KATZE (カッツェ) 2枚目のアルバム「STAY FREE」。
前作「BLIND」からわずか約7カ月。期間的には短くても確実な成長をみせ、バンドが残した4枚のアルバムの中でも、代表作となる1枚。
聞けば一緒に口ずさみたくなってしまう、ビートロックが満載です。
STAY FREE 収録曲概要
「STAY FREE」収録曲は以下の通り。
- HOLD ME
- CHA CHA CHA
- Rain Dance
- DON’T CRY ANYMORE
- LOVE GENERATION
- LA・LA・LA ?
- ROCKET ROCK
- Sitting On Your Border
- NOSTALGIA
- STAY FREE
タイトルはシンプルですが、小文字、大文字、記号をうまく使った形。今でも曲名としてもしっかりと覚えているのは、回りくどくなく分かりやすからかも…。
KATZEは兄が好きで聞いていたので自然と耳に入ってきていましたが、歌詞も含めてちゃんと出てくるのは、曲が体に染み込んでいるんでしょうね。
演奏も特殊なことはしていないですが、今に聞いてもカッコいいサウンドです。
HOLD ME
オープニング曲「HOLD ME」。(1曲目)
サビではなくイントロ抜きで始まる、インパクトのある曲。今であれば珍しくないですが、リリース当時はちょっと特殊だったかも。時代の先取りですね。
Just my Baby
こんな夜に 素直になれたら…
きっと言えるぜオマエにだけ
ちょっとカッコつけた言葉なんですが、曲の中になると自然と聞こえるから面白い。言えるぜというのは、まだ言えていない言葉じゃないかなと。
思春期や、まだ若い時の男性だからこその思い。甘酸っぱさも感じさせます。
CHA CHA CHA
カッティングが気持ちのいい曲「CHA CHA CHA」。(2曲目)
ギターを弾く人であれば、聞けば思わず弾きたくなってしまうフレーズ。特殊なことは一切していないのが、功を奏している感じ。楽しくなっちゃいます。
踊り明かそう CHA CHA CHA!
他には当てはまる言葉がないような歌詞。サビの始まりだけでなく、最後にこのフレーズがくるからこそ、楽しさが倍増しちゃいます。
後にくる「LA・LA・LA ?」とはまた違う楽しさですね。
DON’T CRY ANYMORE
ベース高山克彬のメインボーカル曲「DON’T CRY ANYMORE」。(4曲目)
見た目通りの男らしい声で、哀愁を感じるのがまたいい! KATZE解散後に組んだLAVでもメインボーカルでしたが、いい声なんですよね。
たった3分ばかりの
Telephone Call
公衆電話で10円で話せる時間。当時だからこそ歌詞で、今ではないもの。時代を感じさせるからこそ、今聞くと思いがより伝わってくる気がします。
「DON’T CRY ANYMORE = もう泣かないで」は、男だからこそ言える優しさ。手が届くそばにいてあげたいのに、できないもどかしさを感じます。
弟のドラム高山靖彬も歌えますし、KATZEは武器の多いバンドでした。
LOVE GENERATION
バンドとして2枚目のシングル「LOVE GENERATION」。(4曲目)
休符をうまく利用したビートが気持ちのいい曲。コーラスも含めて、今は新しい曲として聞かないタイプかも。よく聞くといろいろな事をしているのも面白い。
GOOD -BYE LOVE GENERATION
たいくつな今はいらない
一つ大人の階段を上がるという感じと、先に進むべき理由。英単語でも誰でも意味が分かるであろう言葉を使っているのも特徴です。
KATZEは同じパートでも歌のメロディーがちょっとずつ異なるのですが、この曲は特に多いかも。あらためて聞いてみると、やっぱり興味深いです。
LA・LA・LA ?
聞いていると嫌なことも忘れてしまう「LA・LA・LA ?」。(6曲目)
La la laに意味はないんですけれど、そこがいい! よくなる当てはめる言葉がないからこそのラララとは異なります。
“Do you wanna Dance?”
はめをはずさないか
こんな言葉を言われて、楽しくならないわけがない。直球だからこそ、歌詞にもあるように、いやなアイツも明日も全てを忘れちゃえそうです。
コーラスが聞いていて気持ちがいい曲は、楽しくならない理由がありません。
NOSTALGIA
切ない思いが聞ける「NOSTALGIA」。(9曲目)
KATZEの魅力の1つのロックバラード。もう同じ関係には戻ることがないと知っている恋だからこそ、切なさが心に染み込んできます、
MY NOSTALGIA
きっとしあわせに
相手の幸せを望むと同時に、男のずるさも感じる思い。この言葉が言えるのであれば、もっと異なる行動ができたのではないでしょうか?
とはいえ分かっていてもできないからこそ、男というものでもあります。まだ自分も若い時に聞いていた時よりも、今の方が気持ちが分かりますね。
以前からいい曲だなと思っていましたが、好き度が上がってきました。
STAY FREE
バンドの代表曲「STAY FREE」。(10曲目)
KATZEを語るうえで、絶対的に欠かせない曲。イントロから最後まで、求められているものが欠けずに盛り込まれています。カッコいい!
僕には似合わないけど
二人で揃えたラバーシューズ
今だった違う対象になったであろう、歌詞。ですが、その時の時代を表しているからこそいい感じ。真空パックされたような気がします。
海の向こうが見たくて
汗を流し船を造るやつがいる
他では見ることのできない歌詞。実際のことにしたら泥臭いんですが、そこがまたいい! 情景も想像ができるからこそ、カッコいいんでしょうね。
オマエだけは…
Stay free…
思いが込められた最後の歌詞。普通に「Stay free」だと異なる意味に捉えられますけれど、変わらないでという思いではないでしょうか。
個人的にオマエという表現は時と場合を問わず好きではないですが、KATZEに関しては自然と聞けてしまいます。この曲に限らず、結構多い表現です。
とはいえ、自分がギターではなくなんかでKATZEを歌うとしたら、君かあなたに変えちゃいますが…。中村敦が歌うからこその表現ですね。
あとがき
1989年リリースということで、音に古さはあります。それでもそんなこと関係がなくなるようなカッコよさが、このアルバムにはあります。
MP3が浸透してきた時期に誰かが「音質を売っているんじゃない」と言っていた覚えがありますけれど、正にそんな感じです。
今の時代だからもあるんでしょうけれど、ビートロックで目立つバンドはいないですね。穴場だと思うので、ライブも楽しいし、出てくればいいのに!
音楽だけじゃなく、KATZEのようにビジュアルや、個性は必要だと思いますが…。もしかしたらそこが一番に難しいところなのかも。
それにしても「STAY FREE」はカッコいい! 昔に聞いていた人。これからという方にもオススメできるアルバム。聞けばきっと口ずさみたくなりますよ。
プラスして楽器をする人は、弾きたくなっちゃうのは間違いありません。
以上、『KATZE:STAY FREE ~あなただけは変わらないままでいて…~』でした。
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1988/10/21 release 1st Album
KATZE:BLIND ~今も目をつぶると君が見える気がした… ~
1989/6/1 release 2nd Album
KATZE:STAY FREE ~あなただけは変わらないままでいて…~ ←今ココ
1990/3/21 release 3rd Album
KATZE:Good Times Bad Times ~同じ時間なら楽しんじゃおうぜ! ~
1990/11/21 release 4th Album
KATZE:LOVE IS HERE ~俺たちの思いをここに残していくよ~
JOE (ジョウ)
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