KEIKO (ケイコ) 1枚目のアルバム「Lantana」。
今作にも収録された2枚の配信シングル「命の花 / Be Yourself」「Ray / 始まりは」を挟み、遂にという形でリリースされたアルバム。
音楽でよくある表現の「聞いていて心地がいい」。この言葉がこれ以上ないほどに似合ってしまう内容の1枚です。
Lantana 収録曲概要
「Lantana」収録曲は以下の通り。
- Be Yourself
- 七色のフィナーレ
- 始まりは
- 茜
- 溜め息の消える街
- Ray
- 夕顔
- エンドロール
- Change The World’s Color
- 命の花
シングルの全てが収録されていますので、新曲は6曲。CDでは追加で「茜 -acoustic ver.-」が最後に含まれるという違いがあります。
配信で聞く人も納得。CDを購入する方はプラスがある。全く別の曲でないというのは、ボーナス・トラックとしてとてもいい形ではないでしょうか。
「今までの経験を元に、”新しいKEIKO”を多種多様な音色で表現した」とオフィシャルサイトに記載がありますが、嘘偽りない内容の10曲です。
七色のフィナーレ
アルバムのリード曲「七色のフィナーレ」。(2曲目)
本人作詞の希望の歌。自分だけの希望だけでなく、誰かが残した夢の欠片さえも未来へと持って行くという思い。完全に前しか見ていないです。
七色のフィナーレ
この空を奏でた 君は1人先へ
フィナーレというと最後ですが、終わらせるのは今であり、進むために必要なこと。引きずるのではなく、新たにであるからこそ、もっと先にへと進める。
未来への進む形の面白い表現。こういう形もありだなと感じさせます。
それにしても、MVで見られる美人ぷっりにもびっくり! キレイな人です。
茜
1日が安らぎの時へ向かう「茜」。(3曲目)
手を伸ばしても届くわけではないけれど、いつも見守ってくれていう太陽。始まりの朝日ではなく、夜に向かうための夕日への思いを込めた歌。
目に焼き付く オレンジ
涙を乾かす
日中活動をすることは楽しいことばかりでなく、寂しかったり、涙することもある。それを「何泣いてるの?」とばかりに乾かしてくれるオレンジの光。
必要以上に近づくことはないけれど、いつも後ろで背中を支えてくれている。この曲では例えが太陽ですが、見守ってくれる人への思いだと感じました。
あいがとうの言葉はなくても感謝が分かるのは、興味深い表現です。
溜め息の消える街
見かける顔を見なくなる「溜め息の消える街」。(5曲目)
通常であればいなくなるのは寂しく感じてしまいますが、溜め息ばかりしていた人。見ないということは救われることを意味しますから、うれしいこと。
それでも、どこに行ってしまたんだろうと思うは、必然の感情。
答えは遠い街の 夜霧の中そっと
光を残して
夜霧の中でも光を残し、しかも遠くの街に行ってしまった。もう溜め息ををする街の近くにはいなくなったというのは、喜ばしいことじゃないでしょうか。
溜め息を好んでする人なんて、まずいないですから…。
タイトルの時点の気になっていましたが、興味深い世界観の曲です。
夕顔
切なさが漂う「夕顔」。(7曲目)
「茜」は1日の終わりでも希望であり感謝でしたが、「夕顔」は夜になってしまうのが寂しくなってしまう思い。眠れば夢で思い出してしまうから…。
夢を見た この部屋
遊んで ずっと2人で
意味深長な歌詞は、KEIKOが書いたもの。自分が突っ込んで聞いてしまうからですが、この曲は元Kalafinaの2人に向けた思いかなと感じました。
終わったことの時は戻せないけれど、一緒に夢見たことは楽しかったよという感じで…。そうでなければ、”2人で”と言葉としてなくてもいい気がします。
ちょっと考えすぎかもですが、いろいろ想像ができるのも興味深い曲です。
エンドロール
恋が終わる寸前「エンドロール」。(8曲目)
相手の気持ちは離れているけれど、自分には思いがあるからこそ、なぜ? の思いと、もう一度振り向いてほしい思いを感じる歌。
コーラス部分が心の中の声のようで、すごく寂しい…。
傘を差しても なせだか濡れる
心も冷え切ってゆく
相手の気持ちが離れているのが、実感しているのが分かる部分。実際の雨は傘で防げても、心に降る雨はそのまま振りそそからこそ濡れ、冷えていく。
私の思いとはうらはらに、状況は終わりが近いからこそ寂しくなります。それでも、恋は始まりもあれば、終わりもあるもの。切ないですけどね…。
Change The World’s Color
完全なるロックナンバー「Change The World’s Color」。(9曲目)
こんな表現もできるんだと、びっくりを感じさせてくれる曲。歌声からして似合いそうではありましたが、これでもかと思いっきりはまっています。
メインにはならなくても。これからのソロでもあってほしいな感じました。
たゆたう意識満ちて 世界は色を変える
どうか 心感じて
表現の仕方が変われば、形(世界)は異なってくるもの。〇〇だからとか、イメージにだけに囚われないことも行っていくから! との意思表示にも聞こえます。
現状維持は、いわば後退。好きなタイプというのを抜きにしても、今後のソロ活動がいろいろな面を見せてくれそうなだと、楽しみになった曲です。
あとがき
アルバム・タイトル「Lantana」。その花の和名は「シチヘンゲ (七変化)」と呼ばれるように、外側と内側がでは色が異なるという多様性があるもの。
加えて鮮やかというのは、正に多種多様な音が収録されたこのアルバムそのもの。名は体を表すなんてことわざがありますが、その通りになっています。
曲の幅は広くても、とっちらかったりしていないのもポイント! 今までの経験を元にというのが含まれているのも、十二分で生かされているのが分かります。
元Kalafinaのメンバーという事が多くの人の聞くきっかけだとは思いますが、既存のファンのみならず、新たに聞く人もきっと楽しめる内容です。
KEIKOならではの歌声の心地よさ。聞いていて気持ちがいいですよ。
以上、『KEIKO:Lantana ~たとえ一輪であっても色とりどりの花~』でした。
KEIKO 関連記事
2020/5/27 release Digital Single
KEIKO:命の花 / Be Yourself ~新たなる旅路がここから始まる~
2020/7/15 release Digital Single
KEIKO:Ray / 始まりは ~ここで生まれる新しい光がきっとあるよ~
2020/12/2 release 1st Album
KEIKO:Lantana ~たとえ一輪であっても色とりどりの花~ ←今ココ
2021/3/10 release Digital Single
KEIKO:桜をごらん / 笑ってやる ~始まりの一歩を踏み込むんだ~
2021/9/15 release Digital Single
KEIKO:Nobody Knows You ~あなたの想像とはうらはらに~
2021/10/20 release Digital Single
KEIKO:通り雨 ~私から過ぎ去っていったあなたはまるで…~
2021/11/15 release Digital Single
KEIKO:現実のメタファー ~頭の中での想像が交差する~
関連アーティスト記事一覧
H-el-ical// (ヘリカル)
JOE (ジョウ)
最新記事 by JOE (ジョウ) (全て見る)
- Ed Sheeran:2step (feat. Lil Baby) ~一人の時とは異なる歩み~ - 22年5月22日
- Arch Enemy:Sunset Over The Empire ~夜明けの先にあるのは…~ - 22年5月21日
- Rina Sawayama:This Hell ~届いたのは直行便の招待状~ - 22年5月20日
- Rainych:Zankyou Sanka ~消せないならぶつけて変えてやる~ - 22年5月19日
- 鬼頭明里:怪物 – from CrosSing – ~確実に僕の中にある強い感情~ - 22年5月18日
コメント