Mammoth WVH (マンモス・ダブリューブイエイチ) 1枚目のアルバム「Mammoth WVH」。
前作「Distance」から7ヶ月。ロック好きでなくてもご存じエドワード・ヴァン・ヘイレンの息子、Wolfgang Van Halenのソロ・プロジェクトの1枚目。
「Distance」の時点でその徴候はありましたが、いい意味で聞き手をびっくりさせてくれる内容。今後の活動も期待せずはいられない良作です。
Mammoth WVH 収録曲概要
「Mammoth WVH」収録曲は以下の通り。
- Mr. Ed
- Horribly Right
- Epiphany
- Don’t Back Down
- Resolve
- You’ll Be the One
- Mammoth
- Circles
- The Big Picture
- Think It Over
- You’re to Blame
- Feel
- Stone
- Distance
アルバムを聞いてビックリするのは、魅力的な歌声とクオリティーの高い楽曲。驚くべきは、全ての作詞作曲と演奏を含めWolfgangによるものだということ。
シンガソングライターで打ち込み主体であればさして珍しくもないですが、ギターにベース。ドラムを含めてがっつり演奏。しかも、どこにも弱さがない!
お父さんが偉大な人だけに、彼は別の視点で見らることもあると思いますが、すごい才能の持ち主です。もちろん努力も相当したのでしょう。
たまたま1曲ならまぐれがあるとしても、そうじゃないですから。仮に聞くきっかけが冷やかしであったとしても、楽しめるのは間違いないアルバムです。
Mr. Ed
あなたも俺も「Mr. Ed」。(1曲目)
「Distance」と同じく、エドワード・ヴァン・ヘイレンに向けたであろう曲。1枚目のアルバムとして、始まりと終わりで閉める意味を感じさせます、
You’re there and I’ll still be right here, oh
「あなたはそこにいて、俺はまだここにいるよ」。天国と現世と住む世界は今は異なっているけれど、2人ともMr. Edということでしょうか。
状況はどうあれ、親子の関係というのは変わりませんから。遠く離れてしまったけれそ、俺はやるぜ! 父さん。のメッセージであるように感じました。
多くの人に想像が働くからこその曲。あえて含めてくるのが、面白いです。
Horribly Right
これが真実「Horribly Right」。(2曲目)
考えられないような非現実も起こる日常。かんたんにはいかないからこそ面白いのですが、恐ろしくなってしまうこともあります。
特に今の世界的な状況なんて、だれも想像してなかったことですよね。
Slippin’ down, slippin’ down, so come with me
「スリップダウンx2 だから一緒に行こうぜ 」。滑り落ちてしまうこともあるからこそ、そのままではなく、一緒に行こうぜと。
落ちないで上がれたらラッキーですし、滑ってしまっても1人でなかったら、つらさも半減するでしょうから…。下なんて見ていない、前向きな感情。
良い状況ではないからこそ、見える世界を変えようぜ! のポジティブさです。
Don’t Back Down
![]() | 「Don’t Back Down」 フルMVをApple Musicで観る |
人生は思っているよりも短いのだから「Don’t Back Down」。(4曲目)
長いようで、実際はそうでもない人の人生。だからこそ、後退なんてしてる暇なんてないぜ! というのは、自分のケツを蹴飛ばす思いでもありそうです。
Won’t be long until we’re dead and gone
「俺たちは死ぬまでは長くないよ」。人生100年時代とは言われるようにもなりましたが、全ての歴史から見たらほんの一瞬のもの。
寿命を全うする人もしれば、思いもよらないことで亡くなってしまう人もいる。だからこそ、後退なんてしていたら後悔しちゃうぜ! ってことなのでしょう。
始まりがあるからこそ、終わりがある。思いっきり楽しめ! ってことですね。
Resolve
あなたにはない「Resolve」。(5曲目)
何かを失うには、理由があるもの。それを知らずにしているのは寂しくない? と問われているような曲。憐れむではないですが、なぜ? の思いが切ないです。
You won’t ever know the resolve
「あなたは決意を知ることはないだろう」。去ってしまう直前であったとしても手を差し伸べたり、言葉を投げかけられていたら変わったであろう結果。
それでもできないのが、あなたであるからこそでしょう。分かってもらえないと知っていても、気付いて欲しいという思いも感じさせます。
届かない思いは、このアルバムの中でも特に強い寂しさを誘います。
Mammoth
ただの過去にしないために「Mammoth」。(7曲目)
存在したのは分かっているけれど、今は絶滅してしまったマンモス。生き残れなかったのには理由があり、もしもが出来ていたらも見えてくる現在。
人は間違いを起こすからと、重ねているのがテーマとして面白い部分です。
It’s okay
To get back up and start again
「いいじゃん。立ち上がって再開するには」。ミスっても、そこから学び、改善できることがあるもの。同じことを繰り返さなければいいんです。
マンモスは生きられなかったけれど、人ならできるのですから…。
デイヴィッド・リー・ロスが加入し、Van Halenと改名する前のバンド名をもらって頭に付けたのか、この曲を聞くと少し分かるような気もします。
Think It Over
選択する時は「Think It Over」。(10曲目)
よく考えることをせず、行動してしまう人が多い昨今。その言葉を言ったり、行動をしたらどうなるかは、容易に問題になることが分かるはす。
「Think It Over = 考えてみて」は、そんな人たちへのメッセージに聞こえます。
Cold regret
Remembering the words you said
「冷たい後悔。あなたが言った言葉を覚えている」。言葉を発した側は軽い気持ちであったとしても、受け手に取っては大きなことであることもあります。
人は通常は傷つけようとも思っていなければ、反対側になることも望んではいないはず。瞬発的ではなく、少し考えての行動は必要なことではないでしょうか。
こうしなければや、しろよ! ではない、考えてみて。相手のことを思うからこその優しい言葉です。その思いもですが、これはすごくいい曲。
個人的に一番最初に通して聞いた時に引っかかったのは、この曲でした。
You’re to Blame
この全ての出来事は「You’re to Blame」。(11曲目)
誰に向けて言っているのかで、印象が大きく変わってくる思い。あなたの周りにいる人に当てはめてはどう? と言われているような気もします。
World still spins around without you
No one but yourself to blame
「あんたがいなくても世界は回っている。自分の以外の誰も責任はないし」。不満がない難しくても、対象がいないものと考えたら楽になれるのかもです。
また、世界とはおそらく自分の周りのこと。そう考えると何か対象の人物がいるのではなく、心の中にいる弱さや邪魔するもう1人の自分に対してなのかも。
その他の曲もですが、固定の断定をしないからこそ、想像が広がります。
Feel
常に変わっていく「Feel」。(12曲目)
同じことであっても、時と場合や人それぞれでも変わる感覚。そこに「なぜ?」と疑問を投げかけるという、テーマ的に面白い曲。
正解はずっとでないでしょうけれど、だからこそいいのかもしれません。
You feel something
I feel nothing
I know something’s wrong
「あなたは何かを感じる。俺は感じない。何かが間違っていることを知っているよ」。この”何か”が分からないからこそ、誰もが人に興味を持つのでしょう。
全てが想像できて、結果もその通りになったらつまらないですから…。テーマとして、続くものが作れそうな曲。パターンも増やせそうなのもポイントかも!
あとがき
偉大なるお父さんと、デカすぎる見た目。両方を合わせて本質と異なる視点で見られることはあるのでしょうけれど、彼は想像とはちょっと異なりますね。
インタビューでエドワード・ヴァン・ヘイレンの息子ではなく、Mammothの人と呼ばれたいと語っていましたが、思いの外にその時は早く来るのかも…。
また、今作は結構な時間をかけて作成したそうですが、既に2枚目に向けて動き出しているとか。今の状況だと、聞けるのはそう遠くなさそうです。
中には1枚作って燃え尽きる人もいますが、異なるということに加えて、1枚作ったという実績は心境的にきっとプラスに働く気がしています。
ただし、「Distance」の時も記述していますが、弱点があるとしたら、デカすぎるその見た目。音はもちろん、ビジュアルはカッコよさに大きく関わる部分。
元は悪くないのですから、願わくば普通の体型。そうでなくてもせめて50キロぐらい痩せることができたら、見える景色が一変するのではないでしょうか。
表現する音は素直にカッコいいので、冷やかし半分でも聞いてみることをオススメします。きっと多くの人達にとって、持っていた印象が大きく変わりますよ。
以上、『Mammoth WVH:Mammoth WVH ~あなたの想像を変えてやる~』でした。
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2020/11/16 release Digital Single
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2021/6/11 release 1st Album
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JOE (ジョウ)
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