曲。いい歌声です。
Dearly
親愛なるあなたへ向けての歌「Dearly」。(9曲目)
あなたは私にとって大切な存在。言葉では照れて言えないくても、歌としてなら伝えられる思いは歌声も含めて優しく、聞いていると安らぎます。
愛しい多いをこめ
「ありがとう」伝えたい
たった一言であるのに、実際に言えない人も多い言葉。親愛なるあなたにだからこそ、素直に伝えることが大切なのかもしれません。
人はエスパーではないですし、特に感謝については言葉に出さないと伝わらないことが多いですから。聞いていると大切な人を思いだしてしまう曲です。
Tiered
やなぎなぎ 作詞作曲「Tiered」。(11曲目)
突飛なことはせずとも印象的な曲を書く人ですが、このアルバムの中でも同様。しっかり表現する歌い手があるからこそですが、引き込まれる世界です。
微かな想い
見つからなくてもいい
部分的だと寂しくも感じますが、全体で見ると印象が変わる歌詞。「Tiered = 階層化」というのは、小さくても積み重ねることを表現しているのかも。
誰かに肯定されるでもなくても、自分の中で想いが増えていけばいい。聞く人によって印象が変わってくると思いますが、聞くほどに興味深い曲。
こうでなければいけない! じゃないのが、面白みを増していそうです。
あとがき
1枚目のアルバムとして、できることを全てしたんじゃないかと感じられる内容。表現している幅は広いのですが、無理をした形でないのもポイント!
逢田梨香子という人を知らなければ、声優さんのアルバムとは気付かないかも…。アニメから離れるのではなく、無理に寄せなかったという感じです。
それだけに1部にだけでなく、多く人にアピールできる内容。今後がどうなるかは分かりませんが、最初だからこそ自然な内容である必要があった気がします。
ビジュアルは文句なしに超が付く美人ですし、歌声、表現力も興味深い存在。近い将来1曲でも突き抜ける存在と出会えたら、さらに開花してくれそうです。
この1枚でカーテンが上がり、開けていく世界。パーソナリティも興味深い逢田梨香子ちゃん。ソロでの音楽活動も、多くの人の気になる存在になりそうです。
以上、『逢田梨香子:Curtain raise ~私は間違いなくここにいるよ~』でした。
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