Motionless In White (モーションレス・イン・ホワイト) 4枚目のアルバム「Graveyard Shift」。
前作「Reincarnate」から約2年7カ月。バンドの高まった評価を受け、メジャーレーベル Roadrunner Recordsに移籍をしての1枚。
アルバム・ジャケットからしてインパクトがありますが、聞ける曲も負けずに劣らずの内容になっています。
Graveyard Shift 収録曲概要
「Graveyard Shift」収録曲は以下の通り。
- Rats
- Queen For Queen
- Necessary Evil (feat. Jonathan Davis)
- Soft
- Untouchable
- Not My Type: Dead As Fuck 2
- The Ladder
- Voices
- LOUD (Fuck It)
- 570
- Hourglass
- Eternally Yours
このバンドの特徴ですが、曲名に分かりづらい言葉は使われません。見た目は一般的には取っ付きにくくても、曲に関して誰に対してもウエルカムな感じ。
また、ヘビーなサウンドでありながら、聞きやすいのもポイント。といってもよくある過度に歩み寄ってくるんじゃなく、拒絶することはないという感じです。
見た目もありますが、ビジュアル系を聞く人は抵抗がなく、いつの間にかハマってしまう魅力を持っていますよ。クリーボイス時の声は、好きな人が多そう…。
Rats
イントロの音階の使い方が面白く、引きこまれてしまう「Rats」。(1曲目)
最初はMarilyn Manson ? と思わせつつ、サビまでくるとバンドならではの曲に。アルバムで重要な1曲目に、あえて引っかかりをつけるのは面白い。
ミディアム・テンポでありながら疾走感を感じるのも、興味深い曲。リズムの強調の仕方が絶妙なので、きっと楽器を弾く人ほど面白いなと思うはず!
Everyone’s got a secret
Tell me all about yours
「誰もが持っている秘密。あなたの全てを教えて」。ラットといえばいろいろな研究で使われる存在。歌詞をしっかりと見ていくと、面白みの増える曲です。
言葉のチョイスの仕方がとても面白いのもポイント!
Necessary Evil (feat. Jonathan Davis)
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ジョナサン・デイヴィスをフィーチャリングした「Necessary Evil (feat. Jonathan Davis)」。(3曲目)
Korn の要素を持った曲。まるっきりそのままにしないのは、敬意も含まれているからじゃないでしょうか。重くなり過ぎない、ヘビーさ。
クリスの声質も分かっての曲で、「Necessary Evil = 必要悪」。歌詞のテーマに必要な全てが重なっていく。じっくりと聞くほどに面白くなる曲。
I want to know
「知りたい…」。全てが正義でないからこその、感情。よくある特別な言葉だからこそ本心であり、面白みが増しています。
Soft
曲名とのギャップがある「Soft」。(4曲目)
アルバムの中でも特にヘビーな曲。Slipknot の要素がありつつ、サビにくるとバンド独自のサウンドになる。構成も面白く、とてもカッコいい曲。
If you’re so wise, then why are you so soft?
「そんなに賢いのに、なぜそんな軟弱なの? 」。曲がヘビーであるからこそ、完全に皮肉であり、もっとなんとかしてくれよという強い感情。
英詩だからこそ表現ができる曲は、日本語にない面白さがあります。
Voices
発するのではない言葉「Voices」。(8曲目)
曲名として多く使われますが、他とは異なり、頭の中の声というのが面白い。シンプルな言葉だからこそ、チョイスの仕方が興味深くなります。
They’re pulling me under
Voices, voices
「彼らは俺を引っ張っている。声、声」。自分にだけで、他の人には聞こえることのない声。幻聴でもあり、自身の意思の可能性もある言葉。
エフェクトが強くフランジャーで振られている音が感情を表しているようで、興味深く聞けます。使いづらい音色であるのに、この曲にはピッタリ!
歌詞はもちろん興味深いですが演奏も面白いので、ヘッドホンで聞くのをオススメします。
LOUD (Fuck It)
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アルバムの中で毛色が異なる「LOUD (Fuck It)」。(9曲目)
浮いてしまうのでなく、面白い存在になっているのが興味深い。曲名の印象とは異なるライトな感じであるのも、聞いていて気になってしまいます。
What are you waiting for?
「何を待っているの?」。”自分の意思で動かなきゃダメじゃない? “という感じで、「Voices」で聞こえる声は自分の本心であるようにも思えてくる。
1曲で考えるよりも、セットとした方が楽しめる方は多そうです。
570
意味深長なタイトル「570」。(10曲目)
数字で見ても、歌詞の内容からも分からないからこそ、気になる…。意味は必ずあると思いますが、何なんでしょうね。
Beguiled, betrayed, it’s the price we pay, as trust will be our tomb
「惑わされ、裏切られた。それは俺たちが払う代償」。罪があるかこその数字でありそう…。とはいっても、分からないからこそ、興味を引かれます。
個人で弾くんじゃなく、バンドで合わせたら楽しそうな曲ですね。
Eternally Yours
アルバムのラストを飾る「Eternally Yours」。(12曲目)
ラブ・ソングのようなタイトルですが、思いが重い…。だからこそ「Graveyard Shift」という、アルバムの最後にくるべき曲。
To rot in this garden made of stones
Eternally yours
「石で作られたこの庭で腐る。永遠にあなたのもの」。生きていれば何かきっかけで離れることはあっても、死して墓の中であればずっと一緒にいる。
時が止まってしまうからこその、永遠に続く愛なのかもしれません。余韻を持ちながら曲が終わるのもピッタリであり、感情移入をしてしまいます。
あとがき
自分が好きなサウンド傾向でありますが、繰り返して聞いてしまうアルバム。完璧かと言われたらそうではなくても、全体の平均点が高いのも特徴です。
何を表現したいのかしっかり伝わってくるのに、恩着せがましい部分はなし。聞いてすぐに分かる他のバンドの要素も含めつつ、オリジナリティがある。
メンバーがアルバムごとに少しずつ変わるのは玉に瑕ですが、興味深く面白いバンドであることに変わりはありません。カッコいいです。
切なさに加えてジワジワと頭に入り込んでくる曲、メロディーの良さは、日本でもっと評価されていいバンドじゃないかなと。ライブが見てみたいですね。
以上、『Motionless In White:Graveyard Shift ~感情が永遠に回り続ける~』でした。
『Motionless In White』をApple Musicで
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2017/5/5 release 4th Album
Motionless In White:Graveyard Shift ~感情が永遠に回り続ける~ ←今ココ
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Motionless In White:Disguise ~どの自分が本当なのかは知っている~
2020/9/9 release Digital Single
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2020/10/23 release Digital Single
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JOE (ジョウ)
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