Poppy:I Disagree (more) ~私はかんたんにイエスとは言わないわよ~

Poppy:I Disagree (more)洋楽レビュー
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Poppy (ポピー) 3枚目のアルバム「I Disagree (more)」。

前作のEP「Choke」から6カ月強の短い間隔で、2020年1月にオリジナル。今作はシングル「Khaos x4」のリリースを機に、曲を追加した改定盤。

オリジナル盤をこえてきた、インパクトのジャケット。存在自体が面白いPoppyですが、収められている音も刺激的な”カワイサ”です。

I Disagree (more) 収録曲概要

「I Disagree (more)」収録曲は以下の通り。

  1. Concrete
  2. I Disagree
  3. Bloodmoney
  4. Anything Like Me
  5. Fill the Crown
  6. Nothing I Need
  7. Sit/Stay
  8. Bite Your Teeth
  9. Sick of the Sun
  10. Don’t Go Outside
  11. If It Bleeds
  12. Bleep Bloop
  13. Khaos x4
  14. Don’t Ask

10曲目までがオリジナル。11〜14曲が追加された曲。改訂盤が後から追加されるのは洋盤ではよくあることですが、「(more)」の表現も面白い。

いわゆるボーナス・トラックではあってもオマケではなく、続きを感じさせる世界。スティーブ・ジョブズの「One more thing」に近いかも…。

独自の解釈で日本の「カワイイ文化」を含めつつ、表現を増やしていくPoppy。「I Disagree」の2段目のロケット点火のための「(more)」となっています。

Concrete

メタルとポップが融合した「Concrete」。(1曲目)

ロックならば石ですが、コンクリートという表現からして面白い曲。リフは完全にメタルであるからこそ、引き込まれてしまいます。

Watch me while I sleep for eternity

「ずっと寝ている間、私を見ていて」。甘いもの誘惑には自分も含めて勝てない人が多いと思いますが、それでも誰かじゃなく常に私を見ての欲求でしょうか。

歌詞も面白い独占欲。もしくは承認欲求の気持ちは、逆にかわいらしい。初期インパクトの大きき曲は、アルバムのオープニングにピッタリです。

I Disagree

アルバム・タイトル曲「I Disagree」。(2曲目)

冒頭から「わたしはあなたにどおいしません」。Poppyの曲にはちょいちょい日本語が出てきますが、やっぱり日本人にとってインパクトがあります。

特殊な言葉でもワンワードでなく、一文となっているのもポイント!

We’ll be safe and sound
When it all burns down

「私たちは安心安全。全てが燃え尽きた時にね」。思い通りにならなら全てを燃やしてしまえばいい! というのが、ポップにはないメタルの感情。

自分の中にめ込むのではなく、思いを言葉に出して言おうよ! ということなのかも…。

Bloodmoney

何を信じるの? と、問いかける「Bloodmoney」。(3曲目)

言葉を吐き出すような歌い方も含めてラップメタルの要素は、普通のポップアーティストなら出てこないタイプの曲。聞いていて面白いです。

Beg for forgiveness from Jesus the Christ

「イエス・キリストからの赦しを請う」。自分に自身が持てなくなった、よく分からなくなった時は、神頼みでもいいんじゃない? とも受け取れました。

迷いを表現しているようなオクターバーをかけたギター・ソロは、カッコいい! テーマとしてもですが、演奏も面白い曲です。

Anything Like Me

特にアルバムの中でメタル要素が大きい「Anything Like Me」。(4曲目)

歌声をしてはかわいらしさもありますが、重さがあるのは自身へのメッセージだからでしょうか。心の中にいる、弱さと悪意を持った自分への言葉。

You shouldn’t be anything like me

「あなたは私のようになってはいけない」。理想とは異なる自分になってしまうことを知っているからこそと考えると、しっくりときます。

MVが多くあるアルバムですが、他とは趣向が大きく異るのも興味深い。メインになる曲ではないでしょうけれど、持っている重要度は大きそうです。

Fill the Crown

心の声が重なってくような表現が興味深い「Fill the Crown」。(5曲目)

自分や女性ではなく、男性の声と重なっているのが感情を表しているように聞こえる曲。半ば誘惑のような誘い方は、悪魔のささやきでもありそう。

You can be anyone you want to be

「あなたはなりたい人になれる」。言葉として言い切るのが力の象徴でもある王冠。確かに王様だったら、唯一の存在になれそうです。

それでも「Fill the Crown = 王冠を埋める」と、いろいろな状況が考えられるのが面白いところ。自由ではなく、制限であるとも感じましたよ。

Sit/Stay

デジタルなピコピコな感覚が面白い「Sit/Stay」。(7曲目)

座って留まることの意味を考えさせられる曲。落ち着くことは正しいのか、それとも逆なのかというのが興味深さにつながっています。

Welcome to the new starting line (Ooh-ah)

「新しいスタートラインへようこそ」。「ここはゴールではないのよ。もっと深みにはまっていくから」とも取れますが、聞く人によって変わってきそうです。

I will not obey you, I will not obey

「私は従わない。私は従わない」。この反抗心をどう取るの。答えは決して1つではないのが、聞いていて面白い。無機質なデジタルだからこその表現ですね。

初期の Marilyn Manson が好きそうなMVは、女性ポップアーティストとして衝撃的! 日本だと抑えがかかっちゃって、できる人はいないでしょうね。

Sick of the Sun

何も信じられなくなった思いが聞ける「Sick of the Sun」。(9曲目)

なくてはならないはずの太陽にさえうんざりというのが、切ない曲。明日という未来を見たいのではなく、消えてしまいたい思いでしょうか。

Can’t trust anyone
I want it to go away
I just wanna float away

「誰も信用できない。消えてほしい。私は飛んでいきたいだけ…」。寂しいですが絶望を感じているのではなく、別の未来を見ているようにも聞こえます。

飛ぶ、浮いて行きたい場所を何を指すかによりますが…。歌詞のメッセージとしては寂しいのに、歌声には希望を感じているようにも聞こえる不思議な曲です。

Khaos x4

「(more)」の起因となった「Khaos x4」。(13曲目)

冒頭のコーラスからしてインパクトのある曲。メタルで聞く野太さではなく、かわいらしい声だからこそ、より衝撃度を上げています。

Chaos, chaos, chaos, chaos
I’m happy that the world is gonna end

「カオス、カオス、カオス、カオス。世界が終わるのが嬉しい」。歌のメロディーがポップな曲であるから、言葉が逆に怖さに感じさせます。

受け取り方は人それぞれですが、ポジティブに受け取れば「誰もにいつかは終わりがくるのだから、楽しんじゃおうよ!」 と言っているのかも…。

聞いているだけでも気になりますが、ライブでこそ真価を発揮する曲になりそうです。

Don’t Ask

改定盤のラストを飾る「Don’t Ask」。(14曲目)

オリジナルの最後の曲「Don’t Go Outside」も寂しさが漂っていましたが、改訂盤でも同様。歌詞から見ると、さらに切なさが増しています。

If there’s one thing that’s for sure
I don’t want to talk it out

「1つ確かなことがあるとすれば、話したくないの」。だからこそ、「Don’t Ask = 聞かないで」。それでも、今はという感じでしょうか。

気持ちが落ちているから一人でいたいのという思いは、共感してしまいますよ。

あとがき

メタルの要素がある内容で、カワイイがあるのが面白い。今作でも日本語がところどころで出てきますし、初期BABYMETALを感じる人もいるかも。

改訂盤の今作の前に t.A.T.u.の大ヒット曲のカバー 「All the Things She Said」をリリース。目の付け所もですが、これがまたいんです。

オリジナルの時点で興味深かったアルバムを、さらに発展させた「I Disagree (more)」。ジャケットのインパクト以上に面白いですよ。

音も変化を含め、常に独自のカワイイを進化させていくPoppy。見逃せません。

 

以上、『Poppy:I Disagree (more) ~私はかんたんにイエスとは言わないわよ~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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