King Gnu (キングヌー) 1枚目のアルバム「Tokyo Rendez-Vous」。
前身バンドSrv.Vinci (サーヴァ・ヴィンチ)からKing Gnuへと改名をして、2017年にリリースされたアルバム。
Srv.Vinciは基本が英語の歌詞。King Gnuは日本語の歌詞を親しみやすいメロディー乗せることを重視しているので、聞いた印象が少し変わっています。
といっても音楽性が大きく変わっているわけではありませんので、Srv.Vinciからのファンはもちろん、新しく聞く人も楽しめるアルバムです。
Tokyo Rendez-Vous 収録曲概要
「Tokyo Rendez-Vous」収録曲は以下の通り。
- Tokyo Rendez-Vous
- McDonald Romance
- あなたは蜃気楼
- Vinyl
- 破裂
- ロウラヴ
- NIGHT POOL
- サマーレイン・ダイバー
これはKing Gnuのアルバムですが、Srv.Vinciの時にタワーレコード限定でリリースさたミニ・アルバム「トーキョー・カオティック」の4曲も収録。
このことからもバンド名は変わっているけれど、延長性にあるということがわかります。プレミア価格のミニ・アルバムに、手を出す必要はありません。
ミニ・アルバムとは曲順も異なるのに完全に同化していますから、今回が完全盤とも言えます。カオスからランデブーになるとは、センスあり過ぎです。
Tokyo Rendez-Vous
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東京での暮らしを歌った「Tokyo Rendez-Vous」。(1曲目)
新しい都会での暮らしを、ランデブーと表現しているのが面白い! メンバーの2人が長野県出身で同郷なので、気持ちがより伝わってくる気がしました。
自分は転勤族の息子だったので土地そのものには思い入れはないですが、出身が同じ長野県というのがあると、気になってしまう人が多いです。
満員電車や混沌としている東京はうんざりだけど、それでもランデブーしていくしかないんだというのが、歪ませた歌声に現れている感じがしました。
文句のようで楽しんでいるようにも聞こえるのが、面白い曲。自分にはないセンスなので、聞いていてとても興味深く聞いてしまいます。
McDonald Romance
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過去を回想する歌「McDonald Romance」。(2曲目)
お金はなかったけれど、それが不満ではなく楽しかった。現在ではなく過去のことだからこそ、懐かしく思えてしまうこともあります。
もう財布の底は 見えてしまったけど
それさえも笑いあった それさえも恋だった
しがらみがなく、駆け引きのない関係。恋もですが友人としての関係も大人になる前からの関係の方が長続きするのも、純粋な心があるからでしょうか。
曲名を見て「ん? 」と思っても、曲を聞き、歌詞を見ると納得。人は時とともに成長するけれど、思い出すこともたまにはいいよねと感じさせます。
あなたは蜃気楼
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振り回される様子を歌った「あなたは蜃気楼」。(3曲目)
蜃気楼は英語でMirageとしてよく曲名やテーマに使われますが、あなたは蜃気楼というのは面白いなと、タイトルを見ただけで引かれました。
蜃気楼は光の屈折現象で、同じ物の見え方が異なることを指す言葉。実際、見たり合ったりするたびに別人じゃないか? という人がまれに見ますよね。
口に出してあまり言うことではないので、自分だけの感覚ではないんだと、この曲を聞いて安心しました。言葉としては聞かなくても、やっぱりあります。
この曲の面白いのは蜃気楼のような人をけなすのではなく、僕を振り回してと歌っているところ。振り回さないではなく、逆であるのが実に面白い!
難しいテーマだと思うのですが、日本語のメロディーとして耳にしっかりと入ってくるというのは、King Gnuのコンセプト通りではないでしょうか。
曲の最後に「ウフフフフ」と笑い声が入っているのが、たまらなく好きです。
Vinyl
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ワウペダルでわちゃわちゃしたメロディーが楽しい「Vinyl」。(4曲目)
Srv.Vinciでリリースしたミニ・アルバムにも収録されていた曲。一枚壁をはさんでという表現はよくありますが、ビニールというのは独自性があります。
本当の自分は気持ちはまだ隠れているんだろ? というのは、誰にでもあるもの。少し透けて見えるビニールだからこそ、情景がすぐに思い浮かんできます。
どんな刺激のある生活をしたらこの歌詞が出てくるのか、興味津々! 展開が多い曲なのに、しっかりと聞かせるセンスはすごいなと感じました。
サラッと軽く聞いても、深く聞こうとしても楽しめますよ。
ロウラヴ
ロックバンドらしい「ロウラヴ」。(6曲目)
この曲の歌詞はいろいろな解釈ができますが、別れたくたくも別れられない関係を歌ったのでしょうか? 結びあったことで、同士になってしまっている。
Srv.Vinciでリリースしたミニ・アルバムにも収録されていますが、MVがとても印象的。ロックバンドならではの、カッコいい形となっています。
この曲にはSrv.Vinciの1枚目のアルバム「Mad Me More Softly」で感じたような、ビジュアル系の要素を感じました。特にLUNA SEAのSUGIZO。
自分が通ってきた道だからこそ、聞いていて要素が面白く感じました。
サマーレイン・ダイバー
アルバムのラストを飾る「サマーレイン・ダイバー」。(8曲目)
Vinyl、ロウラヴと同様に、Srv.Vinciでリリースしたミニ・アルバムにも収録されていた曲。ゆっくりと繰り返されるメロディーがクセになります。
普通のバンドであればテンポを上げてしまうであろう曲をゆっくりにしたままにしたことで、浮遊感と世界観に引きずり込まれるという人は多いはず…。
春でも夏でもない天候が安定しない梅雨の季節を表しているのが、曲中に変わるテンポであったり、トーンダウンすることで、うまく表されています。
歌詞だけでなく演奏で季節を表すというのは面白いですし、この曲のゆっくりしたワウの使い方は、ギタリストは聞いて気になるのではないでしょうか。
ダンスなんてしたことはないですけれど、ゆっくりと揺れていたくなります。
あとがき
Srv.Vinciも聞いていてクセになる内容でしたが、King Gnuの1枚目もクセになる感じがあります。
ストレートなロックバンドとは異なるからこそ、とっつきにくいのかなと思うのですけれど、マニアックになり過ぎずに入り口が用意されているんです。
一度入り口から中に入ってしまうと、出口を探さずに奥へと進んでいってしまうようなアルバム。King Gnuは聞いていて面白いです。
King Gnuはdela 沢口愛華ちゃんがオススメしていたのが聞いたきっかけですが、Srv.Vinci、King Gnuどちらも面白くて気に入りました。
現役のアイドルにも支持されれるKing Gnu。面白い存在。加えて、この音楽センスは自分にもちょっと欲しいなと思っています。カッコいいバンドです。
以上、『King Gnu:Tokyo Rendez-Vous ~離れられない密接な関係~』でした。
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