Red (レッド) 7枚目のアルバム「Declaration」。
前作「Gone」から約2年5カ月。リリース元が変わったことに加えて、「Declaration = 宣言」というタイトル。
ジャケットの印象も今でと異なったりと、変化を感じるアルバムです。
Declaration 収録曲概要
「Declaration」収録曲は以下の通り。
- All for You
- Infidel
- Cauterize
- The War We Made
- The Evening Hate
- Float
- The Victim
- Sever
- Only Fight
- From the Ashes
10曲で38分とコンパクトなアルバム。先行でリリースされたEPの曲が核になっているのですが、曲が増えることでより色濃くなっています。
ボーカル マイケル・バーンズの歌声に重さが増えているのも、特徴です。
All for You
オープニングトラック「All for You」。(1曲目)
“あなたのために”とラブ・ソングのようなタイトルですが、全く異なります。切なさと寂しさを感じる曲。
Why was I scared of you?
Why did I let you control my life?
「なぜ私はあなたを怖がらせたのか? なぜあなたに私の人生をコントロールさせたのか?」。後悔の思い…。シャウトがあるからこそ、より切なく感じます。
Infidel
壊れていく感情が聞ける「Infidel」。(2曲目)
徐々に変化していく感情。壊れていくからこそ変わっていくのが分かるので、歌詞を見ることをオススメします。激しいけれど、切なさが痛い…。
Now I wanna hear you scream
「今あなたが悲鳴をあげるのを聞きたい」。まさに「Infidel = 異端者」。暗黒面に落ちて行く様子が分かる曲は、共感できる方も多いはず。
ローが強めですが、必要性のある低音。重さが必要な曲です。
The War We Made
先行EPにも収録されていた「The War We Made」。(4曲目)
自分たちで争いを作ったことを嘆く思い。”?”が多いのも、なんでこんなことになってしまったの? と寂しさを感じます、
You can’t fight the war we made
「あなたは私たちが作った戦争を戦うことはできない」。一緒に戦う必要はないというよりも、争いに加わらないで! という強い思いに感じます。
これでもかという切ない思いは、グサグサっと心に刺さらずにはいられません。
The Evening Hate
憎しみが増えて行く思いを歌った「The Evening Hate」。(5曲目)
暗くなっていく中で強くなる思い。日が登る明るさであれば開放へと向かいますが、夜になる中でさらにというのは気持ちが分かります。
My mind, breaking
「俺の心、壊れる」。Redの歌詞の特有ですが、難しい言葉や分かりづらい表現を使わないからこそ、ストレートに思いが伝わってきます。
Aメロは押さえてジワジワとためることで、怒りの重みが分かりますよ。
Sever
歌詞を見ればみるほどに切なくなる「Sever」。(8曲目)
誰かと助け合ってではなく、一人で生きていくことを選択。本意とは異なる思いが伝わってくるからこそ、より切なさを感じずにはいられません。
Sever these fraying ties
Cannot replace this life forever
「ほつれた絆を断ち切る。この人生を永遠に変えることはできないから」。思いが分かるだけに、寂しい考え。
よくある助け合って生きていこう。あなたがいるからこそ強くなれるんだという思いの曲とは、180度異なる曲。それだけに興味深いです。
From the Ashes
アルバムのラストを飾る「From the Ashes」。(10曲目)
先行EPのタイトル曲ですが、アルバムの中に入ると聞こえ方が変わりました。他の曲があることでより、思いの強さを感じます。
We are fighting to survive (I’ll never break)
「俺たちは生き残るために戦っている (決して壊れない)」。声に出してと、心の中にある思い。折れることのない強さを感じます。
もともと嘆きのようなシャウトは多いバンドですが、特にこの曲では決して負けないだ! という「Declaration = 宣言」のように聞こえました。
誰かの助けを求めるでも信じているでもなく、自らの奮起ですね。
あとがき
聞いていて寂しさを感じるのは、今までのアルバムと同様。それでも感情がさらに揺さぶられるのは、重みが増したからでしょうか。
切なさと痛みを聞いていて感じるのに、繰り返して聞いてしまう。他のジャンルにはない、ロックだからこその良さを感じました。
ロック好きは切ないのが好きな方は多いですから、1度聞けば気になってしまう方は多いと思います。Redは日本でももっと評価されていいバンド。
実力は折り紙付きですし、大きなフェスへの参加などで目に触れることができれば、大きく化ける要素を持っていますよ。
以上、『Red:Declaration ~自分で負けを認めることは決してない~』でした。
JOE (ジョウ)
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