HYDE (ハイド) 1枚目のアルバム「ROENTGEN」。
L’Arc〜en〜Cielが活動休止中の2002年にリリースされた、初のソロ・アルバム。「静」がテーマになっていて、現在とは異なるタイプの曲が聞けます。
もともとが英詞の割合が多かったですが、完全なるEnglish ver.もリリース。だからこそ、いろいろな感覚で楽しめるアルバム。
いろいろな思いと、乗り越えていく強さを感じます。弱く負けそうな気持ちを安らぎたい時に、聞くのをオススメする1枚です。
ROENTGEN 収録曲概要
「ROENTGEN」収録曲は以下の通り。
- UNEXPECTED
- WHITE SONG
- EVERGREEN
- OASIS
- A DROP OF COLOUR
- SHALLOW SLEEP
- NEW DAYS DAWN
- Angel’s tale
- THE CAPE OF STORMS
- SECRET LETTERS
「ROENTGEN = レントゲン」という変わったタイトルは、「人の心を映す」というコンセプトから。実際にレントゲン写真を撮りにいって決定したそう。
普段は見えていない体の中が見えるからこそ、「静」のテーマにもあっている気がします。ジャケットの頭蓋骨は、HYDE自身のレントゲン写真。
写真の上のマークも印象的で、「?」とも「♡」とも考えられるもの。どうの形にも人によって異なる「人の心を映す」そのものですね。
「静」がテーマで曲は静かなのですが、「動」ではないからこその力を感じる10曲が収録されたアルバム。1人で暗い場所で聞くのがオススメですよ。
UNEXPECTED
オープニング曲「UNEXPECTED」。 (1曲目)
余韻が残る感じが、聞いていて引き込まれるます。
「UNEXPECTED = 予期しない、意外な」。興味深い曲名になっていますが、歌詞を見るとなるほどねとなる形となっています。
To meet is so unexpected
「会うのは予期しない出来事だった」。多くの人が住むこの世の中で、同じ時を刻み、出会うことなんて予期ができることではないですよね。
出会ってからのことではなく、最初に出会うこと、お互いが関わりあうことは「UNEXPECTED」な出来事。短いですが、興味深い歌詞です。
始まりにある「Promises woven = 織り込まれた約束」。出会いは必然だったと言えるのかもですね。不思議な感覚なんですが、引き込まれる曲です。
EVERGREEN
![]() | 「EVERGREEN」 フルMVをApple Musicで観る |
1枚目のシングルでHYDE本人が出演した「ユニクロ」CMソング「EVERGREEN」。 (3曲目)
楽曲製作中の友人の死をテーマに作られた、優しい思いの詰まったバラード。同じ優しさであってもEnglish ver.とは、少し印象が変わる曲でもあります。
そっと身体に流れる 薬みたいに
溶けていったね
思わずドキッとしてしまう歌詞。この場所からいなくなってしまうのも、もう2度と同じ状態で会うことがないということも感じさせます。
最後「愛しい人よ」で終わるのも、故人への思いを感じずにはいられません。
SHALLOW SLEEP
![]() | 「SHALLOW SLEEP」 フルMVをApple Musicで観る |
3枚目のシングルで、日本テレビ系「スーパーテレビ情報最前線」エンディングテーマ「SHALLOW SLEEP」。 (6曲目)
歌詞にも出てきますが、「SHALLOW SLEEP = 浅い眠り」。浅い眠り(レム睡眠)の時に見ますから、夢がテーマになっている曲。
I see you until i wake
「目覚めるまで会うよ」。夢の中でも君のことを考えているのに、目覚めても君と会うんだという、どれだけ大切にしているのかが伝わってきます。
HYDE本人も語っていますが、バンドアレンジであるからこそL’Arc〜en〜Cielとしても成立する曲。ソロを知らなかったら、間違えるかも…。
逆に考えるとソロだから。ユニットだから。L’Arc〜en〜Cielだからと、イメージで限定しないのが、この曲をソロでしたのが起因かもしれませんね。
Angel’s tale
![]() | 「Angel’s tale」 フルMVをApple Musicで観る |
2枚目のシングル「Angel’s tale」。 (8曲目)
「Angel’s tale = 天使の物語」。物語というと「story」を思い浮かべてしまいますけれど、「tale」としていることに、面白みを感じる曲。
日本語も同じ意味の言葉で言い方が変わる場合がありますが、英語も同じように多くあります。複雑ですけれど、面白いと思うと英語が好きになりますよ。
ギターのアルペジオが印象的なバラードは、クリスマスソングがテーマと聞いて、納得。確かにクリスマスならではの、優しい思いを感じます。
また、印象的なアルペジオ。何も考えずにギターを持ってつま弾いていると、この曲だったりします。特にギタリストには印象に残る曲ではないでしょうか?
THE CAPE OF STORMS
![]() | 「THE CAPE OF STORMS」 フルMVをApple Musicで観る |
HYDEも出演した映画「下弦の月〜ラスト・クォーター」主題歌「THE CAPE OF STORMS」。 (9曲目)
嵐の岬と名付けられた、切なさでいっぱいになる曲。
So where has love gone?
Will I ever reach it?
「愛はどこへ行ったの? 届くことはあるの? 」。嵐で全てを飲み込まれ、この曲の歌詞の主人公も飲み込まれているのに、疑問形で気付いてさえいない…。
気付くことが最良ではなないこともあるかもしれませんが、乗っていた船は幽霊船となって永遠にさまよい続ける。とても切ないですね。
切なく痛い思いであるのに、聞き入ってしまいます。HYDEの歌声に、魅力を感じずにはいられません。切ない曲がやっぱりというか、似合います。
あとがき
「静」がテーマの1枚目のソロバム。リリースから期間はたっていますが、ふとたまに聞きたくなる魅力を持ったアルバム。
「静」であるからこその、心を動かすものを感じます。今すぐにはないでしょうけれど、2年後にはリリース20周年。また「静」を聞いてみたいですね。
L’Arc〜en〜Cielの1枚目「DUNE」の世界感にも近いので、好きな人は多いと思います。激しいHYDEもカッコいいですが、静も聞いてみてください。
以上、『HYDE:ROENTGEN ~誰もが内に秘めている心はどう映る? ~』でした。
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HYDE:ROENTGEN ~誰もが内に秘めている心はどう映る? ~ ←今ココ
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