HYDE (ハイド) 3枚目のアルバム「FAITH」。
前作「666」から約2年5カ月。前作はプロデュースの参加のみのK.A.Zがギターでも参加した1枚。
ライブでも収録曲からいくつか演奏がされていますが、VAMPSへとつながるアルバム。「動」でも「666」と少し異なった世界感が楽しめます。
HYDEなりの、宗教観や世界の矛盾を前面に打ち出した作品。カッコいい!
FAITH 収録曲概要
「FAITH」収録曲は以下の通り。
- JESUS CHRIST
- COUNTDOWN
- MADE IN HEAVEN
- I CAN FEEL
- SEASON’S CALL
- FAITH
- DOLLY
- PERFECT MOMENT
- MISSION
- IT’S SAD
10曲の収録であるのは、1枚目「ROENTGEN」から続く共通要素。
ジャケットが「666」と同じ顔の角度であること、「JESUS CHRIST = イエス・キリスト」の油絵のようになっているのが興味深く感じます。
現在4枚のソロ・アルバムをリリースしていますが、1、4枚目。2、3枚目のジャケットに共通項があるので、5枚目がどうなるのか気になってしまいます。
曲だでけなく、ジャケットからも大きな興味を引かせるのはさすがです。
JESUS CHRIST
オープニング曲「JESUS CHRIST」。(1曲目)
「JESUS CHRIST = イエス・キリスト」を崇拝する人物が主人公の曲。テーマとして日本語は軽くなるので、完全英詩であるのが功を奏しています。
I’d do anything to save this life
Take me instead
「命を救うために何でもする。かわりに連れて行って」。死にゆくイエス・キリストを崇拝しているというのが、特に伝わってくる部分。
1曲目としてかなり重めのテーマだと思うのですが、アルバムの世界に引き込まれる形になっているのですから、とても興味深く感じます。
リリース当時は単純になんか切なくてカッコいいなと聞いていましたが、歌詞も見つつあらためて聞いてみると、より興味が強くなりました。
COUNTDOWN
![]() | 「COUNTDOWN」 フルMVをApple Musicで観る |
6枚目のシングル「COUNTDOWN」。(2曲目)
カウントダウンというと10からがお決まりですが、13からというのが面白い! その理由が、13という数字が好きだから。ロックですね。
前作のアルバム・タイトル「666」もですが、ロックな数字をうまく利用するのは、聞いていてとても印象に残ります。数字の扱い方がうまいですよね。
アルバムの中でもコピーしたくなる代表格の曲で、カッコいいロック。ただしバンドをする時の問題は、HYDEみたいにカッコよく歌える人は少ない…。
比べること自体が酷なことですが、HYDEはカッコいいなと感させてくれます。
SEASON’S CALL
![]() | 「SEASON’S CALL」 フルMVをApple Musicで観る |
7枚目のシングル「SEASON’S CALL」。(5曲目)
テレビアニメ「BLOOD+」第2期オープニングテーマでした。切ない曲調ですが、希望を感じさせてくれる曲でもあります。
希望を感じさせてくれるのは、日本語と英語が対になるからです。
いつも愛を伝えていよう 愛を
Because I always feel you in me.
「私はあなたを自分の中に感じているから」。他の歌詞の部分も対になるので、興味深い手法だなと思いました。他アーティストだとあまりない手法。
ワンワードではなく、フレーズで日本語、英語を使い分けるHYDEだからこその手法は、バンドマンはとても参考になる部分が多いですよ。
バレーの上昇フレーズがあるのも、バンドらしくもあり、カッコいい曲。
PERFECT MOMENT
アルバムの中でも1番に切ない雰囲気の「PERFECT MOMENT」。(8曲目)
1枚目「ROENTGEN」の雰囲気というよりも、L’Arc〜en〜Cielの雰囲気の強い曲。ソロと知らなかったら、ラルクの曲と言っても信じてしまいそうです。
I’m happy to die in this moment
「この瞬間に死んでうれしい」。この部分だけ見ると少し不思議な感じがしますが、歌詞全体を見ると言っていることの意味が分かる気がしました。
「PERFECT MOMENT = 完璧な瞬間」とは、生まれてきてから死ぬまでの時を過ごしてきたからと言えるのではないでしょうか。悔いのない人生…。
激しい曲が多い中で雰囲気が異なりますが、個人的には1番オススメ!
IT’S SAD
アルバムのラストを飾る「IT’S SAD」。(10曲目)
最も悪であり罪深い生き物は、人間だという観点から書かれた曲。日本語だけだと重くなりすぎる。英語だけだと難しいので、言葉のバランスがいいです。
ただし片側だけだと意図が伝わりずらいと思いますので、歌詞全体で感じてみることをオススメします。人間とは罪深い生き物なんですよね。
The ground will find some peace when we’re gone. It’s sad.
「私たちがいなくなった時、平和を見つける。悲しい…」。いつ人間が滅びるからはわかりませんが、この歌詞の通りになったら悲し過ぎますよ。
悲しくならないために、改善するべきことが多いなと感じます。アルバムタイトル「FAITH = 信仰」にも通じる思いは、ラストの曲にふさわしい。
あとがき
このアルバムはHYDEなりの、宗教観や世界の矛盾を前面に打ち出した作品ということで、テーマとしては扱いが難しかった作品だと思います。
難しくもあるのに、重くなりすぎずにまとまっているのはさすが! ラルクの活動と、ソロでも3枚目だからこその作品ではないでしょうか?
このアルバムをリリース後はVAMPSの活動が活発になったこともありますが、ソロとしては13年あくことになります。今となると、それも興味深い!
テーマは難しいですが、自然の耳に入ってくる内容。リリース当時に聞きまくった人はもちろん、今から聞いても楽しめるアルバムです。
以上、『HYDE:FAITH ~信仰することで見えたきた物とは何なのか?~』でした。
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