Revolution Saints (レヴォリューション・セインツ) 3枚目アルバム「Rise」。
前作「Light in the Dark」から、約2年4カ月ぶりとなりました。メンバーそれぞれが他の音楽活動もしながらも、コンスタントなリリースをしてくれます。
最初はディーン・カストロノヴォのソロ・プロジェクトの予定が、1枚目からバンドになったレヴォリューション・セインツ。今は完全なるバンドです。
メンバーの関係が友好であること、楽しんでバンドをしているのが伝わってきます。バチバチのロック・バンドもカッコいいですが、友好なのもいいですね。
Rise 収録曲概要
「Rise」の収録曲は以下の通りです。
- When the Heartache Has Gone
- Price We Pay
- Rise
- Coming Home
- Closer
- Higher
- Talk to Me
- It’s Not the End (It’s Just the Beginning)
- Million Miles
- Win or Lose
- Eyes of a Child
- Talk to Me (Deen’s Vocal Version) [Bonus Track]
今までの2枚のアルバムと共通して前半により強力な曲がそろっていますが、アルバム通しての楽曲のレベルの高さに驚かされます。
バンドとして求められることを表現しつつ、過去2枚にはなかった面も聞けますので、聞いていて1番変化と面白さが感じられるアルバムです。
メロディアスなハードロックが好きであれば、聞かないのは損していますよ。
When the Heartache Has Gone
オープニング曲の「When the Heartache Has Gone」。(1曲目)
一気に聞き手を引きつける曲は、希望を感じさせる曲です。既存の2枚のアルバムと同様に、アルバムのオープニング曲は完全なキラー曲になっています。
You’ll find all the answers
When the heartache has gone
「あなたは全ての答えを見つけるよ。心の痛みがなくなった時に」。希望を感じさせてくれる歌詞です。迷いを感じている人への応援歌でもあります。
シンプルな構成の曲なのですが、しっかりバンドの個性が出ている曲です。
Price We Pay
「私たちが支払う価格」と印象的な曲名の「Price We Pay」。(2曲目)
「When the Heartache Has Gone」とは雰囲気が一気に変わる曲です。何に対しても時間であったり、お金だったり対価がいるんだという感じでしょうか。
だからこそ、悲しい選択をしないようにねと言っている気がしました。歌詞のテーマが少し難しいですけれど、いろいろと考えさせられる曲です。
この曲を聞いていても分かりますが、アルバムに変化を感じるのは、ジャック・ブレイズの歌のパートが増えたのもありますね。変化が強みになっています。
Rise
アルバム・タイトル曲の「Rise」。(3曲目)
曲名「Rise = 上昇」からのイメージと聞いたイメージが変わる曲です。上げ上げの曲かと思いきや、チャンスの選択への問いかけがある感じになっています。
女性の選択がキーとなっている曲で、この曲は1曲目、2曲目も含めて3曲のストーリーがセットと考えた方がしっくりとくる気がしました。
1曲ではなぜこの曲がタイトル曲? と思うかもしれませんが、セットと考えるとしっくりきますよ。しっくりくるには、歌詞も含めて見るのをオススメします。
Coming Home
優しいメロディーのサビが印象的な「Coming Home」。(4曲目)
あなたにも私にも変える場所があるというのが、ステキな曲です。あなただけや私だけでなく、両方であるからこそ優しさがあふれる曲になっています。
There’s so much the left to gain
「まだ得るべきものがたくさんあるよ」。単に帰る場所があるだけでなく、あなたと私が帰る場所には得るものがあるというのは、帰りたくなりますよね。
得られるものは物なのか、愛なのか、友情なのかは分かりませんが、帰る意義ができるんです。あなたも私も1人じゃないからと言っている気がしました。
歌詞に込められた思いとともに、ポップで優しいメロディーが聞ける曲です。
Closer
ロックバラードの「Closer」。(5曲目)
「closer」を単語だけで見ると「閉じるや閉める」を想像してしまいますが、この曲の場合は「親しい」ですね。関係が終わるのではありません。
歌詞にも出てきますが、「close relation = 密接な関係」という感じですね。密接な関係でありたいとは、全ての人に対してです。
「なぜ手を取り合うことができないの? 」と、平和を望む曲であるように感じました。だからこそ「Are we closer = 俺たちは親しいの」じゃないかなと。
聞く人によっていろいろな解釈ができそうな曲であり、優しい曲です。
Talk to Me
男性ならでは優しさがあふれている「Talk to Me」。(7曲目)
何をするよりも先に、「話を聞くよ」というのが優しさを感じます。
Talk to me let me
Hear all the words you want to say
「俺にはなして。君の言いたい全ての言葉を聞くから」。大人の男性の優しさですよね。女性ボーカルがゲスト参加しているのが、歌詞にもぴったりです。
ボナストラックでゲスト不参加バージョンも収録されていますが、オリジナルの方が聞いていていい感じがしました。「話を聞くよ」がより心に入ってきます。
Eyes of a Child
ボーナス・トラックを除くとアルバムラストを飾る「Eyes of a Child」。(11曲目)
今作で1番聞いていて意外性のあった曲です。びっくりしたのはジャック・ブレイズがボーカルを取っているからですが、これがいいロックバラードです。
レヴォリューション・セインツはバンドであってもディーン・カストロノヴォがメインボーカルが崩さない軸だと思っていましたので、びっくりしました。
「Eyes of a child = 子どもの目」と付けられた曲は、歌詞を見ていくと子どもの目とは、純真な心を指している気がしました。少しだけ意味深長な曲です。
We all know the past
And we all have the scars
「私たちはみんなの過去を知っている。そして私たちは傷跡を持っている」。意味深長に感じたのは、それぞれのメンバーに当てはまりそうだからです。
その上で、「Eyes of a child = 子どもの目」ですから…。
アルバムラストであるのも、興味深いです。この曲きっかけでレヴォリューション・セインツの第1章が終わり、新しい世界を見せてくれるかもしれません。
あとがき
既存の2枚の延長線もありながら、新しい要素も聞かせてくれたアルバムです。メンバーのそれぞれのキャラクターも、より濃くなっています。
メロディアスなハードロックバンドは多いですが、狙いすぎていてくどくなることも多いです。その点レヴォリューション・セインツは聞かせ方がうまいです。
聞いていて文句の付け所のない、レヴォリューション・セインツ。ただし、今作の表示した歌詞が全部つながっているのだけは、勘弁してほしかったです。
小説ではなく歌詞はパートごとの短文なので、鬼のように見づらかった…。聞いたりギター他をコピーするだけでなく、歌詞の世界観も見たいですから。
3枚のアルバムで曲数も十分にありますし、どこを切り出してきても良曲がそろったバンドです。来日公演を期待したいしちゃいますね。
以上、『Revolution Saints:Rise ~チャンスがあるならつかみ取るまで~』でした。
Revolution Saints 関連記録
2015/2/20 release 1st Album
Revolution Saints:Revolution Saints ~歌と曲で革命を起こす~
2017/10/4 release 2nd Album
Revolution Saints:Light in the Dark ~俺たちが光を照らしてみせる~
2020/1/24 release 3rd Album
Revolution Saints:Rise ~チャンスがあるならつかみ取るまで~ ←今ココ
JOE (ジョウ)
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