Marilyn Manson:Mechanical Animals ~心は永遠に壊れたまま…~

Marilyn Manson:Mechanical Animals洋楽レビュー
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Marilyn Manson (マリリン・マンソン) 3枚目のアルバム「Mechanical Animals」。

前作「Antichrist Superstar」から2年。1度目にしたら頭から離れることがないジャケットだけでなく、音楽としても重要な位置をしめる1枚。

大ヒット映画「The Matrix」の重要な位置に収録曲「Rock Is Dead」が起用されたこともあり、初めてバンドに触れることになった人も多いはず。

Marilyn Mansonを聞くなら、まずこれは外せない! というアルバムです。

Mechanical Animals 収録曲概要

「Mechanical Animals」収録曲は以下の通り。

  1. Great Big White World
  2. The Dope Show
  3. Mechanical Animals
  4. Rock Is Dead
  5. Disassociative
  6. The Speed of Pain
  7. Posthuman
  8. I Want to Disappear
  9. I Don’t Like the Drugs (But the Drugs Like Me)
  10. New Model No. 15
  11. User Friendly
  12. Fundamentally Loathsome
  13. The Last Day on Earth
  14. Coma White

怪しい雰囲気は音にも現れていますが、ポップな要素も多い1枚。強烈な激しさからの移行は、聞きやすさにもつながっています。

敬遠される場合がありますが、メタルなどでも人を引きつけてきたアルバムには、必ずポップな要素があるもの。聞く人によってはどこが? ですが…。

当時はバンドとして同じ音を出さないというポリシーもあったみたいですけれど、うまく露出のタイミングにもあてはまったのが、このアルバムといえます。

手を差し伸べているわけではなくても、こちらからつなぎたくなる感じ。全体を通しての芯があるのも、クオリティーを上げている一因になっていますよ。

Great Big White World

怪しげな音とささやきにより始まる「Great Big White World」。(1曲目)

曲名の通り世界の始まりという感じで、いつの間にか入り込んでしまいます。このミディアムテンポで心をつかむというのも、この時期のバンドの強さでしょう。

All my stitches itch, my prescription’s low
I wish you were queen, just for today

「塗った後がかゆく、処方箋が足りないんだ。今日だけあなたが女王であってほしい」。白の世界へあなたを引きずり込む誘いの言葉。

怪しいし、話にのっちゃだめだと思っても、体はイエスと反応してしまいそうです。

The Dope Show

アルバムからのファーストシングル「The Dope Show」。(2曲目)

グラム要素が強く、聞いていると自然と口ずさんでしまう曲。言葉の意味が分からなかったとしても、気持ち良さを感じる人がいそうです。

They love you when you’re on all the covers
When you’re not, then they love another

「愛されるのはあなたが全てをカバーしている時。そうでない時は、彼れらは別の誰かを愛している」。意味が不明のようで、深くも感じる部分。

愛するからこそ、愛される。それでより深みにハマったいくというのは、ロックな感じがしました。ギブ・アンド・テイクを表現しているかのよう。

コピーする人も多いと思いますが、同じように表現するのはまず無理です。

Mechanical Animals

アルバム・タイトル曲「Mechanical Animals」。(3曲目)

壊れていく心境を表したような曲。自分でもその状況に気付いているのに、これでいいんだと思いが変化していくのが、寂しさを感じさせます。

This isn’t me, I’m not mechanical
I’m just a boy playing the suicide king

「これは私でも、機械でもない。私は自殺を演じている少年だから」。最後に”King”が付くのが権力を持った王でもあり、自分の意思にも感じます。

壊れているのに気付き、廃れていく…。今に聞いた方が切なく感じました。

Rock Is Dead

映画「The Matrix」にも起用された「Rock Is Dead」。(4曲目)

ドキドキするリズムに、一緒にコーラスをしたくなる歌。「Rock Is Dead」と歌ってはいるけれど、新たしいワクワクさえも感じさせます。

Rock! La, la, la, la, la, la

聞いていて楽しくなってしまうコーラス。歌詞は結構激しいことを言っているのですが、自分の思うように表現すればいいという感じでしょうか。

その時代でしか聞けないはやりの曲に対しての、皮肉にも聞こえます。他のジャンルにはない毒が入ることで、やっぱりロックはカッコいい! なと。

また、演っていることはシンプルでも、ゾクゾクとするのは最大の魅力ではないでしょうか。1度コピーすると、手癖のように弾いちゃったりする曲ですよ。

I Don’t Like the Drugs (But the Drugs Like Me)

言葉が強い「I Don’t Like the Drugs (But the Drugs Like Me)」。(9曲目)

メッセージソングとも取れますが、Marilyn Mansonが歌うと、別の意味があるんじゃないの? と感じてしまうのが面白い。

I don’t like the drugs but the drugs like me

「ドラッグは嫌いだが、俺のことを奴らは好きだ」。訳し方によっても意味合いがことなってくる部分。後半は「俺のようなドラッグ」ともできます。

改めて歌詞を見ながら聞いて、興味が強くなった曲。意味が全く分からずに聞いていた少年のころも好きでしたが、違う感覚で聞ける今も面白いです。

New Model No. 15

タイトル曲「Mechanical Animals」の続きを感じさせる「New Model No. 15」。(10曲目)

壊れてしまった自分が、新しくなっていく様子。No.15というのが、生まれ変わっても完全ではなく、繰り替えていることを想像させます。

I’m the new, I’m the new, new model
I’ve got nothing inside

「私は新しいx3 モデル。何も入っていない」。意思が入っていない肉の塊であるというのが、切ない思いを強くさせます。続く言葉がまたエグいんです。

皮肉がたっぷりというか、それしかない感じは、めちゃくちゃロック! メインになる曲ではないですが、楽器を弾く人ほど好きな人は多いかもしれません。

スタッカートが強めでブツッと切る形は、コピーしてみると楽しいですよ。

Coma White

「Great Big White World」で始まった世界が終わりを告げる「Coma White」。(14曲目)

ハッピーな終わりではなく、バットエンド。やり直したら変えられるのではなく、延々と繰り返すであろうというのが、やり切れなさを感じさせます。

緩和するどころか、より深い闇へと引きずり込まれる。寂しく切ない形であるのに、それでもいいかと思わせてしまうの人は、病んでいるのかもしれません。

But all the drugs in this world
Won’t save her from herself

「この世界の薬物は、彼女自身を救うことはない」。現実に引き戻される言葉。

このアルバムで表現しているのは白い粉の誘惑と、吸ったのか注入したのかは分かりませんが、幻覚を見ていた姿を表しているのかもですね。

あなたの選択は間違っていたと否定するのではなく、ただただ現実を突きつける。歌詞を見て聞いていくと、寂しくもあり、怖い世界が表現されていました。

それでも心に入り込んでくる内容。このアルバムが気に入ってしまう人は、分かっていても寂しさを求めているのかもしれませんね。

あとがき

制作時点では間に合っていませんが、MVとツアーからバンドに参加して後に加入したJohn 5。黄金期に移行するという意味でも、重要なアルバム。

今はなき、東京ベイNKホールで「Mechanical Animals」に伴う日本公演が行われましたが、見に行って衝撃を受けた記憶があります。派手さと説得力。

また、John 5がテレキャスでなく、Ibanez のAX series を使用していたのも、印象に強く残っています。結局買わなかったですが、めっちゃ検討したので…。

で、今も持っている j.custom を購入した気がします。前過ぎて記憶が曖昧ですが、自分の名前にも含まれる「J」が入るのが確か決め手になったような…。

話を戻して、近年のソロのイメージではなく、バンドが根本にあるということも、この時期にMarilyn Mansonが輝いていた理由の1つではないでしょうか。

定期的に聞くたくなるアルバム。その理由は出す音が他に対象がないでなく、ポップでカッコいいというのが理由な気がします。今からでもオススメです。

 

以上、『Marilyn Manson:Mechanical Animals ~心は永遠に壊れたまま…~』でした。


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JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

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