Poppy (ポピー) 2枚目のアルバム「Am I a Girl?」。
前作「Poppy.Computer」から1年。特徴的だったデジタルなピコピコサウンドに、生感な音が加えられた表現が追加。さらに独自色が強くなりました。
あた、この後よく利用されることになる白黒表現のアルバム・ジャケット始まりでもありますが、聞き手によって異なるであろう色を残す内容です。
Am I a Girl? 収録曲概要
「Am I a Girl?」収録曲は以下の通り。
- In a Minute
- Fashion After All
- Iconic
- Chic Chick
- Interlude 1
- Time Is Up (feat. Diplo)
- Aristocrat (feat. Garibay)
- Hard Feelings
- Girls in Bikinis
- The Rapture Ball
- Interlude 2
- Am I a Girl?
- Play Destroy (feat. Grimes)
- X
面白いのは2曲の「Interlude = 間奏」。これは歌をマイナスした形でなく、完全なるインストゥルメンタルを、アルバムでリリースしている彼女ならでは。
必要なつなぎの部分でありつつ、ちょうどいい感じの場所に収録されていることから、まるでEPが3枚連なっているようにも聞こえるのが特徴です。
また、珍しく後半の方が曲が強力になっているというのは、ポップアーティストではあまり見られない手法。さらっと普通ではないのが、興味深いところです。
In a Minute
切り替わりの時「In a Minute」。(1曲目)
行動するために行う準備。後から含まれる「Interlude」という形ではなく、「Am I a Girl?」が始まるために必要なんだよという感じでしょうか。
単曲というよりも、アルバムを通しての始まりとして聞く方が面白い感じです。
I’ll make up my face in a minute
「すぐに化粧をするから」。男性でもする人はいますが、女性が外出するために必要なこと。見た目というより、この曲では意識を高めるめる形の表現。
それが当たり前の行動だからこそ、曲も穏やかな表現だと考えると面白いです。決して特別な行動ではないんだよといういう感じ。
I haven’t done my nails in a minute
「まだネイルはしてなかった…」。すぐに行うから大体のことはできるけど、ちょと抜けちゃうこともあるの。的な感じもさらっとあるのが、ナチュラルです。
Fashion After All
私がやりたいこと「Fashion After All」。(2曲目)
アーティストであり、主に美容系のYouTuberでもあるポピー。ファッションが大好き! というのは、自然な流れ。曲もビートを含めて、おしゃれな感じです。
Do what I want
Say what I want
「私が望むことをして、ほしいことを言うわ」。マネキンのような単なる見た目だけではなく、その行動も含めてが私のトータルでのファッション。
ポピーが音楽でも表現をし続ける意味を歌っているよう。どれが欠けてもいけないと意思さえ感じさせる曲は、思っている以上に意味を持っているかも…。
Time Is Up (feat. Diplo)
![]() | 「Time Is Up (feat. Diplo)」 フルMVをApple Musicで観る |
Diplo フィーチャリング「Time Is Up (feat. Diplo)」。(6曲目)
歌詞を見たり、集中して聞いていると、少し怖さのある曲。その理由は「あなたの時間終わった」と、心がない形で言い切っているから。
感情が含まれていないのが、より増長させているというのが興味深い。
Your life is meaningless, you’re just like cockroaches
「あなたの人生に意味なんてないわ。ゴキブリみたいにね」。感情がないだけでなく、これでもかと詰めない言葉。もし言われたら、切ないでしょうね。
だた誰かに向けた言葉ではなく、自分の中にいるマイナスに引っ張る心に対して聞こえるのは、救いでしょうか。MVを見ていても、そんな気がします。
自らが変わるために、共存してはいけないからこその思い。面白い表現です。
Am I a Girl?
アルバム・タイトル曲「Am I a Girl?」。(12曲目)
私は、女の子? それとも男の子? 聞き方によっては迷いのようにも聞こえますが、性別とは関係ない部分で見てほしいという思いにも聞こえます。
Don’t evaluate me as woman or man
「私を女や男として評価しないで」。一人として、いうことかなと。…と思いきや、続きがあるので見え方がまた変わってくるんです。
I’m somewhere in between
「私はその中間にいるの」。どっちもいける口にも思えますが、私がとなると違うような気もします。きっとこれは聞くたびに印象も変わってくるのでしょう。
明確にこれ! というのがないのが、この曲の面白さかもしれません。
Play Destroy (feat. Grimes)
Grimes フィーチャリング「Play Destroy (feat. Grimes)」。(13曲目)
続く「X」も含め、現在のポピーの表現あ含まれる曲。歌メロはポップでも、笑顔で平然と人を殴るかのような歌詞は、しっかりと爪痕を残します。
This is how we play
This is how we play destroy (Play destroy)
「これが私たちの遊び方で、破壊する方法」。ずっといい子ではいられないとうだけでなく、こんな面を含めてが私だからと表現しているかのよう。
心の闇であり、”私たち”というのが、何を指すのか考えてみると面白いです。
X
![]() | 「X」 フルMVをApple Musicで観る |
「Play Destroy」 をさらに進化させた「X」。(14曲目)
自分の中には光と闇が同居。1曲の中でMVも含めてで表現したのが面白い。最後に、アルバムの中で最大のインパクトを残して去っていきます。
Get me, get me bloody, please get me bloody
「血まみれにして、どうか私を」。傷つくことを求める。その音もですが、まるでメタルバンドのような表現。それにプラスして見える、深い闇。
Take me back to the place where we began
「私たちが始めた場所に戻して」。闇が強くなったからこそ、おかしいと気付くから思うこと。闇も最初であれば、大きくないからと言っているかのよう。
離してでないのは、分かれることができないと知っているからでしょう。闇があるからこそ、より光ると考えると、なるほどなという表現です。
光と闇が同居したのを見事に表現したMVは、好きな人が多いかも…。
あとがき
聞いて印象に残るといえば、前作「Poppy.Computer」の方が上ですが、この後のつながっていく要素も見せた内容。今聞くからこそ、通過点のような形。
単独のアルバムとしても十分に楽しめますが、前後も含めて聞いた方がよりきょき深い内容になることは間違いありません。色の変化していく過程です。
ポピーが面白いなと思うのは、その場の思いつきでの衝動というよりも、彼女だけが見える先を見据えての行動をしているということ。
自然と後からリンクしていくからこその、興味深さがあります。音の表現も、そのビジュアルもそこ合わせての変化。気になる面白い存在です。
以上、『Poppy:Am I a Girl? ~どちらもが共存して離れられない~』でした。
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JOE (ジョウ)
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