Ozzy Osbourne (オジー・オズボーン) 2枚目のアルバム「Diary of a Madman」。
前作「Blizzard of Ozz」から1年2カ月。リリース翌年のツアー中にに飛行機事故で亡くなるという悲劇のため、ランディ・ローズと組んだ最後のアルバム。
1枚目のような派手さはないですが、地味にカッコいい1枚です。
Diary of a Madman 収録曲概要
「Diary of a Madman 」収録曲は以下の通り。
- Over the Mountain
- Flying High Again
- You Can’t Kill Rock and Roll
- Believer
- Little Dolls
- Tonight
- S.A.T.O.
- Diary of a Madman
1枚目「Blizzard of Ozz」と同様、再発時にベース、ドラムが録り直しされるなど仕様に変更がありましたが、配信で聞けるのはオリジナルのリマスター。
いろいろな権利の問題などはあると思いますが、これは再録盤ではないので、本来の形で聞けるのが一番ではないでしょうか。
リマスターされることで1981年の音が現在もクリアーに聞けるのは、時が過ぎても変わらず残り続ける音楽の面白さですね。
Over the Mountain
ヘビーメタルなオープニング曲「Over the Mountain」。(1曲目)
イントロでのドラムのカウントは、形は全く同じでなくても今にも通じるもの。チューニングを落とさずとも重いリフは、ギタリストはお手本になります。
Don’t need no astrology, it’s inside of you and me
「占星術はいらない。それは君と俺の中にある」。山をの乗り越える手段はよくわからないものに頼らずでいいんだぜ! と言っているかのよう。
たまに見るならまだしも、男らしさはそこじゃないって思いなんでしょうか。ちょっとなよってしている男子に、この曲は聞いてほしいですね。
生々しいギターの音は、ギタリストならずともしびれることは間違いなしです。
Flying High Again
ロックンロールな「Flying High Again」。(2曲目)
再び高く飛べ! とは、オジーが自分自身に宛てたようにも聞こえる曲。実際にどん底まで落ちて這い上がるのですから、有言実行をしたと言えます。
Flying high again
Come on and join me
「再び高く飛べ! さあ、俺と行こうぜ!」。自分一人ではなく、どうせ飛ぶなら一緒にというのが、実にオジーらしく、カッコいい男らしさです。
スライドを含むリフは聞くよりも弾くと思っている以上に気持ちがいいので、ギタリストならばコピーしてみることをオススメします。
Believer
曲名とはイメージが異なる「Believer」。(4曲目)
ポップなアーティストであれば希望がいっぱいの曲になるところですが、異なるというのが面白い。曲だけでなく、歌詞の面白さもオジーという感じです。
I’m a believer
I am not no deceiver
「俺は信者。騙されないけどな」。信者といっても本来は夢を見て信じ続ける人ということだと思いますが、この曲ではそのままの言葉なんでしょう。
マイナーキーの重さと怪しさが漂う曲。このタイトルだからこそ、面白みが増しています。誰も信じないぜ! というのが、興味深いです。
Tonight
ロックバラード「Tonight」。(6曲目)
迷いと弱さを見せる曲。はちゃめちゃなイメージの強いオジーですが、たまに見せる人間味の部分が、面白さと人柄と良さにつながっています。
I just can’t fight no more
「もうこれ以上は戦えない」。弱さですが、自分を知っているからこそ他の人とも異なり、強くなっていけるのかもしれませんね。
泣きのギターソロもカッコいいですが、ベースもカッコいい曲。太くもなり優しい音色が、ぴったりと合っています。今でも十分に通じる良曲です。
Diary of a Madman
アルバムのラストを飾るタイトル曲「Diary of a Madman」。(8曲目)
いろいろな展開をしているのですが、自然と聞かせる曲。現在のレコーディングではなく、1981年に実現しているということに驚かされます。
編集できることも限られ、よくも悪くも実際に出せる音でなければ、残せなかった時代。楽器を弾く人ほど、驚きが残る曲じゃないでしょうか。
Enemies fill up the pages
Are they me?
「敵がページを埋め尽くす。奴らは俺なのか?」。完全に向こう側に行っているのではなく、状態は今向かおうとしている真っ最中。
「Diary of a Madman = 狂人の日記」。この曲に対していい言葉で、これ以上はないアルバムタイトル。オンタイムで聞いていた人は度肝を抜かれたはず。
ミディアムテンポだからこそ、歌詞に重みが増してくる曲。オジーの歌い方が今とは異なるのも、聞いていて印象に残ります。
あとがき
派手さはないですが、堅実にカッコいいアルバム。ランディ・ローズも亡くなることなんて思いもしてないでしょうし、変化の過程なのでしょう。
バンドとして大成功している中なのに、ギターの勉強がしたいから時間がほしいといっていたインタビューなど、向上心の塊のようなギタリストでした。
1980年代という時代もありますが、オフィシャルでランディ・ローズを含めたラインアップで映像が残っていなそうなのは、実に惜しいです。
もし正式に残っていたら、映像とともに印象が変わるアルバムだったかも…。
じっくり聞くことで、こんなこともしてたんだと発見がある内容。興味深い1枚であることには変わりませんので、リピートして聞くのをオススメします。
以上、『Ozzy Osbourne:Diary of a Madman ~自分が他と異なるのは知っている~』でした。
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JOE (ジョウ)
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