Korn (コーン) 13枚目のアルバム「The Nothing」。
前作「The Serenity of Suffering」から約3年。バンド結成時からコンスタントなアルバム制作は、止まることがありません。
アルバム・タイトルが「The Nothing」であること。13枚目のアルバムで13日の金曜日にリリースというのは、少し不吉で意味深な感じがしますよね。
Kornの独特な低音の重さはそのままに、切なさや寂しさを感じてしまうアルバム。音も歌詞も軽くはないのに、それでも繰り返して聞いてしまいます。
The Nothing 収録曲概要
「The Nothing」収録曲は以下の通り。
- The End Begins
- Cold
- You’ll Never Find Me
- The Darkness is Revealing
- Idiosyncrasy
- The Seduction of Indulgence
- Finally Free
- Can You Hear Me
- The Ringmaster
- Gravity of Discomfort
- H@Rd3r
- This Loss
- Surrender to Failure
曲名からもアルバム・タイトルの「The Nothing = 何もない」という、切なさを感じる形になっています。コンセプト・アルバムに近い感じがしました。
ボーカルのジョナサン・デイヴィスの別居中とはいえ若くして急死した妻の出来事が、このアルバムには大きく反映されているのでしょう。
あったはずの人や物が0になってしまうのは、大きな変化がありますよね。レクイエムのような内容です。
Kornは以前、アルバム・タイトルがない「無題」というのがありましたが、今回の「The Nothing」とは意味合いが全く違う気がしました。
The End Begins
オープニング曲「The End Begins」。(1曲目)
「The End Begins = 終わりが始まります」というのは、アルバム・タイトルの「The Nothing」をそのまま表しているような曲。
少し不思議な音階と、1分31秒という短い曲は妙に引き込まれるものがあります。最後に繰り返される「They’re coming」はなんとなく怖いです。
本格的な曲というよりもSE的な曲ですが、アルバムジャケットにもつながっている気がします。ケーブルで輪郭は残っていても、中身はもうないという…。
You’ll Never Find Me
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アルバムからのファースト・シングル「You’ll Never Find Me」。(3曲目)
曲名からも歌詞からも、寂しさを強く感じる曲です。絶望まではいかないですが、迷いながら希望も見つけられない状況は、寂しい感じがします。
無機質で冷たい鍵盤の音と、Kornならではの低音がさらに寂しさに華を添えているという…。寂しいのですが、気になってしまう感じはKornの曲ですね。
低音でも音が聞き取りやすいのでコピーしやすい曲ですが、バンドではなく一人でずっとコピーしていると、元気な気力は奪われてしまうかもしれませんよ。
Can You Hear Me
![]() | 「Can You Hear Me」 フルMVをApple Musicで観る |
「あなたはどこに行ってしまったの? :と問いかけるような「Can You Hear Me」。(8曲目)
この曲はボーカルのジョナサン・デイヴィスから、急死した妻へのメッセージソングなような感じがします。感じというか、そうであって欲しい曲。
オープニング曲の「The End Begins」でも最後に歌詞が繰り返されましたが、この曲でも最後に同様の形で歌われています。
「I Know I’ll never be the same again」…。聞いていてとても切ない! アルバムの中でも、特に歌詞に注目して聞いてほしい曲となっています。
This Loss
失くしてから気付いた思いを歌った「This Loss」。(12曲目)
Kornならではの重さはあるのですが、間奏の鍵盤の演奏を含めて、新境地といえるかもしれません。今作の中で特に意外性を感じた曲です。
最初は従来のKornの曲かなと聞いていると、なんか違うぞ? と聞いているうちに変わっていくという…。歌い方も少し違うのに、聞いていると気付きます。
リズムの一部になっているようになっていますが、この曲も最後に歌詞が繰り返されるのが、気持ちがとてもこもっているように聞こえました。
あとがき
アルバム・タイトルの「The Nothing」通り、持っていたものがなくなっていってしまったら、もう手にする可能性はないんだと感じてしまう内容です。
曲も切なく寂しさがありますが、歌詞を見るとよりその深さを感じてしまいます。その他は無機質な鍵盤の音が、キーになっているような気がしました。
無くなってからではなく、無くなる前に何かできることがあるのでは? と、考えさせられます。重さの中にある切なさと寂しさは、Kornの中で1番かもです。
内容は絶望ではないですが、暗く気分が落ちている時には深く聞くのはオススメはしないアルバム。何もない暗黒の世界に、導かれてしまうかも…。
以上、『Korn:The Nothing ~全てがなくなった時にあなたはどうする? ~』でした。
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JOE (ジョウ)
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