N/A (エヌエー) 1枚目のアルバム「NO GOOD」。
赤西仁、錦戸亮による共同プロジェクト。先行配信されたタイトル曲「NO GOOD」から3カ月。2人が表現する、最初の形が明らかになりました。
それぞれのソロでの活動は少し異なる音というのも、興味深く聞けます。
NO GOOD 収録曲概要
「NO GOOD」収録曲は以下の通り。
- N/A Introduction
- Get Loose
- NO GOOD
- Not Bad
- ラップダンス
- Hey What’s Up?
- Point of Departure ~International~
- Kingdom
- Eve
- Blue
その名と通りの「N/A Introduction」の始まりからロックな内容になるかと思いきや、聞こえてくるのは極上のポップな楽曲たち。逆にこれは面白い!
錦戸亮 1枚目のアルバム「NOMAD」収録のインストゥルメンタル「Point of Departure」が形を変えて歌入りに。この変化も興味深く聞けます。
流れも自然で、本人たちが楽しんで制作しているのが伝わってくるかのよう。31分のコンパクトな中に、多くのモノがいい感じで詰め込まれています。
Get Loose
始まりの衝動「Get Loose」。(2曲目)
デジタルとロックのごちゃまぜ感が面白く、アタックの強い音が心にグサグサと突き刺さる曲。全て英詩であることも、うまくハマっています。
You can do what you want
Baby you should just move
「やりたいことができるんだ。今動く必要がある」。まるでN/Aで活動する意味を歌っているかのよう。ロックでありながら、ポップでもあるのが面白い!
英語が分からなくても楽しめそうですし、始まりのつかみとして十分です。
Not Bad
聞いていると明日が楽しみになってしまう「Not Bad」。(3曲目)
今という時間が楽しい時も、そうでない場合もある。未来は先のことだからこそ不安にもなるけれど、夢もあるじゃん! と思わせてくれる曲。
見えない未来に振り回されていこう
そんな明日も悪くはない
いい表現ですね。過去だとあまりいい気持ちにはなれなくても、これから作って訪れる明日だからこそ、楽しいんじゃないかと思わせてくれます。
バレーでスライドの上昇フレーズなど、ギターが好きなのが十二分に伝わってくる曲。錦戸くんのギターは自分も弾くからですが、すごく好きです。
Hey What’s Up?
楽しく行こうぜ! と気分を上げてくれる「Hey What’s Up?」。(6曲目)
気軽に話しかける挨拶の言葉「What’s up?」。落ち込んでいるヒマなんて誰にもないから、みんなで楽しもうぜ! の表現は、ぽんっと背中を押してくれます。
Hey what’s up? Let’s summer time
誘惑にダイブして
夏を理由にして、楽しいことに飛び込めばいい。夏という言葉は出てくるけれど、行動するための理由なんてなんでもいいんだよとも思わせてくれます。
ライブ映えするのは間違いない曲。箱中が笑顔でいっぱいになっている状態が、想像に難しくありません。カラオケとかでもめっちゃ盛り上がりそう!
Kingdom
ファンクの要素が気持ちがいい「Kingdom」。(8曲目)
リズムが鼓動のドキドキだけでなく、この先をに進むことを楽しみにしているようにも聞こえます。洋楽と邦楽がミックスされている感じが、心地のよい曲。
意思は強めであるのに重くならないのは、曲調がうまく作用していそうです。
キミとなら I don’t lose control
そう Fire always grow
誰とでもない、キミとなら自分を見失うこともなく、成長していける。恋愛ソングとも取れますが、N/Aの関係とも考えることもできます。
2人で「Kingdom = 王国」を作ろうよ! だったら、想像が膨らみますね。
Eve
大人ならではの思いを聞かせるラブソング「Eve」。(9曲目)
素直にキミに愛してる。会いたいと伝えるのは、清々しく感じます。男性は見習う部分がありますし、女性はキュンとしてしまうかも…。
I wish dreams come true
会いたいから 今会いに行くよ
ストレートなキミへの思い。回りくどい言い方をせず、そのままの言葉を伝える。この表現は、やっぱり大人だからこそできることではないでしょうか。
リリースの9月時点ではまだ残暑で暑い日々が続きますが、歌詞にも出てくるクリスマスの頃になると、よりこの曲の真価が表現される気がします。
思わずベルの音を入れてしまいそうなところですが、そうはせずにギターのクリーントーンで表現しているのもいいですね。よく考えられています。
Blue
メッセージ性の強い「Blue」。(10曲目)
ここまでにポジティブさを多く表現しているからこそ、寂しさがある曲。楽しいことばかりじゃないけれど、悲しい思いはしたくないよね? の思い。
この位置にしかなかったという場面で持ってくる。聞かせ方がうまいです。
キミのeverything
結んだ赤いstring
Can we try this love thing one last time
ただ寂しさを表現するだけでなく、最後に試してみない? の言葉。聞いていて切なさから救われるだけでなく、小さな希望の光が見えてくる気がしました。
「赤いstring = 赤い糸」。何気ないけれど、気になる見え方。これはいいな! と使い方をマネするアーティストが出てくるかも…。特にビジュアル系とかで。
あとがき
洋楽の要素も多分に含みつつ、日本アーティストならでは部分も聞ける1枚。ポジティブが言葉が多く含まれていますが、無理やり感がないのもポイント!
ラップダンスの歌詞にある「I just wanna have fun = ただ楽しみたいだけ」。ソロだけでなくN/Aでも活動をするのは、正にこれじゃないかなと。
また、聞いていて印象的だったのは、変にピークポイントを持ってきていないこと。といってもさらっと流れるのではなく、適度に引っかる部分がある形。
これはサブスクに移行している音楽で、とても重要な部分。1度だけではなく、繰り返して聞いてほしい部分を、自然とクリアーしちゃってます。
自分もでしたが、意図しなくても当然のようにアルバム全体を繰り返して聞いてしまう人がほとんどじゃないでしょうか? 2人の融合は想像以上にいいですよ。
N/A 1枚目「NO GOOD」。優れたポップアルバムです。
以上、『N/A:NO GOOD (Album) ~目的はただ楽しみたいだけ~』でした。
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