Motley Crue:Dr. Feelgood ~永遠に続かないからこそ変化の時~

Motley Crue:Dr. Feelgood洋楽レビュー
洋楽レビュー

Motley Crue (モトリー・クルー) 5枚目のアルバム「Dr. Feelgood」。

前作「Girls, Girls, Girls」から約2年3カ月ぶり、1989年にリリースされました。バンドの最大ヒット作であり、充実度には目をみはるものがあります。

と同時に、一旦はヴィンス・ニールと別れとなるアルバムです。

Dr. Feelgood 収録曲概要

「Dr. Feelgood」収録曲は以下の通り。

  1. T.N.T. (Terror ‘n Tinseltown)
  2. Dr. Feelgood
  3. Slice of Your Pie
  4. Rattlesnake Shake
  5. Kickstart My Heart
  6. Without You
  7. Same Ol’ Situation (S.O.S.)
  8. Sticky Sweet
  9. She Goes Down
  10. Don’t Go Away Mad (Just Go Away)
  11. Time for a Change
  12. Dr. Feelgood (Demo)
  13. Without You (Demo)
  14. Kickstart My Heart (Demo)
  15. Get It for Free
  16. Time for Change (Demo)

11曲目までが本編で、以降は再販時に追加されたボーナス・トラック。もともとが充実したアルバムですので、デモはない方が満足度が高いです。

T.N.T. (Terror ‘n Tinseltown)から本編のラストまで、聞き逃がせません。

Dr. Feelgood

タイトル曲「Dr. Feelgood」。(2曲目)

横ノリもですが、なんといってもリフが特徴。どうして似たものが出てくるものですが、この曲は唯一無二。似た物が思い浮かびません。

オリジナリティがあって曲もいいのですから、引かれない理由がありません。ロック式のギターを持つと、アーミングも含めて弾きたくなっちゃいます。

ロックなギタリストであれば、1度はコピーしてみるべき曲。そんな難しいことはしていないのですが、弾けた時の充実感は格別ですよ。

Kickstart My Heart

自分の心(ケツ)を叩く「Kickstart My Heart」。(5曲目)

ミディアム・テンポが大半なモトリー・クルーの中で、ハイテンポは珍しい…。だからこそコーラスも含めて映える曲です。

Kickstart my heart
Hope it never stops

「俺の心をキックスタート。止まらないように」。何か新しいことを始めようとか、行動する時に励みになります。目覚ましソングにもオススメ!

トーキング・モジュレーターが使われているのも特徴的で、Bon Joviのコピーでなくても活躍したというギタリストは多いかも…。

カチッとしたテンポの曲ではありません。特にデジタルなロックから入った世代が若い人は、思いの他に弾くのに苦労するかもしれません。

Without You

3枚目「Theatre of Pain」以降、アルバムに入るのが定番になったバラード「Without You」。(6曲目)

あなたがなしでは生きていけないと歌った曲。強そうに見えて実は持っている弱さを見せるからこそ、心に響いてきます。

You’re the reason I’m alive

「あなたは俺が生きている理由」。英詩であるから自然に聞けますが、日本語であればこっ恥ずかしくなってしまいそう。英語の利点ですね。

弱さであっても気持ちの優しい思いは、繰り返し聞いてしまいます。

Same Ol’ Situation (S.O.S.)

一緒に歌いたくなる「Same Ol’ Situation (S.O.S.)」。(7曲目)

モトリー・クルーらしいコーラスの曲。繰り返す言葉だったり、一緒に歌いたくなるのに、寄り添い過ぎていないからこそカッコいい!

この加減が難しくて、歩み寄りすぎて逆に嫌みになるバンドがいます。適度な距離を残したままであるのは、さすが! だからこそ唯一無二なのでしょう。

直接的な言葉ではなく、オブラートに包んで想像できる部分が増えたのも、このアルバムの変化。曲の充実さだけでなく、歌詞が大きく変わっています。

Don’t Go Away Mad (Just Go Away)


アコースティックとロックが融合した「Don’t Go Away Mad (Just Go Away)」。(10曲目)

下手すると単調なりかねないところですが、ヴィンス・ニールだからこその歌声が生きています。シンプルに聞こえて、奥が深い曲。

Girl, don’t go away mad…
Girl, just go away

「怒らないで。今は離れて…」。別れではあるけれど、俺と離れることは成長でもあるんだよといっているのかもしれませんね。

楽しかった思い出とともに、二人の関係に興味が引かれます。

Time for a Change

ラストを飾る「Time for a Change」。(11曲目)

「Now it’s time for change = 今こそ変化の時」と歌ったバラード。変わろうとしているのは、平和な世界に変わろうということ。

I’ll change
Not tomorrow, but today

「変わるんだ。明日じゃなく今日」。いいメッセージです。

なんですが、後にヴィンス・ニールを解雇。バンドの大きな変化になるのですから、感慨深いものがあります。歌詞に込められた思いも含め、いい曲です。

あとがき

バンドの最大ヒット作であると同時に、内容が充実したアルバム。単曲であれば迷いますが、全体として1枚を選ぶなら選択しない手がありません。

バットボーイズな部分も残しつつ、成長している部分も聞き所。特にロックなバンドマンであれば、このアルバムは聞いておかないとダメですよ。

1枚目「Too Fast for Love」からこの5枚目「Dr. Feelgood」までで、大部分はモトリー・クルーを語れます。それが30年以上前というのがすごいです。

オールドバンドではなく、今を生きるバンドですから…。

いい音楽は時代をこえて残るというのが、面白く感じてしまいます。聞いても弾いても熱くなれるアルバム。今から聞くのもオススメです。

 

以上、『Motley Crue:Dr. Feelgood ~永遠に続かないからこそ変化の時~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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