Marilyn Manson:We Are Chaos ~頭の中の混乱を形にしてみたんだ~

Marilyn Manson:We Are Chaos洋楽レビュー
洋楽レビュー

Marilyn Manson (マリリン・マンソン) 11枚目のアルバム「We Are Chaos」。

前作「Heaven Upside Down」から2年11カ月。カントリーミュージシャン シューター・ジェニングスと共同で制作された今回のアルバム。

従来よりもメロディーがしっかりとあって聞きやすいけれど、しっかりと毒は残されているのが特徴。ここ数作でいえば、気に入る人も多いであろう1枚です。

We Are Chaos 収録曲概要

「We Are Chaos」収録曲は以下の通り。

  1. Red Black and Blue
  2. We Are Chaos
  3. Don’t Chase the Dead
  4. Paint You with My Love
  5. Half-Way & One Step Forward
  6. Infinite Darkness
  7. Perfume
  8. Keep My Head Together
  9. Solve Coagula
  10. Broken Needle

収録時間が長くなる傾向が強かった、Marilyn Manson。前作と同様ですが、10曲で43分のコンパクトさ。久しく聞いていない人はビックリするかも…。

もともとがバンドマスターでしたが、ソロの傾向が強くなったここ数作。 今回はシューター・ジェニングスと共作したことで、音に変化が生まれています。

毒気は変わらずに、触れやすい形になったのはいい変化。言い方は悪いですが、ここ数作でしょうもない曲が増えてきたのを、持ち返してきてくれました。

Red Black and Blue

語りからは入るのが不気味なオープニング曲「Red Black and Blue」。(1曲目)

何色だっていいんじゃないかという思い。人は同じではなく、異なるのが当たり前だ! と言っているかのよう。決められるから怒りにつながるのでしょう。

Either way you’re a waste of my time

「どちらにしてもあんたは時間の無駄だ」。こいつとは合わないな! と思ったら、反論などするのではなく、離れてしまえばいいんです。

関わること自体が時間の無駄。曲名からは、想像できなかった面白い世界の曲。しいていえば、語りの部分は別の曲として分けてしまってもよかったかも…。

We Are Chaos

先行シングルかつ、リード曲「We Are Chaos」。(2曲目)

切ない思いなのですが、思わず口ずさんでしまうメロディーを持った曲。

カントリー調の始まりは従来のイメージからすると驚きとともに、本当にシューター・ジェニングスと共同での制作なんだと感じされてくれます。

We are sick, fucked up and complicated

「俺たちは病気で、めちゃくちゃ複雑」。誰かに言われるのではなく、自ら認めることで寂しさを増している曲。切ないけれど、心地よさがあるのも不思議。

Marilyn Manson だなと見てすぐ分かるMVは秀逸。聞いているだけでも興味深いですが、ライブでどう表現がされるのか気になります。

Don’t Chase the Dead

「死者を追いかけないで」と意味深長な「Don’t Chase the Dead」。(3曲目)

聞く人によって感じ方が変わるであろう曲。個人的には、過去にすがって生きている人たちへの皮肉に聞こえました。それって今を生きてる? という感じで。

If tonight lasts forever
It won’t matter if there’s no tomorrow

「今夜が永遠に続くなら、明日がこなくてもいい」。きれいなように見えて、未来がない、寂しい思い。崩れ落ちるとしても、先がある方がいい気がします。

「死者を追いかけないで = 終わったことを気にするな」なのかも…。過去にすがるからこそ、また逆に追い詰められることになる。なんか寂しいです。

Half-Way & One Step Forward

聞き覚えのあるようなメロディーの「Half-Way & One Step Forward」。(5曲目)

Coldplay の雰囲気がある曲。歌詞は全く趣向が異なるのですが、そう思ってしまったら、逆に面白みが増して聞けます。よくあるメロディーですが…。

Half-way and one step forward
Past the point of no return

「途中で、一歩前に進む。後戻りができないから」。マンソンが若いころであれば出てこなっかったであろう歌詞。人生の半分はこえたというのがあるかも。

若年層よりも、ある程度は年齢を重ねてきた人の方が感じることがありそうな曲。聞き方次第ですが、メッセージ性の強さを自分は感じました。

Broken Needle

アルバムのラストは寂しさと決意の思い「Broken Needle」。(10曲目)

最後を締めるのに必要な曲。自分が混乱しているのが分かっているからこその、あふれ出す強い意識。全体を通してだからこそ、意味合いが強くなります。

I’ll never ever play you again
Then I’ll put you away

「もうあなたを演じない。片付けるんだ」。誰か特定の人を排除するのではなく、自らの心の中にいる闇。今の死は、新たなる生を感じさせます。

また、「そうだ! ミディアムバラードはうまかったんだ」と思い出せてくれる曲。寂しく強さも持った思いは、気にならないという方が難しいかも。

自分もですが、アルバムの中でもこの曲好き! となる人が、多くいそうです。

あとがき

少し特殊なバンドだからこそ、マンソンの迷いが感じられたここ数作。シューター・ジェニングスとの共同での制作が、大きな変化を起こしています。

完全復活とは言わないまでも、新しいフェイズが始まった感もある1枚。誰か右腕がいた方が良くなると、制作しているマンソンもきっと気付いたはず。

これからもMarilyn Manson の顔であることは変わらないですが、パーマネントのギタリストが付くと、もっといい感じに変化するのは間違いないでしょう。

このままカントリーの雰囲気を持った形でバンドが進むとも思わないですし、ウルトラCで、John 5を呼び戻すことを期待しちゃいます。

テクニック、ビジュアル、おまけに作曲能力。今こそバンドにとって必要な人材ではないでしょうか。今回のアルバムもいい感じには戻ってますけどね。

ガチでハジけたカッコいい時期を知っているだけけに、”もっと”をMarilyn Manson には期待しちゃいます。

 

以上、『Marilyn Manson:We Are Chaos ~頭の中の混乱を形にしてみたんだ~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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