石原夏織 (いしはら かおり) 2枚目のアルバム「Water Drop」。
前作「Sunny Spot」から約1年9カ月。2枚のシングルを挟みつつ、ゆったりペースでのリリース。アルバムのための制作時間を十分に取ったという感じ。
明るさが主でありながら、奥深くに切なさを感じさせてくれる内容です。
Water Drop 収録曲概要
「Water Drop」収録曲は以下の通り。
- Face to Face
- フィービー・フィービー
- Water Front
- 夜とワンダーランド
- リトルシング
- Crispy love
- キミしきる
- TEMPEST
- Diorama-Drama
- SUMMER DROP
- Page Flip
シングルが多くないからこそですが、8曲が新曲。アルバムならではとなっているのが、全体としても「Water Drop」という世界が表現されています。
逆に何曲もシングルを収録という制限がなかったからこそ、幅が広がっているのでしょう。だからなのか、このアルバムで面白い表現を別途でしています。
配信のみですが、インストゥルメンタルバージョンもリリース。シングルのカップリングではよくありますが、アルバム全体というのは珍しい!
それだけ制作側として、自信のある内容になったという感じじゃないでしょうか。歌がないだけと思いきや、雰囲気が変わる感じであるのが面白いです。
ただし、全曲の歌詞登録がないのは、もったいないと言わざるを得ないかも…。他アーティストでもありますが、歌詞の表示有無は大きな差となりますよ。
フィービー・フィービー
面白いタイトルの「フィービー・フィービー」。(2曲目)
どういう意味を持つ言葉なのかは不明でも、楽しい思いであるのは分かります。逆になんだろう? の部分があるからかこそ、楽しくなるのかも…。
孤独じゃない 隣りにある
フィービー・フィービー さあ
つかまえてハッピー
愛称のようでもありますが、いろいろな想像もできるフィービー・フィービー。聞く人それぞれの何か楽しいこと、人などを思い浮かべると面白そうです。
何か明確に分からなくても、楽しいことがある。そんな感じでしょうか。
Water Front
明るい1、2曲目とはガラッと雰囲気を変える「Water Front」。(3曲目)
大人の恋で、こんな歌も歌えるんだとドキッ! とさせる曲。彼女はかわいらしいイメージがあるからこそ、余計にですね。時とともに、大人になっていました。
くちびるからほんの、一言
零れたら…もうとめられない
ハッピーな状態の恋でないからこそ、終わりのきっかけとなる言葉を発してしまうかもという思い。それでも、キミと離れたくないからこその葛藤する心。
いろいろ恋の歌はありますが、気になる世界。声優である彼女のイメージと異なるかもですけど、MVとして表現したら、より興味深いものとなりそうです。
夜とワンダーランド
音使いが面白い「夜とワンダーランド」。(4曲目)
未来を想像するからこそ明るくなってもいいのに寂しさを感じさせてるのは、演奏の音使いにもありそうな曲。この歌詞と、歌声だけじゃないですね。
弾きながらというよりも、打ち込みながらガッチャンコしたような感じ。曲頭から順に作っていったら、こうはならないでうね。実際どうなんでしょう?
羽ばたこう この世界から
飛び出した未来
輝いてナイトダイバー
すごくポジティブ。それなのに、気いていると寂しさを感じさせる。未来は見たいのだけど、今のこの時も実は心地よく感じているのかも…。
不思議な要素を持った曲。さらっとも聞けますが、深みがありそうです。
キミしきる
ミディアムバラード「キミしきる」。(7曲目)
声質も含め、バラードは得意だと思いますが、この1曲のみ。だからこそより強い印象となって聞こえます。効果的な見せ方を知ってらっしゃる。
キミが怖がることは何
弱いこと?
良く見られたい、完璧になりたい、好きでいて?
人の不安となる部分を、的確に切り抜き。全てを誰かと比べる必要なんてないのに、なぜかしてしまうキミ。余計なことをして、怖がってしまうんです。
だからいつまでもキミでいて
変によく見せようや、不自然な形ではなく、そのままのキミ。100人いたら全陰が異なるのは当たり前なんだから、変わらないでの思いでしょうか。
甘やかすのではなく、一人としてのキミ。いろいろと考えさせられる曲。艶がありながら、切なさが含まれる歌声がよく似合います。
SUMMER DROP
![]() | 「SUMMER DROP」 フルMVをApple Musicで観る |
アルバムのリードトラック「SUMMER DROP」。(1曲目)
昔の歌謡曲を思わせるのが面白い! 曲、歌詞にあえての部分が見えて、興味深く感じます。音に遊び心が含まれているのも、夏の楽しさを表している感じ。
フラペチーノのみたいに溶けてく
夏の恋 してみたいから
多分「かき氷」にしたら、狙いすぎ。その他のカタカナ表記部分もですが、ギリギリのところで止めているからこそ、懐かしさの中に今があるのでしょう。
楽しいさいっぱい曲であるのに、少し寂しさを感じさせるのも、一気に駆け抜けていく夏の楽しさを感じさせます。別の人が歌ったら、違う感じになりそう…。
Page Flip
アルバムの最後はこれから思い出となっていく「Page Flip」。(11曲目)
「Page Flip = ページめくり」とは、いいタイトル。思い出を記録していくこどで、増えていくページ。めくるのは必然ですから、なるほどねと。
自分だけじゃなく、君も含まれたらいい。より楽しい記録になっていくのでしょう。恋する女の子らしい思いは、聞いていてかわいらしいです。
書き出しはいつも大切な言葉
どんな言葉なのか、見せていない。想像はできますが、2人だけのダイアリー(日記)はどんな記録がされていくのかは、他の人には見せない。秘密の日記。
2人だけの特別なものだからこそ、思い出になっていくのを想像させます。ギター・ソロが弾き過ぎな感じが、心のわくわくを表現している感じも面白い!
「Water Drop」で表現したことも、彼女の記録になっていく。アルバムの最後にくるのは、必然だった曲が気がします。思い出の記録は続いて行きますし。
あとがき
冒頭でも記載しましたが、全体として明るいのに、奥深くに何か寂しさを感じる。彼女の声質によるのもあると思いますが、興味深いところです。
まだ私の全ては見せないからというか、隠されているものがあるからこそ、気になってしまう。逆にうまいことしてやられているのかも…。
アルバムはゆったりとしたペースでしたが、次のシングル「Against.」のリリースが早くも11月4日に予定されています。
試聴動画もアップされていますが、曲名のように力強さがある感じ。部分的なので見えない部分もありますけれど、また新たな彼女が表現する世界。
爆発的ではなくても、じわじわと手を伸ばして響いてくる歌声は、1度気になってしまうと長く離れることはできなさそうです。
以上、『石原夏織:Water Drop ~思いの水しぶきが広がっていく~』でした。
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