King Gnu:CEREMONY ~ここから聴き逃がせない式典が始まる~

King Gnu:CEREMONY邦楽レビュー
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King Gnu (キングヌー) 3枚目のアルバム「CEREMONY」。

前作「Sympa」から丸1年ぶりとなるアルバムです。3枚の配信限定シングルを挟んでいるので、常にKing Gnuがどこかにいるというような1年でした。

タイアップ曲が大半でポップ感が強くなっているのに、独自のロックであること。曲数が単に集まっただけでなく、アルバムであることに意味を感じます。

他のバンドではなかなかマネができない、King Gnuならではのアルバムです。

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CEREMONY 収録曲概要

「CEREMONY」の収録曲は以下の通りです。

  1. 開会式
  2. どろん
  3. Teenager Forever
  4. ユーモア
  5. 白日
  6. 幕間
  7. 飛行艇
  8. 小さな惑星
  9. Overflow
  10. 壇上
  11. 閉会式

曲名を見ただけで曲が思い浮かぶのは、タイアップ曲の多さでしょうか。だからこそ曲は濃くなっているのに、ちゃんとアルバムの1曲になっているんです。

その1つの理由として、インスト曲の3曲「開会式、幕間、閉会式」がうまい具合にハマっています。「Sympa」同様ですが、間のとり方がうまいですよね。

3曲は全くの新曲ではなく、前身バンドSrv.Vinciの改名前Mrs.Vinci (ミセス・ヴィンチ)時に発表した「Mrs.Vinci In Tokyo」の一部です。

2013年発表の曲のインストパートが、2020年のアルバムの一部になる。しかも確実に必要な一部となっているのが、音楽の面白さを感じます。

音楽の面白さを感じさせてくれるのも、King Gnuの魅力になっていますね。

どろん

映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」主題歌の「どろん」。(2曲目)

自分の味方なんてどこいるか分からないから、消えてしまいたい気持ち。消えたい気持ちがあるからこそ、「どろん」という曲名なのかも…。

忍者のどろんっと一瞬で消える行動から、昔一人で飲み会など早く帰る時など「どろんします」なんて言葉がはやったんです。面白い曲名ですよね。

知らずにうちに葬られようが
後には引けやしないんだ

弱い消えたい部分も見せるのに、負けない部分も見せる。興味深い歌詞です。

King Gnuの強みでもありますが、2人ボーカルがいることで同じメロディーと度をずらして歌えるのが、とても強みになっている曲でもあります。

ボーカルが1人だと、ライブでは同期を使うしかないですから…。音源の時点で強力な曲ですが、ライブでこそ真価を発揮しそうな曲です。

Teenager Forever

ソニー「完全ワイヤレス型ノイキャンイヤホン WF-1000XM3」CMソングの「Teenager Forever」。(3曲目)

CMはカッコよかったのに、MVは面白くなっているのが興味深いです。出落ちがピークかと思いきや、面白さをキープするMVは最高ですね。

めくるめく今という煌めきに
気づけたらいいんだ

誰もティーンネイジャーの頃に持っていた楽しい思いや、夢や希望をずっと忘れんなよ! 的なメッセージに、楽しくやろうかな? という気にさせられます。

以前の思っていたように明日を信じてみようぜ! と背中を押してくれる曲です。

ユーモア

スマートフォン用アプリゲーム「ロマンシング サガ リ・ユニバース」1周年記念TVCMソングの「ユーモア」。(4曲目)

夜中は1人で思いふけってしまう人も多くて、忘れてしまいがちなユーモア。忘れるのが悪いんじゃなく、違う考えもいいじゃん! というのがいいですね。

暗くなったら火を灯そう
孤独を分け合えるよ

明かりとともにユーモアもできるよではなく、孤独を分け合えるよ。孤独を分け合っていったら、小さな孤独になる。ユーモアも思いだすかもですね。

たんたんとしたリズムの曲だからこそ、心の中に響いてくる曲です。

白日

日本テレビ系 土曜ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」主題歌の「白日」。(5曲目)

初出場となった、第70回NHK紅白歌合戦でも歌われた曲です。何気に配信限定曲で紅白歌合戦に出場となると、King Gnuが初じゃないでしょうか?

今後も一般化していくであろうサブスク配信が進めば増えてくるでしょうけれど、先駆者となりそうです。最初だからこそ、すごくロックを感じますね。

「白日(はくじつ)」とは、輝く太陽。昼間、白昼のこと。朝日でも夕日でもない、当たり前のように輝く時だからこそ、全てを隠したくなるのかも…。

明るいからこそ、全てを消したくなる思い。分かる気がします。聞く人によっていろいろな解釈ができるのも、King Gnuの代表曲と言われる理由かもですね。

聞くたびにいろいろな感情を感じる、興味がつきない曲です。

飛行艇

ANA 国内版テレビCM「ひとには翼がある」篇CMソングの「飛行艇」。(7曲目)

飛行機ではなく、飛行艇という曲名がいいです。同じ空を飛ぶでも、風にのって空を飛んでいるというのは、飛行艇の方がイメージにあいます。

実際はどこでもとはいかなくても、行き来が決められた飛行場のある飛行機よりも、その時に合わせての自由度を飛行艇には感じます。

風の影響が強くて揺れる感じも、命揺らせという言葉が似合いますね。名も無き風であっても、自分を示せよという感じで、力をもらえるような曲です。

リズム的には重い曲であるのに、重くなり過ぎていないアレンジに興味を引かれます。コピーバンドも出てくるでしょうけれど、再現は難しいでしょうね。

小さな惑星

Honda「VEZEL PLAY VEZEL 昼夜」篇 CMソングの「小さな惑星」。(8曲目)

アルバムの中でも明るいイメージの曲で、聞いていて楽しさを感じる曲です。音使いも面白いですし、アルバムの中で重要な位置にある曲になっていますよ。

決まった時間に今日も
叩き起こされるんだ

叩き起こされているのに、今日も目覚めたことに喜びを感じているように聞こえるのは、生きているんだという実感を感じるからでしょうか。

「小さな惑星」とは地球とも、自分の中の世界とも取れる感じです。小さな惑星が大きな惑星となった時の感情はどうなるのか、興味があります。

アウトロがなく曲がスパッと終わるのも、物語の続きを感じちゃいますね。

ブルボン「アルフォート」CMソングの「」。(10曲目)

2人が同じメロディと歌うからこそ「傘も持たすにどこへ行くの? 」が、思いとなって伝わってくる曲です。ツインボーカルの面白さが、感じられます。

特に海外バンドだとツインボーカルのバンドは多くいますが、全く別のメロディを歌ったり役割があるので、King Gnuのスタイルは聞いていて面白いです。

コーラスではなく、しっかり歌えるボーカルがいるからこそですね。

不安になったって
どうしようもない

運命でしょ? と同時に「くもりガラス越しのあなたには もう何も届いちゃいない」とは、心の中にいる自分に向けた言葉なのかもしれません。

思いと行動が違って不安になってしまう自分。それでもハイになったふりをしてしまうからこそ、心模様が土砂降りになっているのかも…。

実際の雨のための傘とも、心の中で降る雨のための傘とも取れて、興味深い曲です。ピッチシフターをかけたギターが迷いを表現している感じも、好きですね。

壇上

歌入りでは最後の曲となるバラード曲の「壇上」。(11曲目)

収録される予定はなかった曲で、アルバム制作の締め切り1週間前に制作された曲です。この曲のありなしでは、アルバムの印象が大きく変わったでしょうね。

「傘」から「閉会式」では流れが違ったでしょうし、足りないと感じた時に締め切りギリギリでも曲を用意できるのが、やっぱりバンドを感じます。

いつでも辿れば
君の元に帰れるように

聞くだけや部分的に見ただけと、歌詞全体を見るとでは印象が変わる歌詞です。

君と僕という対象が出てくる歌詞ですが、別の人ではなく、今の自分と過去の自分である気がしました。歌っているのも、今と過去が曲間で切り替わっている。

音楽を夢見ている少年と、今の音楽で生きている自分。そう考えたほうが、自然に聞ける気がしました。実際はどうなんでしょうね?

収録曲の中で異質な曲は、アルバムの中で1番強い思いをギュッと感じた曲です。聞く人によって印象が変わるであろう曲。あなたはどう感じるでしょうか。

あとがき

12曲で37分と時間は短いのに、時間以上に濃さを感じるアルバムです。

注目を集める中でアルバムを作成するというのは難しい面もあるはずなのに、King Gnuならではのアルバムになっています。さすがですね。

単に曲数があったというだけでなく、アルバムとした時にどう感じるのかを考えたものだからこそ、このクオリティになったのだと思います。

ギタリスト目線でいうと、ギターソロがSrv.Vinciを含めて変わってきたなというのが印象に残りました。誰かではなく、自分だからこそのソロですよね。

今作である「CEREMONY」がすごくいいアルバムですけれど、次に出てくる音がまた変わってくるんだろうなと、期待を感じてしまいました。

〇〇みたいとか、〇〇風がない、カッコいいバンドのアルバムです。

 

以上、『King Gnu:CEREMONY ~ここから聴き逃がせない式典が始まる~』でした。


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