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Iron Maiden:Senjutsu ~その戦いの先で俺たちが見たものは…~

Iron Maiden:Senjutsu洋楽レビュー
洋楽レビュー

Iron Maiden (アイアン・メイデン) 17枚目のアルバム「Senjutsu」。

前作「The Book of Souls」から6年。途中2枚のライブ・アルバム、先行シングル「The Writing On The Wall」「Stratego」挟んでリリースされた新作。

タイトル、ジャケットも印象的ですが、肝心の中身も興味深い内容です。

Senjutsu 収録曲概要

「Senjutsu」収録曲は以下の通り。

  1. Senjutsu
  2. Stratego
  3. The Writing On The Wall
  4. Lost In A Lost World
  5. Days Of Future Past
  6. The Time Machine
  7. Darkest Hour
  8. Death Of The Celts
  9. The Parchment
  10. Hell On Earth

リリースは21年9月ですが、19年5月にはレコーディングが終了していたとう今作。冷静な判断をするために寝かしていたところに、現在の世界的な状況。

本来であればもっと早くリリースもできたのでしょうけれど、この待ちができたというのは、ある意味で戦術と言えるかもしれませんね。

また興味深い話として、流出を防ぐためにマスターは金庫に保存され、メンバーさえもが2年以上も音源を聞くことができない状態だったとのこと。

それも戦術と言えますし、メンバーもファンと同じ様に今このタイミングでナチュラルな感覚で楽しめるアルバムになっているのかもしれません。

Senjutsu

アルバム・タイトル曲「Senjutsu」。(1曲目)

戦う意味と、何をすべきかというのは、正に戦術。モロに日本語で、ここの付随するものがその他の曲になっていると考えると、日本人として興味深いです。

Have to fight now for dynasty pride at stake

「王朝のプライドにかけて今戦わなければならないんだ」。だからこそ立ち向かってくる敵と、相対する。音が寂しいのは、プライドに迷いがあるからかも。

戦うのではなく、うまく行けば話し合いで解決できるはずですから…。

Avenge the merciful
Hold the great wall

「慈悲深い復讐。万里の長城と守る」。”万里の長城”部分は巨大な壁とも訳せますが、海外の方にありがちな日本と中国が混ざっているからこその気もします。

どちらを指すのか、日本語インタビューアには突っ込んで聞いて欲しいですね。

Lost In A Lost World

死者からの声「Lost In A Lost World」。(4曲目)

「失われた世界でさまよう」。そのタイトルも印象的ですが、受け取り方次第で生き残った者なのか、死者からの声のようにも考えられる歌詞。

自分は死者からの様に感じましたが、興味深い表現です。難しい表現は使われていないので、「こういう意味かな?」 と歌詞を見ることをオススメします。

Until we meet again

最後に「また会う日まで」。これをどちら側の声と感じるでしょうか?

また、オフィシャルオーディオが全曲アップされた今作。背景はそれぞれで少しづつ異なるのですが、「死」の文字があるこの曲が一番インパクトがあります。

Days Of Future Past

永遠に終わることのない「Days Of Future Past」。(5曲目)

アイアン・メイデンらしい、リフのカッコいい曲。特にギタリストが聞けば、コピーして弾きたくなること請け合いです。

Waiting for the judgement
But the judgement never ends

「審判の時を待っている。しかし、決して終わらない」。過去に対してのことであっても、未来でもその罪は消えないということでしょうか。

人を何の理由があるにせよ、傷をつけたら終わることはない。過去の過ちを今取り上げられ、大避難をされるというのが音楽業界で最近もありましたよね。

演奏としてはめちゃカッコいい曲ですが、描かれている世界は考えさせられるものを感じてしまいます。罪は消えることがない…。個人的にはその通りかなと。

Darkest Hour

深い悲しみからの「Darkest Hour」。(7曲目)

かつての時間に戻ることのない悲しみ。過去を思いうかべ、歌に記したことに寂しさが強く感じさせます。今作で、ぜひライブで聞いてみたい曲でもあります。

No growing old
The glorious dead

「老いることのない、栄光の死者」。老いることがないのは、死を迎えているから。それが自分の息子となったら、それは闇の時となるのは必然なのでしょう。

対決てあれば兄弟とすることもできたのでしょうけれど、戦争となると傷付くのは老若男女は関係ないもの。だからこそ、息子としたのかもしれませんね。

Before the dawn the darkest hour

「夜明け前の暗黒の時」。本来であれば日が当たり明るくなっていく時でさえ、悲しみから夜が開けることはないのでしょう。

ロック系は特に切ない音が好きな傾向の強い日本人。個人的にもですが、この曲がアルバムの中でも好き! と感じる方が多いことを予想しています。

Death Of The Celts

確信のため俺が見るのは「Death Of The Celts」。(8曲目)

タイトルにもありますが、ケルト音楽が含まれている曲。その多くは楽しげな場合は多いですが、この曲ではちょっと違った寂しげな感覚が聞けます。

Power of my soul will be free
Deliver us on to victory

「俺たちの魂は自由になる。勝利に導いてくれ」。戦うからこそ、求めるのは勝利。後に続くものがどうではなく、今はということかなと。

Came to witness the death of the Celts

「ケルト人の死をを目撃するためにきた」。この曲の中では死すら恐れることなく、永遠に生きると表現されているケルト人。

死を確認するのは、勝利を体感として感じたいからなのかも…。描かれている世界観を感じるほどに、なんとも言えない寂しさが漂う曲です。

Hell On Earth

そこに残ったのは「Hell On Earth」。(10曲目)

タイトルを日本語にすると、この世の地獄。勝ち負けに関係なく戦った先にあるものだと考えると、寂しさがより増す曲です。表現される音も切ない…。

All you have been, all you have seen
Lost in somewhere in your dreams

「あなたがした、見た全て。夢の中で失われたんだ」。プライドを守るために行ったことに、意味があったのか? と問いかけられているかのよう。

Lost in anger, life in danger

「怒りで失われ、危険な人生」。戦った先で感じること。冷静であったら違うことができたのに…。なんて思ってしまうのはなぜでしょうか?

ジャケットのエディは表情は今にも人を殺める怒りのようにも見えますが、アルバムを通して最後にこの曲と聞いた後では、涙を流しているようにも思えます。

あとがき

先行配信の2曲は激しさも伴いましたが、アルバム全体とすると寂しさが感じられる1枚。歌詞はもちろんですが、音にもその傾向が合わられています。

加えてブルース・ディッキンソンの歌声は嘆きであるかのよう。また、舌の腫瘍を取り除く手術後、歌声が力強くなったと記事を見ましたが、事実かも…。

戦術を実行するための言葉、歌詞が重要となる今作。バンドにとって一番強みとなったのは、ブルース・ディッキンソンの歌声であるように感じました。

また、さすがはIron Maidenというビックバンド。邦題が付くことはメタルでも稀になってきましたが、日本盤ではほぼそのまま直訳ですが付いています。

邦題を見た方が、イメージが湧きやすい方は多いかも…。音に直接関係する部分ではないですが、レコード会社のホームページを見ていて面白く感じました。

また、今作のタイトルは「Senjutsu (戦術)」。エディが身に付けている鎧に手にした刀も含め、日本の色が強くなっているのは疑いのない事実。

状況の改善次第だとは思いますが、本作に伴う来日公演も期待しています。

 

以上、『Iron Maiden:Senjutsu ~その戦いの先で俺たちが見た光景は…~』でした。


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