伊藤美来 (いとう みく) 3枚目のアルバム「Rhythmic Flavor」。
前作「PopSkip」から1年5カ月。2枚のシングルを挟んでリリースされるのは、今までの可愛らしさ全開のものから、イメージを一新する内容。
ぎゅっとした大人っぽさと、しっとり感がメインとなっている1枚です。
Rhythmic Flavor 収録曲概要
「Rhythmic Flavor」収録曲は以下の通り。
- BEAM YOU
- hello new pink
- ガーベラ
- Plunderer
- Born Fighter
- 孤高の光 Lonely dark
- いつかきっと
- Sweet Bitter Sweet Days
- one’s heart
- Good Song
- vivace
シングルでリリースされた「Plunderer」「孤高の光 Lonely dark」で今までと異なる表現も提示していましたが、アルバムでも大きくというのは興味深い。
変化をするというのは女性ではよくあることですが、イメージを固定せずに変えたかった。こんな面もあるんだよ! と見せたかったのかもしれませんね。
だからこそ既存のファンであるほど、変わったなという感覚になるのではないでしょうか。それだけに、大きなチャレンジをしているとも言えます。
果たして、この変化をどう受け止められるのでしょうか。
BEAM YOU
あなただけを見てる「BEAM YOU」。(1曲目)
思いの表現と共に、構成が面白い曲。ふんわりした雰囲気でありながらそこだけに終わっていないのは、演奏に歌の重なり具合が興味深いからでしょう。
「BEAM YOU」は言葉としてだけ見ると少し変な気もしますが、あなたをそれだけ思っているんだよと伝わってくるのですから、いい感じです。
ただ なんだか140字の会話 だけじゃ伝わんない
今から電話ダメかな?
文字数だけでない、あなたの声が聞きたい。会いたいではなく電話になっているのは、歌詞を全部見ていくと恋人関係ではないというのが分かるのが面白い。
私はあなたのことが好き! あなたも私を好きになっていいんだよというのは、思いが強いからでしょう。根拠はなくても、私といるときっと楽しいよと。
ふんわりでありながら、グイグイくる女の子。このギャップが面白いです。
ガーベラ
美しく咲いてほしい「ガーベラ」。(3曲目)
大人っぽい曲と、かわいらしい歌声の絡みが興味深い。少女と女性のどっちにもなり得るのが、心の葛藤であり揺れを表現しているよう。
枯れることない花 AH
美しいまま ここに
ガーベラが咲くのは、胸の奥。その色によって花言葉が複数ありますが、枯れることなく美しくとあるので、きっと「希望」でしょうか。
希望があることで、夢も見れるし、前にも進める。その気持ちが途切れることなく続き、今咲いている以上に美しく鮮やかになることを祈るばかりです。
Born Fighter
意外性のあるファンクなロックナンバー「Born Fighter」。(5曲目)
アルバムのどの曲とも異なるだけでなく、面白さが強い形。意図はないかもしれませんが、他がおとなしめだからこそ、大きなハイライトになっています。
“お行儀よく”は終わり
どこまでも思うままに
役柄をとしていろいろと行っていても、そのイメージが固定されやすい声優という職業。特にアイドル性のある人は、より強いものになりやすいです。
アルバム全体でイメージとは異なる表現をしたことも、この曲がリンクしているような気がするからこそ、より面白い表現になっています。
「Rhythmic Flavor」で世界観含め、一番面白く感じたのがこの曲です。
one’s heart
ゲーム「りゅうおうのおしごと!」エンディングテーマ「one’s heart」。(9曲目)
スタッカート強めで、言葉が耳によく入ってくる曲。恋をするラブ・ソングは、あなたに気付いてほしいだけでなく、自分に言い聞かせているかのようです。
あたにだけ (Love it Heart did)
また恋をしてる (All I need you)
自分の心に正直になると、誰でもないあなたのことが好き。頭の中で考えるだけでなくこの思いに気付いてほしいの思いは、すごく女の子っぽいです。
あなただけに恋をしている! というのが、大きなポイントではないでしょうか。
Good Song
私だけの「Good Song」。(10曲目)
想像するに、アルバム・タイトル「Rhythmic Flavor」はこの曲からでしょうか。それだけにMVも制作されたりと、重要な位置の曲にっていそうです。
私だけのSong 歌える世界
誰かじゃない、私の歌。自分だけの歌になれば、それは確かに「Good Song」になりますよね。ナンバーワンではなく、私がオンリーワン。
実現ができたら、めちゃくちゃ強みになります。音としては爽やかですが、思いの他に意思が強いのが、興味深い曲になっています。
また、ギタリスト的に気になったのは、ギターソロが大分怪しいこと。もうちょっとちゃん弾ける人、もしくはもっとテイクを重ねた方がよかったかも…。
この曲だけでなく、ソロの他もギターは引っかかる怪しさがアルバム全体でいくつか聞けます。イメージうんちゃらでなく、ここは今後に必要な改善点ですね。
また、Official髭男dism の雰囲気を感じてしまうのは曲がどうこうではなく、ヒゲダンがそのイメージを大きくさせているというのが正しいかも…。
あとがき
大きく路線を変更しているからこそ、きっと賛否両論があるであろう1枚。本格的にアルバム制作に入った時期は、ライブができないのも見えていたはず。
だからこそ、今できるチャレンジをしたというのが本当のところではないでしょうか。推測の域はでませんが、背景も含めて考えると面白いかと思います。
個人的な意見を言えば路線としては興味深いけれど、彼女だからこそのハジけた表現が1曲でも含まれていたら、もっと面白い形になったかもしれません。
それでも安定路線を突き進むのではなくチャレンジがあるというは、声優のみならずアーティストとしてもっと踏み込みたい意思が見えていいですね。
このアルバムの反応次第でも変わってくると思いますが、次にどんな表現を聞かせてくれるのでしょうか? 想像が広がるので、楽しみに待ちたいと思います。
以上、『伊藤美来:Rhythmic Flavor ~誰かじゃない私だけにできること~』でした。
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伊藤美来:Plunderer ~この道を行くのは誰でもない私の意志だから~
2020/6/17 release 7th Single
伊藤美来:孤高の光 Lonely dark ~今は見えなくても夜はきっと開けるよ~
2020/12/23 release 3rd Album
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