Poppy (ポピー) 配信シングル「Her」。
前作「EAT (NXT Soundtrack)」から3週間。早いタイミングでリリースされるのは、既存を引き継ぐのではない、新たな表現の形。
変化を恐れない彼女だからこそ、面白く興味深い音が聞けます。
Her 概要
Jack Off Jillのカバー「Fear Of Dying」でも聞けていた通り、表現する音楽の方向性が変わっているのが、大きな特徴。
「EAT (NXT Soundtrack)」では従来のデジタルとメタルの融合した表現でしたが、「Her」で聞こえてくるのはオルタナティブロックな音。
海外の記事ではNirvanaをチャネリングしたようなサウンドと評されていたのを見ましたが、言われてみれば確かにそうかもしれません。
時とともに表現を変えていくのは、他アーティストであれば芯がないようにも思えますが、Poppyであれば「なるほどそうきたか」と感じてしまいます。
Her
ある女の子の物語「Her」。
オルタナティブロックにのせられたストーリは、寂しさがあるもの。誰かの話しをしているようで、自分の過去のことかなと感じてしまうのもポイント!
あえて感情がないように歌うからこそ、途中のコーラスに思いを感じさせます。
Give her a face
Give her a name
That isn’ t hers
「彼女に顔と名前を与える。それは彼女のものではないけれど」。自分がなりたいではなく、与えられたものだからこそ、それは本人ではない。
ある意味で押し付けられて得たものは、たしかにそうだよねと感じさせます。
When she woke up
She ran away
「彼女が目を覚ますと、逃げ出した」。自分の意思とは異なる状況だからこそ、朝目が覚めるではない状況に気付いた時に、これではないと逃げ出す。
操られているようで、心がまだ残されていたという証明ではないでしょうか。
The girl that you knew
Will never be yours
「あなたの知っている女の子は、思い通りにはならない」。人形ではなく、それぞれが意思を持った人間。権力を振りかざす人へのメッセージだと感じます。
「her = 彼女」は機械でも人形でもなく、それぞれの意思を持つ人。個がそれであるからこそ面白く、それを大切するべきと表現しているようです。
人形劇のようなMVも印象的ですが、この曲で表現されるメッセージには思いの他に深いものがあります。
あとがき
変化をしていくからこそのPoppy。今作は「Fear Of Dying」のフォローアップシングルだと記事で見ましたが、聞けば納得してしまうものがあります。
いきなりの変化ではなく、ワンステップおいたということでしょう。それだけに、次のアルバムの方向性は今作に近いものと言っているのかも…。
おそらく構想は彼女の中にあり、既に制作にも入っていると思われますので、思いの他に早く聞ける日がきそうな気がしています。
方向性が変わるととっちからる場合も多いですが、彼女の場合は今までの音を聞いているとその心配がない形。だからこそ、この先も楽しみです。
以上、『Poppy:Her ~決して私はあなたのものにはならない~』でした。
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Poppy:Her ~決して私はあなたのものにはならない~ ←今ココ
JOE (ジョウ)
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