One Morning Left (ワン・モーニング・レフト) 4枚目のアルバム「Hyperactive」。
前作「Metalcore Superstars」から5年1カ月。かなり久しぶりのリリースですが、相変わらずの粋がいいだけでなく、独自のサウンドを聞かせてくれます。
ポップで激しいライブ向きの内容は、聞けば熱くなること請け合いです。
Hyperactive 収録曲概要
「Hyperactive」収録曲は以下の通り。
- Ruby Dragon
- Neon Highway
- Sinners Are Winners
- Drowned God
- Creatvres
- Live Laugh Love
- Ruthless Resistance
- Downfall
- Worry Less, Dance more
- Hyperactive
ぎゅぎゅっとコンパクトな形は、既存と共通。転調など展開が多い中ですから、他のバンドと比較をすると、表現の仕方が少し特殊です。
それでいて気持ちよく聞かせきるというのは、このバンドならでは。かつ、リスナーとしても楽しめますが、つい弾きたくなる表現であるのもポイント!
一見勢いで押しているように見えて、よく考えられているサウンドです。
Ruby Dragon
今が目覚めの時「Ruby Dragon」。(1曲目)
遂に目を覚ます、ルビードラゴン。輝きを放つ存在というだけでなく、その存在をバンドに見立てているような表現。アルバムの始まりにピッタリです。
I am lost in a maze
Feels like I’ve been here for days
「迷路に迷い込んだようだ。何日もここにいる気がする」。バンドのことだと考えると、リリースがこれだけ空いたのは、迷いが出ていたのかも…。
あえて書いて表現するのは、吹っ切れたという意味も含まれていそうです。
These roads lead to great passion
Waking the ruby dragon
「これらの道はすっげぇ情熱につながる。ルビードラゴンの目覚め」。地下にこもる時間は終わり、完全復活したと宣言しているかのよう。
この曲に限らず音がぶつかりまくりなのですが、そこが面白いのも特徴です。
Neon Highway
本当に光り輝くために「Neon Highway」。(2曲目)
一見は明るいように見えて、冷酷な面も見せるネオン・ハイウェイ。そこから脱げだすのではなく、立ち向かっていく強さを感じさせます、
‘Cause heaven and hell reside in us
「天国も地獄も俺たちの中にある」。生きるも、腐るも自分たち次第。嘆くのではなく、現実を全て受け入れて立ち向かっていく。
それが俺たちにできる唯一のことだから…。強い意思を感じさせます。
If you will fix my heart
Die with me on this neon highway
「君が俺の心を治してくれるなら、このネオン・ハイウェイで一緒に死のう」。言葉そのままではなく、全力全開の死ぬ気で行く! ということなのでしょうね。
辛く犠牲もあるかもしれないけれど、光輝くために。MVに遊びがあるのでその雰囲気は和らいでいますが、めちゃくちゃに強い意思です。
Sinners Are Winners
思いの他に深さがある「Sinners Are Winners」。(3曲目)
「Sinners Are Winners = 罪人は勝者」。ヘビーメタルなサウンドに合わせて、強さをアピールするわけではありません。興味深い表現をする曲です。
they say that love will set you free
But you can’t love with a broken heart
「愛が君を自由にするというけれど、失恋したままでは愛せない」。君を愛することができることが勝者だと。罪人 = 痛みを知るからということでしょうか。
Drown your sorrows
「悲しみに溺れされて」。落ちるからこそ、喜びがあり、君を愛することもできる。一聴のサウンドと、歌詞に耳を傾けてでは、印象が変わるかもです。
彼らはアウトローな見た目だからこそ、逆にこの表現だとより良い奴のように思えてさえしちゃいます。
Creatvres
生きるために「Creatvres」。(5曲目)
タイトルは「Creature = 生き物」をもじった形だと思いますが、どういう意味があるのでしょうか。推測はできますが、面白い表現です。
Re
Born
Reborn by a kiss!
「キスで生まれ変わる!」。推測するに「Creatvres」は怪しげな生き物を指しているのかもですね。もじったのは完全な生き物ではないという感じで。
生まれ変わるからこそ、「Creature = 生き物」になるのかも…。タイトルが複数形であるのは、一人ではなくバンドであるからでしょうか。
We are glowing!
「俺たちは輝いている!」。進化の過程を、この曲では描いているように感じました。少し寂しさのある音に、想像力が働く物語。面白い表現の曲です。
Downfall
落ちるからこその「Downfall」。(8曲目)
思いもメロディーも寂しさがある曲。ただ、「Downfall =堕落」を一旦は経験するからこその湧き上がる感情。永遠に落ちるわけではない感じです。
Hey, I got a question:
Why is everyone ok with this oppression?
「ねぇ、質問。なんでみんなは、この抑圧を良しとしてしまうの?」。落ちたからこその疑問。堕落することを、単に受け入れるだけではなくなる瞬間です。
何かを改善するには、行動を起こす理由が必要ですから…。
Make me whole again
「俺を元に戻して」。こんな堕落した状態を維持するのは嫌だ! だからこそ思いだけではなく、行動を起こして変わっていけるのでしょう。
今の現状を知るからこその、意識の変化。歌詞は彼らっぽいですが、よく見てみると思っている以上に真面目なテーマを持った曲です。
Hyperactive
アルバム・タイトル曲「Hyperactive」。(10曲目)
「Hyperactive = 多動性」。好きなことにしか、興味や関心を示さない。このバンドが今までに示したことを考えると、すごくしっくりとくる言葉。
障害としても意味させることですが、決してそうではないですね。ネガティブに捉えるのではなく、だったらそれを突き詰めてしまえばいいじゃないという形。
Neon-frantic
Hyperactive
We’re Cyber-captives
「ネオンフランティック。多動性。俺たちはサイバーキャプティブだ」。開き直りというよりも、これが俺たちなんだと。
いわゆる俺は俺。ジャイアンというか、ビッグダディ的かも…。これは面白い!
We are prisoners of your light
And we are ready to be ignited
「俺たちは光の囚人。そして、点火される準備ができているぜ!」。アルバムジャケットに繋がる部分でもあり、これからの宣言のようでもあります。
火山ではなく光の爆発ですから、強い意思。今後の活動が面白くなりそうです。
あとがき
このバンドの特徴でもありますが、表現に制限を設けない。言葉にすると一見はかんたんに思えるかもしれないことも、実際に実現するのは難しいもの。
それでもやりきっていることが、面白さにつながっています。その見た目はアウトロー感やチャラさが目に入りますが、騙されてはいけません。
また、ちゃんと細かい部分まで考えられているのに、一聴はそうは聞かせない構成。能ある鷹は爪を隠すと言いますが、鋭いものを表には出していないですよ。
突っ込んでもよし、単純にも熱くなれるサウンド。面白い存在です。
以上、『One Morning Left:Hyperactive ~俺たちは激しく爆発するぜ! ~』でした。
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JOE (ジョウ)
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