Metallica (メタリカ) ライブ・アルバム「S&M2」。
サンフランシスコ交響楽団 (San Francisco Symphony)と共演し、1999年にリリースし、グラミー賞を受賞したライブ・アルバム「S&M」の第2弾。
リリース20周年を記念し、2019年9月にサンフランシスコに新設の多目的アリーナ チェイス・センターのこけら落としで行われた2公演を収録したアルバム。
生のオーケストラとメタルの融合。今作も変わらずしびれてしまう内容です。
S&M2 収録曲概要
「S&M2」収録曲は以下の通り。
- The Ecstasy Of Gold
- The Call Of Ktulu
- For Whom The Bell Tolls
- The Day That Never Comes
- The Memory Remains
- Confusion
- Moth Into Flame
- The Outlaw Torn
- No Leaf Clover
- Halo On Fire
- Intro to Scythian Suite
- Scythian Suite, Opus 20 II: The Enemy God And The Dance Of The Dark Spirits
- Intro to The Iron Foundry
- The Iron Foundry, Opus 19
- The Unforgiven III
- All Within My Hands
- (Anesthesia) – Pulling Teeth
- Wherever I May Roam
- One
- Master Of Puppets
- Nothing Else Matters
- Enter Sandman
前作とのかぶりは11曲。これが多い、少ないと取るかは聞く人次第ですが、「S&M」以降にリリースされた3枚のアルバムからも曲が選出されています。
ベーシストがロバート・トゥルージロにチェンジしていますし、聞こえてくる音もより濃密になった感じに自分には聞こえました。変化はしっかりとあります。
J-Popで以前に簡易オーケストラのような形が流行ったことがありますが、似ているようで非なるもの。控えめにいっても格の違いを聞かせてくれます。
前作のラストでハイライトになっていた「Battery」が選曲からもれているのは、ちょっとだけ意外でした。逆にあえての部分もあるのかも…。
For Whom The Bell Tolls
2枚目「Ride the Lightning」から「For Whom The Bell Tolls」。(3曲目)
「S&M」にも収録。ヘビーな曲がより激しくなっています。
For whom the bell tolls
Time marches on
「誰のために鐘は鳴る。時が流れていく」。歌詞を含めても、再演で演奏する意味を感じます。オリジナル時は意図はないでしょうから、面白いですよね。
MVで見られる、Metallicaがよく行う円形ステージ。スポーツと同じくどこからも見てもらえるようにが理由でしょうけれど、やっぱり迫力があります。
本来は音の関係で難しい形。当たり前のよう表現するが、格の違いですね。
Moth Into Flame
10枚目「Hardwired… to Self-Destruct」から「Moth Into Flame」。(7曲目)
オリジナルから聞いていてゾクゾクとする曲でしたが、緊張感が増した形に。テンポが大きく変わる曲は、まるでオーケストラとバトルをしているよう。
You’re falling, but you think you’re flying high
「あなたは落ちているのに、高く飛んでいると思っている」。おかしくなっている頭の中が強調されていて、思いの他に大きな変化となっています。
心地のよい緊張感が増していて、カッコいいなと感じずはいられません。
No Leaf Clover
「S&M」から「No Leaf Clover」。(9曲目)
前作での新曲。通常のライブではまず披露されないからこそ、期待に応えてくれました。聴き比べると、バンドの音が変化しているのに気付きます。
特にカーク・ハメットの出す音がギター・ソロを含めて変わりました。
Then it comes to be, yeah
「そうなってくるんだ」。もともとが寂しさを持っていた曲が、さらに物語が先に進んだという感じ。歌詞を見ながら聞くと、情景が浮かんでくるようです。
All Within My Hands
8枚目「St. Anger」から「All Within My Hands」。(16曲目)
パンクなオリジナルとは大きく形を変えた曲。歌詞とメロディーで分かりますが、中には「新曲?」 と思ってしまう人もいるかも…。
Love is control, I’ll die if I let go
「愛はコントロール。手放したら死ぬ」。コントロールができたからこそ、今の形に変化したと思うと、興味深さが増していきます。
自分もですが、オリジナルよりも好きという人は多そう。この曲が「S&M2」で一番のハイライトといっても、過言ではありません。
Nothing Else Matters
5枚目「Metallica」から「Nothing Else Matters」。(21曲目)
「S&M」にも収録された、オーケストラとの相性がとてもいい曲。基本形は変わっていないのですが、それがまたいい感じ。
変化をしたのは、ジェイムズ・ヘットフィールドの円熟味を増した歌声。退化ではなく、進化なのですから、凄い人だなと改めて感じさせてくれます。
Because I know
「俺が知っているから」。歌詞が変わった部分。オリジナルは「But I know、And I know」が混在。「S&M」では「And I know」。
知っているという、言葉の意味では同じ。それでも聞いていると大きな違いを感じずにはいられません。時代とともに変化する思いが興味深い。
気付いてしまうと、Metallicaはヤバい! と感じること請け合いです。
あとがき
前作「S&M」は、個人的に間違いなく最も繰り返して聞いたライブ・アルバム。記憶が古く曖昧ですが、Metallicaを聞くきっかけにもなった1枚のはず。
最高の物を作ったからこそ頻繁になると別ですが、20周年とかだとありですよね。逆にもう作られることはないのかも? と思っていました。
公開されているMV、リリース前にWOWOWで放送を見ましたが、どうしても気になったのはスマホの撮影。ライブの持つ雰囲気をブチ壊しています。
日本は特殊な場合も除いて撮影は不可な場合がほとんどですが、海外はヤバいですね。スマホで撮影なんてしてたら、ライブをしっかりと楽しめないのに…。
個々でいろいろ思いはあるでしょうが、特別な時間がもったいないなと。
Blu-rayで映像としてもリリースされている「S&M2」。見れば多くの人がスマホが邪魔だと思うのは必然ですので、音のみで聞くのを強くオススメします。
耳に集中するからこそ聞こえる音もありますし、断然に楽しめますよ。次が20年後だといろいろ問題がありそうなので、10年後に「S&M3」を期待します!
以上、『Metallica:S&M2 ~20年の時を経てオーケストラとメタルが再び融合~』でした。
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JOE (ジョウ)
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