GREY DAZE:Amends ~現在の形で過去の歌声がここに蘇る~

GREY DAZE:Amends洋楽レビュー
洋楽レビュー

GREY DAZE (グレイ・デイズ) リユナイト・アルバム「Amends」。

2017年に亡くなったチェスター・ベニントン。Linkin Park加入の前に在籍し、2枚のアルバムをリリースしていたGREY DAZE。

生前にあったという復活計画はかなわずでしたが、アルバム・タイトル「Amends = 修正、改める」の通り、今の形での音源リリースとなりました。

Amends 収録曲概要

「Amends」収録曲は以下の通り。

  1. Sickness
  2. Sometimes
  3. What’s In The Eye
  4. The Syndrome
  5. In Time
  6. Just Like Heroin
  7. B12
  8. Soul Song
  9. Morei Sky
  10. She Shines
  11. Shouting Out

扱いとしてはNewアルバムとなっていても、必然的に新たにチェスターがレコーディングするのは不可能。収録されているのは、新曲ではありません。

1枚目「Wake Me」から4曲。2枚目「…No Sun Today」から7曲が選曲。4曲目はオリジナルではタイトルが「 The Down Syndrome」ですが、同じ曲。

通常の再発と異なるのはリマスタリングやリミックスではなく、チェスターのボーカルはそのままに、バンドの演奏が全て録音がし直されました。

オリジナルテープが残っているからこそですが、1枚目が1994年。2枚目1997年の音源ということで、10代の頃のチェスターの歌声が今に蘇りました。

技術的には可能であってもあまりされない手法。単に再発でないからこそ聞く方も多いと思うので、興味深く面白いリリース方法のアルバムです。

Sickness

寂しさが漂う「Sickness」。(1曲目)

正常の状態ではないのに、自身では気づいていない心情。曲名そのものなのですが、切ないからこそ響いてくるものがあります。

So much for hopeless dreaming, frustration settles in

「絶望的な夢をたくさん。欲求不満であることに落ち着く」。同じような状況になったことはありませんが、気持ちとしては想像ができる思い。

「Calling me = 俺を呼んで」。自身では正常でないことに気づかずとも、今の状況からは抜け出せたらの思いがあるのかもですね。

にしても、10代の時になんて歌を歌っているんだという感じです。

Sometimes

グランジロックな「Sometimes」。(2曲目)

「Sickness」のような病んでる感はなくても、寂しさを感じる曲。チューニングを低音に持っていかなくても、この切なさ。この歌声だからこそですね。

Maybe, maybe
Maybe, yeah…

「多分、多分、多分、そう…」。自ら変えていくのではんく、身を成り行きに任せているような感情。弱さがあるからこそ、人である感じがします。

特別何かをしているわけではないですが、聞いていて重みを感じる曲です。

What’s In The Eye

友が去っていくからこその切ない思い「What’s In The Eye」。(3曲目)

目は口ほどに物を言うということわざがありますが、気づいてしまったかこその寂しさ。英詩であっても、日本の哀愁に近いものを感じます。

Don’t go too fast, my friend
Or you’ll lose control

「焦って去っていかないで。コントロールを失うから…」。ここで言うコンロールを失うのは、去っていくというのは友でなく、自身なのでしょうね。

曲の最後に「Why? = なぜ」の叫びが、とにかく切ないです。

B12

争いに対しての訴え「B12」。(7曲目)

戦闘兵器や爆弾などでお互いに傷つけ合うことへの疑問。多くの人が感じてもそのまま進んでいくことへの、嘆きのある歌。

1997年にリリースされている曲ですが、SNSや誰でも発信できる時代の方が響く人は多いかもしれません。考えさせられる曲です。

You think I’m stupid?

「あなたは俺が愚かだと思うか?」。勢いやその場の雰囲気での行動ではなく、「これってどうなの? 」と、客観的に見られたら変わってくるんでしょうね。

この曲で歌っているのは誰かを非難するのではなく、行動する前によく考えてねということなのかもしれません。オリジナルよりも断然よくなっています。

Soul Song

曲名の通りに思いの詰まった「Soul Song」。(8曲目)

聞く人によって感じ方は変わってくるでしょうけれど、レクイエムにも聞こえる曲。ささやくように歌う部分も含めて、思いのこもった歌声。

当然演奏は含まれていますが、ボーカルトラックだけでも説得力のある歌。言葉に思いが大きくこもって聞こえるのは、チェスターならではでしょう。

MVも作成されていますが、目をつぶって聴きたくなるような曲です。

Morei Sky

自分の弱さを知っているからこその思い「Morei Sky」。(9曲目)

歌詞にもありますが、アルバム・タイトルと関係の深い曲。経験をしてきた大人ならまだしも、10代の時に歌うというのが興味深く思わずにはいられません。

If I had a second chance, I’d make amends

「二度目のチャンスがあれば、償いをしたい」。人生も半ばをこえてからや、取り返しのつかないことをしたと分かっているからこその思い。

想像のみで書く詩ではないので、興味深く感じる人も多いはず。リリックビデオにもなっているので、歌詞も合わせて見ながら聞いてほしい曲です。

あとがき

仕方のないことですが聞いて感じるのは、単曲の集まりのアルバムであること。もともとがこの形でというわけではないので、オリジナルとは異なります。

それでも新たな演奏に組み替えられることで、今の音になる。ボーカルが動かせないことで制約はあっても、新しい形の1つだと感じました。

変にいじったり、AI(人工知能)、人工的に歌声を作っていないのも、敬意が感じられます。

それにしても地元で人気はあっても、まだ無名時代にこの歌声。チェスターがとんでもないボーカリストであったのを感じるのは、十分な内容です。

オリジナルを聞くと顕著ですが、曲として突出しているわけではないので、ボーカルで階段をエレベータにしていた感じ。変わりのいない、選ばれた歌声。

Linkin Parkだったから支持されたではなく、必然だったんでしょう。

残ったメンバーのインタビューを見ていると、今回が終わりでなく、数年後にもう1枚という意志もあるようです。果たしてどうなるんでしょうか?

個人的にLinkin Parkが大ヒットした時に深堀りをして聞いていた、GREY DAZE。過去ではなく、今の音として聞けるのは興味深かったです。

 

以上、『GREY DAZE:Amends ~現在の形で過去の歌声がここによみがえる~』でした。


『MACHINE HEAD』をApple Musicで

The following two tabs change content below.

JOE (ジョウ)

Guitar、F1を筆頭にモータースポーツ全般、野球(巨人)が好きな、ジャンルを問わない音楽マニア。日々記事更新中で、SNSは基本オマケ。 もっとプロフィール & あぶまいについて

コメント