Greta Van Fleet (グレタ・ヴァン・フリート) 1枚目のアルバム「Anthem of the Peaceful Army」。
前作「From the Fires」から約1年ぶりの音源はEPではなく、初のアルバムに。ロックバンドはアルバムがあってこそなので、正に待望の1枚。
EPの印象とは変わっておとなしめなのですが、じっくり聞いていくと面白みが増していく内容になっています。じわじわくるスルメアルバムです。
Anthem of the Peaceful Army 収録曲概要
「Anthem of the Peaceful Army」 収録曲は以下の通り。
- Age of Man
- The Cold Wind
- When the Curtain Falls
- Watching Over
- Lover, Leaver
- You’re the One
- The New Day
- Mountain of the Sun
- Brave New World
- Anthem
- Lover, Leaver (Taker, Believer)
フルアルバムであっても曲数をムダに増やさないのは、オールドロックが根底にあるバンドだからのような気がします。曲名もシンプルで男らしい。
曲名にひねりなんて俺たちにいらないんだよ! と、言っているかのよう。バージョン違いで「Lover, Leaver」が2回入っているのは、こだわりを感じました。
1度ならず最後にまた見せることで、強い強調になっています。「Age of Man」から、「Lover, Leaver (Taker, Believer)」で、起承転結な感じ。
海外のバンドとしては珍しいですが、わびさびを感じるようなアルバムですよ。
Age of Man
オープニング曲「Age of Man」。(1曲目)
しっとりとしたメッセージ性を持った始まりには、最初に聞いた時はびっくりした曲。EPを聞いていた人であれば、なおさらではないでしょうか?
歌詞には新しい日が始まろうとしているのに、終わりが近づいているとは、意味深長な歌詞。アルバムの中で1番長尺であるのも、不思議さを増しています。
1曲のみで判断するのではなく、アルバムのプロローグとして聞くと面白みが増えてくるのは間違いありません。ある意味でバンドの挑戦的な曲です。
The Cold Wind
前作のイメージに近いオールドロック「The Cold Wind」。(2曲目)
これ以上ないシンプルで、潔さがいっぱいの曲。実際は音の分離から分けてレコーディングしているでしょうけれど、1発録りの雰囲気があります。
牛飼いのことを歌った歌詞は、イメージがわかないのでよく分からない部分もありますが、それでもカッコよさを感じる曲。
音数も音色数も少ないですし、なかなかマネができないように感じました。
When the Curtain Falls
アルバムからのシングル「When the Curtain Falls」。(3曲目)
MVがよく流れていたので、ロック好きであれば見たことがある人が多いのではないでしょうか? 野外で光があるからこそ、メンバーの若さが分かるMVです。
1度聞いたら耳に残るギターリフと、ジョシュ・キスカの歌声が印象的で、ロックのカッコよさを感じられます。モダンロックではないカッコよさですね。
1度幕が降りるのは新たな始まりのために必要なんだというような歌詞は、なるほどねと思いつつ、若くしてよくこんなのが書けるなと感心してしまいます。
カバーではなく、現代のオールドロックとしてカッコよく聞ける曲です。
You’re the One
自分には君が必要なんだというラブソング「You’re the One」。(6曲目)
好きだ嫌いだというラブソングとは、少し異なります。自分にはどうしても君が必要なんだ。だから、戻ってきてくれという、男の弱さを歌ったラブソング。
シンプルで素直な思いだからこそ、思いが伝わってきます。自分のしてしまったことが原因と知っているからこそ、弱さであり優しい歌。
アダルトな曲を若いメンバーが演奏して歌うというのは、興味深いですね。
Lover, Leaver (Taker, Believer)
アルバムのラストを飾る「Lover, Leaver (Taker, Believer)」。(11曲目)
5曲目にも「Lover, Leaver」として収録されていますが、演奏が簡略化されているので、こちらが本来の完全版といえる仕上がり。
「Lover, Leaver」の状態で3分34秒とラジオ向きの曲としては完結していますが、完全版も収録してくるというのはロックバンドならではのこだわりですね。
単語の並べた曲名は聞くだけではなく、歌詞も見なければ面白さが半減する曲。終わりを迎えるというのは「When the Curtain Falls」に似ていますよ。
「When the Curtain Falls」に対しての、具体例という感じがしました。
アウトロとなるジャムをしている演奏を含めて、アルバムのラストを締めるのに最適な形になっています。難しい演奏ではないですが、ジャムは面白いです。
あとがき
アルバムを通して感じるのは、ロックでありながら少しおとなしめな感じ。前作のEPがイケイケでしたから、変わったなと感じる人もきっと多くいますよね。
恐らくおとなしく変わったのではなく、ライブで表現するのに不足している曲を増やしていったことが、今作の内容になった理由ではないでしょうか?
単純にアルバムではなく、グレタ・ヴァン・フリートとして必要な曲を作ったらこの1枚になった感じ。この部分はまだ若さが出ている部分ですね。
誰もが前作のEPを聞いているわけではないので、作品ごとに見せる要素はバンドに必要だと思います。作品が違えば、似た趣向の曲があっていいんです。
現代のレッド・ツェッペリンなんて比喩もされるグレタ・ヴァン・フリート。同じオールドロックでも、AC/DCの作風も取り入れてもいい気がしました。
ロックバンドだからこそこただりはあると思いますが、聞き手が全て聞いている前提は怠慢であるのも事実。今のバンドであり続けるには、改善が必要ですね。
アルバム内容が悪いのではなく、もっといいものが作れた気がします。よい音源を作っているのを知っているからこそ、期待してしまうは必然です。
来年リリースが決定している2枚目のアルバムは、どんな内容になるのでしょうか?
以上、『Greta Van Fleet:Anthem of the Peaceful Army ~2つが交わる平和を~』でした。
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