Novelbright (ノーベルブライト) 1枚目のアルバム「WONDERLAND」。
前作「「EN.」」から9カ月弱。早いタイミングでリリースされた、フルアルバム。まるで、鉄は熱いうちに打て! と言わんばかり。
また、期間を開けずに「Sunny drop」でデビュー。最後のインディーズ作品でもあり、内容的にも今までの活動の集大成。バンドの意思を感じる1枚です。
WONDERLAND 収録曲概要
「WONDERLAND」収録曲は以下の通り。
- ランナーズハイ
- Believers
- 君色ノート
- Photo album
- おはようワールド
- ENVY
- 夜空に舞う鷹のように
- 夢花火
- スタートライン
- candle
- Prologue ~Before the dawn~
- 時を刻む詩
集大成となるのは、会場限定シングル、アルバムからも曲が収録されていること。今だからこそ、できることをしたというような内容。
リリースされた5月には分かりずらかったですが、8月に「Sunny drop」でデビューするのがあったからこそ、このタイミングだったのでしょう。
ロックバンドにとってアルバムは特別ですから、ミニではなくフルの1枚を自分たちだけの力でという形でかなと。出し惜しみしないというのは、ロックです。
また、「「EN.」」もでしたが、途中でインストゥルメンタルというのは面白い選択。つながりで導入であっても、本来なら最後に余韻として置きそうな曲。
聞いていて少し不思議でもあり、引っかかるからこそ興味深く感じました。
ランナーズハイ
Novelbrightらしい勢いのあるオープニングソング「ランナーズハイ」。(1曲目)
仲間と目標に向かい、辿り着くんだという思い。どストレートで前しか見ていない気持ちが、清々しく感じます。始まりにぴったりな曲。
生まれ育ったあの街に胸張って行けるように
やがて降り立つよ
故郷というのは誰にでもあるもの。自分も東京出身者ではないからこそ、この気持は痛いほど分かる気がします。胸を張って行けたら気持ちがいいでしょうね。
マラソンやジョギングが趣味の人であれば、体験したことがあるであろうランナーズハイ。例え疲れていても楽しくて、どこまでも走って行けそうな状態。
仲間と一緒だからこそ似た感じが想像ができますし、いいタイトルですね。
君色ノート
恋する記憶の歌「君色ノート」。(3曲目)
意図的だと思いますが、なるべく高音を控えているのもポイントな曲。真っ白なノートが君色で埋められていくというのが、恋を感じさせます。
時間を忘れて無我夢中にはしゃいだ日々
24色のパレットみたくカラフルな思い出
恋した人と過ごす時間は、あっという間に過ぎるもの。24色というのが、1つではない沢山の思い出でノートが埋められているのが想像できる形。
一緒にいない時でも、目を閉じれば浮かんでくる君。幸せな時が過ごせ、また会えた時にどんな色がノートに加わるのかとワクワクさせます。
純粋な思いの恋の歌は、気持ちがとても優しいです。
Photo album
Novelbright 結成時から存在したという「Photo album」。(4曲目)
会場限定アルバムに収録されていた曲。メンバーなど変更はあっても、最初から表現したいことは現在とほぼ変わっていないことを聞かせてくれます。
ころころ変化があるのではなく、芯があるということですね。
うまく言えないけど帰りを待っているからずっと
心のよりどことはいつの日もこのアルバム
大切な思い出の詰まったアルバム。その時を写真というフレームに閉じ込めるからこそ、いつでも見返せば思い出せる場面。強さにつながるのも分かります。
なぜ今は会えない状況になっているかは表現されていないからこそ、いろいろな想像もできますし、聞く人それぞれで置き換えて情景をみることもできますね。
全く同じではないんでしょうけれど、演奏でちょいちょい「ん?」と引っかかるアレンジの部分があるのが、初期という感じを思わさせるのも興味深いです。
夜空に舞う鷹のように
強さと弱さが同居した「夜空に舞う鷹のように」。(7曲目)
鷹といえば、生態系の1つの頂点である猛禽類。ここで聞けるのは思いは強くても、なんで君に対してもっと出来なかったんだろうという後悔と弱さ。
そう思うんなら最初がすればいいというのが、男性だなぁという感じがします。
Every day Every night いつでも
僕は一人で悩んでいるよ
言葉に出すということで、さらに弱さが際立つ場面。自分は強くないからこそ、自由に空を頂点として飛び回る鷹になりたい思いなのかもですね。
歌詞の内容からしたら、女性よりも男性の方が共感できるかも…。また、曲名の付け方がNovelbrightは特徴的なので、見ていて興味深く感じます。
夢花火
君との未来への思い「夢花火」。(8曲目)
自分が一目惚れの状態で、価値観が似ていたからこそ、恋に落ちた2人。ずっと一緒にいられると思っていたのに、今は離れた場所で暮らす状況。
寂しい、悲しいなと嘆くのではなく、離れているからこそ高まる恋の思いが聞けます。想像するに、気軽には会えない遠距離恋愛のような状況でしょうか。
君の街は綺麗に見えてますか?
いつかふたりで行こうね
花火は離れていても、同時に見えるもの。この曲の歌詞からは同じものが見えるよりも距離が離れていそうですが、同刻であることを想像させます。
今は一緒ではないけれど、未来に2人でみたい花火。夢と頭に着くことで、いつか見られるかなという思いに加えて、いろいろと想像が膨らみます。
2人で見る花火は、きっと今までのどんな花火よりもきれいに見えますよね。
時を刻む詩
意思の強さを聞かせてくれる「時を刻む詩」。(12曲目)
ラブソングとも取れますが、バンドの成し遂げたい思いにも感じる曲。言葉を噛みしめるように歌うのは、自分たちの心に言い聞かせるかのようです。
無関心な人の山
押し潰されそうだけと
路上ライブをしていた彼らであれば、間違いなく感じていたであろう思い。人を変えることもできる音楽も、最初に振り向かせるのは大変なんです。
約束さ50年後の未来も
きっと僕らは同じ時を刻み息をしているよ
恋愛であっても夫婦として過ごす時間にも取れますが、バンドでも現実にありえる期間。QUEENやJudas Priestなどは、結成50年を超えています。
自分たちの力でインディースの最後に、この曲。メジャーに行っても「消えないし、 潰されないぞ! 」 の思いが込められているように感じました。
ロックバンドはピークが来て、悪い意味で飛んちゃうことも多いですから…。
あとがき
「SKYWALK」、「「EN.」」での危うい部分が少なくなり、歩幅は少なくてもロックバンドとして着実に前に進んでいることを聞かせてくれます。
ただ気になったのは、ボーカルのピークポイントがほぼ同じであること。強みを生かすというのはありですが、露出のし過ぎはキーとして確実に弱くなります。
高音域を使わない曲も作ること。これがNovelbrightが今後どうなるかの分岐点となりそうです。高音も数曲ならありですが、ほぼ全てとなるとちょっと重い!
48分とアルバムとして適度な長さであるのに、それ以上の長さに聞こえる。強みであったのが、ロックバンドとしては逆にウイークポイントになるかも。
Official髭男dismで、曲がどれも似ているとか言われるぐらいですから…。
対バンが主である時期と、ワンマンで見せるのでは組み立て方も変わってくるバンド。デビューしての活動から、見せ方が変わってくることを期待します。
1曲だと強いし、いいなぁと思いますが、ロックはそれだけじゃないので…。また、ツインギターならではという曲も、今後で聞かせてくれますように!
高音という意味では、Judas Priestはめっちゃ参考になりそうな気がします。かっこよくなる期待が多いだけに、メジャーでめちゃくちゃ揉まれてください。
以上、『Novelbright:WONDERLAND ~この景色はまだ始まりでしかない~』でした。
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